健康と食品の解説
サメの肝油とスクアレン/スクワレン(Squalene)とは
2018/07/13
  1. スクワレン(Squalene)とは
  2. サメ肝油の歴史
  3. スクワレン(Squalene)とアイザメ(Centrophorus granulosus)
  4. 辻本満丸博士が発見したスクワレン(Squalene)
  5. ポール・カーラー教授とスクワレン
  6. スクワレン(Squalene)の合成
  7. アルコキシグリセロール(alkoxyglycerol)(※DAGEに含まれる)
  8. スクワラミン(Squalamine)
  9. スクワレンのその他成分
  10. アイザメとは1. スクワレン(Squalene)とは

1. スクワレン(Squalene)とは
スクワレン(スクアレン)はサメの肝臓から採れる油、肝油の通称となっていますが、実際にはサメ肝油に含有される成分に名付けられたものです。伝統的な肝油には、サメのみならず、他の魚の肝臓油を混入させたものや、合成の脂溶性ビタミン(A, D, Eなど)などで造られている人造肝油もありますが、
スクワレンといえば、現在は天然で純粋なサメ肝油の総称となっています。
スクワレンは皮膚の悪性微生物活性を防止する化粧品や免疫力強化の健康維持食品として、
世界中で広く愛用されています。
ただし、天然素材の化粧品は人工的に水素添加し、トランス脂肪酸に
変化させて安定させたものです。
 
2. サメ肝油の歴史
サメの肝油は古くから世界各地の沿海部で、伝統的な万能薬として使用されてきました。
サメの肝油が含有する成分の強力な免疫力強化作用は、食品の中では最大とも言われており、1900年代より、その秘密を解明する研究が続けられた結果、
これまでにいくつかの有効成分と見られる物質が分離されています。
サメ肝油の食用としての歴史は、最低でも数百年は知られており、
安全性が高いといえますが、含有する有用物質は強い作用を持ちますから、摂食上の注意も必要です.
 

サメ肝油のよもやま話
a. ミクロネシア(Micronesian Islands)では古くからサメ肝油が薬として用いられてきた。
b. 1758年にスウェーデンの植物学者Carolus Linnaeusが漁師の間で広く食されていた
ドッグ・フィッシュ(アイザメの仲間:Dogfish sharks,Centrophoridae)の肝油に
薬用効果があるのを発見。
スウェーデンやデンマークの漁師たちは傷の手当てと呼吸器の腫れに肝油を使用していた。
c. 日本では駿河湾の漁師たちがアイザメの仲間Centrophoridae科のサメ肝油を薬として使用していたという。
d. 中国では16世紀の本草綱目に生薬として記載があるという。
e. スペインでは漁師たちが風邪薬や万能薬として"aceite de bacalao"と呼ばれた
サメ肝油を用いている報告がある。
f. ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)の老人と海(The Old Man and the Sea)には、
「毎日、彼は漁師たちが船具置き場としている小屋のドラム缶より、サメの肝油を取り出して飲んでいた。
それは風邪やインフルエンザを治し、目の健康にとても良かった」
「He also drank shark liver oil each day from the drum in the shack where many of the fishermen kept their gear.
It was very good against all colds and grippes and it was good for the eyes」 という記述があります。
 
3. スクワレン(Squalene)とアイザメ(Centrophorus granulosus)
スクワレン(スクアレン)は当初 日本人によってアイサメから抽出されたため、
アイザメが属するツノザメ目 (Squaliformes)由来の名が付けられました。
アイサメに最も有効成分が多いと思われていますが、世界に生息するサメは
400種類もありアイサメの仲間もたくさんいます。
したがって、どのサメの肝油が一番優れているかの決定的な報告はありません。
これまでもサメ肝油は色々なサメから抽出されており、サメ類の肝油が優れた健康食品であることは歴史が証明していますが、深海を往来するアイザメ類の肝油が
特に優れているかどうかは未確認。
肝油はサメの浮き袋の代用となっていますから、深海を行き来するサメは
特に肝油を多く持ち、内臓の大半を占めます。
したがってアイザメからはサメ肝油が容易に、大量にできるということがあります。
 
4. 辻本満丸博士が発見したスクワレン(Squalene)
1906年に日本の辻本満丸工学博士(Dr. Mitsumaru Tsujimoto)が
駿河湾沿海で食されているサメ(Squalidae Group)の肝油に大量の
不飽和炭化水素(unsaturated hydrocarbons)が含有されていることを発見。
後年になってこの物質をサメの学名(Squaliformes)に因んで
スクワレン(Squalene:C30H50)と名付けました。
辻本博士はこのスクワレンに水素原子を12個プラスすれば安定化する
(C30H62:潤滑油メーカーや化粧品メーカーが人工で水素添加した
脂肪酸はスクアランと呼んでいます。
英文はスクワレンと同じです)
ことを発見し、凝固点 -92c、沸点+360cの動物性天然潤滑油を開発しました。
C30H62は極地など、過酷な気象に耐える工業用潤滑油として、軍事用、ラリー車などに
多用された実績を残しています。
現在化粧品に使用されるのもC30H62。天然のシス型脂肪酸がトランス型脂肪酸に変化しています。
 
5. ポール・カーラー教授とスクワレン
1931年になって、後にノーベル賞を受賞したスイス、チューリッヒ大学の
カーラー(カラー)教授(Prof. Calour)(Paul Karrer)は、
スクワレンがリポ蛋白の一種(lipoprotein an unsaturated hydrocarbon:C30H50)で
あることを明らかにしました。
またカーラー博士は辻本博士が発見した化学反応である、(スクワレン:C30H50)からC30H62に安定化される過程が、人体では、体の水分(H2O)から水素原子12個を奪う
働きをしていることも発見。
カーラー教授 は水分の酸素Oが、この過程で廃棄され、この働きが人体の健康的な代謝作用となっていることを解説しました。
スクワレンはトリテルペン(芳香のある植物精油の主成分ですが、動物にも存在します)を
合成することで知られています。

6. スクワレン(Squalene)の合成
スクワレンは2経路の変換をしますが、一つはトリテルペン、もう一つはラノステロール(Lanosterol)を経てコレステロール(C27H46O:分子量386.66)へと変化する経路です。

7. アルコキシグリセロール(alkoxyglycerol)(※DAGEに含まれる)
1922年に、ある学者(名前は不明)がサメの肝油の免疫力強化作用物質
( the therapeutically active component) は、脂肪酸の
モノアシルグリセロール(Monoacylglycerol:MAG)の形を持つ物質(1-O-alkyl-23-diacyl-sn-glycerols)であると発表し、この物質を
アルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)と名づけました。
アルコキシグリセロールは人体では母乳や骨髄に含まれる成分。
アルコキシグリセロールは免疫に不可欠な白血球の増加に働く成分と言われており、
1950年代より、世界の50カ国以上でこの成分に関する研究が行われています。
※ジアシルグリセリルエーテル(DAGE)はアルコキシグリセロールを含有しています。
 
8.スクワラミン(Squalamine)
1996年にミネアポリスの米国脳外科学会年次総会において、
ジョーンホプキンス大学薬学部(Johns Hopkins School of Medicine)の
Dr. Henry Brem Allen Sills Mark Donowitz達がサメ軟骨よりアミノステロール成分(aminosterols)を抽出し、スクワラミン(Squalamine)と名付けました。
同時にスクワラミンには、悪性腫瘍増殖に関わる新生血管の増殖抑制作用(angiogenesis)や病原性微生物の駆除に役立つ作用があることの研究報告がなされましたが、
この研究は実験用ウサギの脳腫瘍によって確認されたものです。
1998年には臨床治験が行われると発表されましたが、実行の有無は確認できておりません。
 
9.スクワレンのその他成分
サメ肝油には脂溶性ビタミン類、ムコ多糖類のコンドロイチンなど、オメガ3脂肪酸、
銅:Copper (CU) 亜鉛:Zinc (ZN) 、鉄:Iron (Fe)など、健康維持に役立つ成分が豊富に含まれます。

10.アイザメとは
 アイザメ (Centrophorus granulosus)
英名:Gulper shark
仏名:Squale-chagrin commun
Centrophoridae科Squaliformes目
Elasmobranchii 綱(サメとエイが含まれる)

棲息海域
東大西洋、ポルトガル、セネガル、象牙海岸、ナイジェリア、西インド洋、南アフリカ、モザンビーク、
西太平洋、沖縄、台湾

体色は濃い灰色。体長は約150センチメートル前後までの小型サメ。
200-1400メートルの海底に棲息する。
500-800メートルの深さには雄が多く、200-400メートルの深さでは雌が多いという。
肝臓の大きさは体重比で15-25%を占める。
Squaliformes目には85種類のサメが確認されており、発光体を持つ種類もある。
最大の固体はグリーンランドサメ(Somniosus microcephalus)の7メートル。

イギリスなどで伝統的なスナック料理フィッシュ・アンド・チップス(fish & chips)は
アイザメの仲間のドッグフィッシュ(spiny dogfish:Squalus acanthias)などから作られていた。

大洗の水族館アクアワールドでは130種類位のサメを見ることが出来ます。

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初版:2013/07/19
改訂版:2018/07/13

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