感染症の海外ニュースと解説
アメリカを悩ますダニ由来のライム病:
温帯地域はダニ、シラミ、ノミによる感染症が要注意
2014/09/03

1. ダニ、シラミ、ノミによる感染症
2. 米国CDCがライム病の増加に警告 
3. ライム病(Lyme disease)とは
4. ライム病の症状  
5. ライム病の発生場所と媒介生物
6. ライム病を防ぐには 
7. スピロヘータ科(Spirochaetaceae)の病原性微生物
  ボレリア属 Borrelia
  トレポネーマ属(Treponema
  レプトスピラ属 Leptospira

1.ダニ、シラミ、ノミによる感染症
5月から10月の温帯地域は蚊や蚤(ノミ)、虱(シラミ)、ダニが活躍するシーズン。
ダニに関しては野外のSFTSV(マダニ・ウィルス)による重症熱性血小板減少症候群が
日本でも有名になりましたが、世界の温帯地域にはダニ、シラミ、ノミによる感染症が
少なくありません。
特にげっ歯類や犬猫、鹿などの小動物と接する人はダニや蚤(ノミ)、
虱(シラミ)が媒介する感染症の危険にさらされます。
SFTSV(マダニ・ウィルス)の急増は地球温暖化?:米国CDCが薦める防御と治療法

アメリカを悩ますダニ感染症で代表的なのがライム病(Lyme disease:Borrelia burgdorferi)。
病原性微生物が緩やかな螺旋をもつスピロヘータ科の微生物ですが、
同科には他にも有名な梅毒、ピンタ、回帰熱、ワイル病などがあります。
ワイル病(Weil:Leptospira interrogans)はスピロヘータ科レプトスピラ属 (Leptospira)。
かって日本の著名な医学研究者野口英世博士が黄熱病の同類と判定したほど性格が似ています。
黄熱病は蚊が媒介するデング熱同様のフラビウィルス科の感染症です。


2.米国CDCがライム病の増加に警告 
2007年6月17日に米国厚生省傘下のCDCはライム病の急増に警告をだしました。
1991年には年間で1万件程度以下の発生数であったものが、2000年代になると
東部を中心に年間2万件を超えていたからです。
それによればライム病は1992年から毎年1%は増えており1992年の9,908件が
2006年には19,931件となっていると報告しています。
その増加の主役は4歳から15歳の児童。
これら調査を統括するCDCのピーターセン博士によれば関連統計は
広範囲の保健所から集計せねばならぬために確認や追跡が非常に難儀。
実際はよりさらに大きな数字だろうと述べています。
CDCの公式レポート(Summary of Notifiable Diseases)によれば 
2000年と2008年では400%増となるだろうと予測されています。
 
3.ライム病(Lyme disease)とは
ライム病(Lyme disease:Borrelia burgdorferi)は
米国とオセアニアに多発する風土病でライム病の命名は、
1977年に米国のコネチカット州ライム(Lyme)で
この微生物が小児関節炎として流行したことに由来します。
ライム病は俳優のリチャード・ギア(Richard Triffany Gere)が重篤な
感染をしたことで知名度が高くなりました。
ライム病はスピロヘータ感染症の一つ。
スピロヘータ(Spirochete)は螺旋状の形態を示す原始的な病原性微生物の総称ですが、
螺旋の密度によって三属に分けられており、ライム病(Lym)以外には梅毒(syphilis)、
回帰熱(Relapsing fever)、ワイル病(Weil)等、著名な感染症が
スピロヘータ感染症に含まれます。

4.ライム病の症状
初期には頭痛,悪寒,筋肉痛,関節痛,発熱,倦怠感や皮膚疾患症状など
インフルエンザ様症状をあらわし、末期には内臓、心臓、脳などを侵します。
関節や神経、心臓を冒される末期段階での死亡率は高く、初期においても、免疫力低下によって
危険な疾病を併発する場合が珍しくありません。

5.ライム病の発生場所と媒介生物
米国とアセアニアの風土病とはいえ温暖な地域では何処もが要注意。
米国は東部のコネティカット(Connecticut)、ニュージャージー(New Jersey)、
ニューヨーク(New York)、ペンシルベニア(Pennsylvania)等の
東部海岸、ミネソタ(Minnesota)、ウィスコンシン(Wisconsin)等、
広域の深い森林や、潅木に囲まれた地帯に発生事例報告が多くあり、
このトレンドは2019年の報告でも続いています。
ライム病(Lym)はオルニソドロス属のダニである米国の黒脚ダニ (Black-legged ticks)
または 鹿ダニ(the deer tick:Ixodes scapularis)、
日本でマダニと呼ばれるシュルツェマダニ(Ixodes persulcatus)、
ヤマトマダニ( Ixodes ovatus)などが媒介しています。

6.ライム病を防ぐには 
ライム病を防ぐにはダニ、シラミ、ノミを駆除し近づけないことです。 
米国ではベトナムなどの戦場用に、皮膚に塗るディート(DEET)が
開発されており、日本でも蚊、ダニ、しらみ、ノミから皮膚を守るには
このディートが使用されています。
日本で市販されている防御スプレーのほとんどはディートですが、
濃度は米国製と異なります。

写真上は米国で一般的なディート・スプレー.
濃度は15%.(2014年8月に購入:テキサス州ヒューストン)
ウェストナイルウィルス保持蚊追放と表示されている.
日本のディート・スプレーはジョンソン社製が主で濃度9.75%

ディート(DEET)は強い薬品ですから副作用も注意しなければなりません。
出来るだけ使用を控えるのが賢明ですが、感染症とのバランスを考えれば使用せざるを得ないでしょう。
米国ではライム病などを防ぐには濃度の高い20%のディートを推奨しています。
日本で市販されている5-12%くらいの噴霧用ディートは米国では不十分?なようです。
米国の感染地帯を旅行する方は米国でディートを購入すると良いでしょう。 
 
米国のスーパーには25%のディートもあります。
ダニにはこれくらいの濃度が必要かもしれませんが
表示にはウェストナイルウィルスの表示があります.

                   
防虫スプレーはディート濃度10% ~ 30% が市販されています。
ちなみに軍用は50%です。
濃度が高いディートは幼児や妊娠中の女性には危険の多い薬剤。
取扱いには細心の注意が必要です。
副作用が発生するのはスプレーを吸入したり、目、鼻などの粘膜に付着させた場合が多いようです。
複数の化学物質と協働する可能性も疑われていますから、化粧品、医薬品など
合成化学物質を同時に塗布、吸入、摂取しないこと。副作用はこの場合に顕著に発生する可能性があります。
ブドウレスベラトロールが防御する微生物感染症:免疫細胞強化ペプチドのカテリシジンを活性化
 
 
7.スピロヘータ科(Spirochaetaceae)の病原性微生物
ボレリア属 (Borrelia)
病原性微生物は粗大な螺旋をもちます。
*ライム病(Lyme disease:Borrelia burgdorferi)
(解説は既述)
*回帰熱(Relapsing fever:Borrelia recurrentis, Borrelia duttonii )
4類感染症に指定されている風土病。
ダニ由来(tick-borne type)のボレリア(Borrelia duttonii)と、
コロモジラミ由来(louse-borne type)のボレリア(Borrelia recurrentis)に分けられています。
回帰熱にはいくつもの抗原型がありますが、症状は同様。
他のボレリア属のように、特にげっ歯類,鳥類に寄生し、コロモシラミや
10数種類のダニなどをを介して感染します。
米国の観光地であるグランドキャニオン地帯、ロッキー山脈地帯は、
古くから回帰熱の流行地域として知られていますから、注意が必要。
頭痛,悪寒,筋肉痛,関節痛,発熱,倦怠感などインフルエンザ様症状をあらわし、
黄疸,発疹などもおこります。
潜伏期は1-3週間位で、近年は耐性菌の出現が問題となっています。
*螺旋菌(Spiral bacteria:spiral-shaped microorganisms)
Gastrospirilium, Helicobacter pyloriなど
1979年にオーストラリアのウォーレン(Warren) が発見したといわれる、
ヘリコバクタ-・ピロリ(Helocobacter pylori)が有名。
ヘリコバクタ-・ピロリという名称は1989年につけられました。  

トレポネーマ属(Treponema) 
病原性微生物は細かい螺旋をもちます。
*梅毒(syphilis:Treponema pallidium)                                   
*ピンタ (pinta:Treponema carateum)
ピンタは中南米に分布し、乾癬などの皮膚疾患が現れる。
末期は、らい病、梅毒様の症状になる。    
*フランベシア・ヨー(Yaws:Treponema pertenue)
熱帯地方に広く分布。皮膚、骨が侵される。潜伏期間2-8週間。

レプトスピラ属 (Leptospira)
病原性微生物は緩やかな螺旋をもちます。
*ワイル病(Weil:Leptospira interrogans)
病原体はワイル病レプトスピラ (Leptospira interrogans)                        
林業従事者や炭鉱夫に多いといわれます。
野鼠など、げっ歯類が宿主と言われますが犬、豚、牛などの報告もあります。
潜伏期は1-2週間。インフルエンザ症状に続き、肝障害を起こし黄疸が出ます。
病原体は1種類といわれますが、日本などで起きるレプトスピラ症を
別種に区別することもあります。         
初版:2004年6月
改訂版:2007年6月
改訂版:2014年9月
改訂版:2020年9月

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