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三陸の牡蠣(かき)産業が放射線汚染地域を救う?:
再び注目される放射線医学総合研究所の報告は牡蠣の亜鉛
2014/01/17
                 
               東北大震災(2011年3月11日)による産業被害から3年近くになります。
             岩手県、宮城県のカキ養殖業は養殖筏(いかだ)の破壊と消失から力強く回復。
           天候不順など加わり、今年も例年より小粒。出荷も遅れ気味で、量もわずかですが
           生食に適した小粒の寒冷地産牡蠣のおいしさは相変わらず。
                                         写真上は岩手県山田湾の生マガキ

1.放射線被ばく障害の治療剤(radioprotector)開発には亜鉛酵母に最大の可能性
2.研究報告は放射線医学総合研究所と鍵谷勤京都大学名誉教授のコラボレーション
3.放射線医学総合研究所が過去に放射線防護作用を見出した物質:
  ビタミンE誘導体:エダラボン:ニトロキシド抗酸化剤
4.ミネラル含有熱処理酵母の放射線防護効果の確認実験:
     最も強い消去能は亜鉛(Zn)酵母
5.抗酸化ミネラル(放射線医学総合研究所解説)
6.(考察)亜鉛含有酵母が放射線により発生する活性酸素類を消去し生体損傷防御の可能性
7.活性酸素(reactive oxygen species:ROS)(放射線医学総合研究所解説)
8.乳酸桿菌(放射線医学総合研究所解説)



1.放射線被ばく障害の治療剤(radioprotector)開発には亜鉛酵母に最大の可能性
牡蠣は食品の中で最も亜鉛含有量が多いことで知られ、パワーをほしい男性、更年期の女性などに
珍重されてきました。
その有機亜鉛には放射線防護効果があることが、2008年に報告されており、
原発事故(2011年)の放射線汚染拡大で、除染に悩む関係者に再び話題を提供しています。
2008年にプレス発表したのは国立放射線医学総合研究所。その報告主題は
「ミネラル含有熱処理酵母に放射線防護効果を確認。被ばく後の投与でも効果大」

この会見で研究チームは放射線被ばく障害の治療剤(Radioprotector)として亜鉛酵母に
最大の可能性があることを報告しています。

 「放射線被ばく障害の治療剤(radioprotector)開発には亜鉛酵母に最大の可能性」
放射線被ばく障害の治療剤として亜鉛酵母に最大の可能性があるとの実験報告を
したのは(独)放射線医学総合研究所放射線安全研究センターの研究者ら。
放射線の人体への影響に関する研究と防護剤開発を主目的にする研究チームは記者会見で
この実験の背景を下記のように説明しています(ほぼ原文のまま)。
「放射線利用が医療をはじめとする多くの産業で不可欠になっている現在、放射線被ばく障害を
もたらすリスクを軽減する放射線防護剤の開発は、社会の重要な課題

しかしながら、放射線被ばくによる生体障害を予防および治療するための放射線防護剤として
実用化されている薬剤は極めて少なく、それらも、副作用が強かったり多くの投与量を要するといった
問題点が指摘されている。

また殆どの防護剤の場合、放射線を被ばくする前に投与する必要があり、放射線被ばく障害に対し
被ばく後に投与して効果が得られる薬剤は極めて限られていた。

放医研のレドックス制御研究グループでは、放射線防護剤の探索を進めており、
これまでにエダラボンやニトロキシド類に放射線防護作用を見出している。

また水溶性ビタミンE誘導体であるTMGが放射線被ばく後に投与して有効なことを
(財)体質研究会の鍵谷勤京都大学名誉教授と共同で報告。

本研究開発では、放医研による乳酸桿菌の加熱死菌体の放射線防護作用の報告を発端として、さらに有効で入手しやすい放射線防護物質を探索し、
ミネラル含有熱処理酵母に、放射線被ばく後においても障害を防護する極めて顕著な効果があることを見出した」。

2.研究報告は放射線医学総合研究所と鍵谷勤京都大学名誉教授のコラボレーション
独立行政法人 放射線医学総合研究所(National Institute of Radiological Sciences:NIRS)は
1957年設立の国立研究所。2014年現在の理事長は京大出身の佐々木 康人氏。
放射線の人体への影響に関する研究開発を主目的に設立され、現在の管轄は文部科学省。

1993年(平成5年)に重粒子線がん治療装置(HIMAC)を完成させ、翌年より新設の治療センターにおいて
放射線治療を開始。
昨年(2011年)は重粒子線がん治療登録患者数が6,000名を突破しています。
2010年(平成22年)には緊急被ばく医療支援チーム(REMAT:Radiation Emergency Medical Assistance Team)を結成。
放射線被ばく障害の治療剤として亜鉛酵母に最大の可能性があるとの報告は財団法人体質研究会の
鍵谷勤京都大学名誉教授と共同でおこなわれました。
財団法人体質研究会は京都大学名誉教授(医学部)辻寛治氏の寄付により設立され、70年の歴史をもちます。

放射線医学総合研究所の研究者は放射線安全研究センター・レドックス制御研究グループの
伊古田暢夫グループリーダー、安西和紀チームリーダーら。
レドックスはReduction(還元)とOxidation(酸化)の合成造語。酸化還元を意味します。
同研究グループの主目的は、放射線障害を防護する薬剤の探索。

これまでの放射線防護剤の多くは、被ばく前の投与で効果を示しますが、
今回見出されたミネラル含有熱処理酵母は、放射線被ばく後に投与して有効な薬剤として注目されています。

今後、同研究グループは、ミネラル含有熱処理酵母の投与方法、他の薬剤との併用効果、
ならびに放射線防護機構の解明などに研究を発展させ、より効果的な放射線防護剤、
そして治療剤へと発展させていく予定といわれます。

3.放射線医学総合研究所が過去に放射線防護作用を見出した三つの物質:
      ビタミンE誘導体:エダラボン:ニトロキシド抗酸化剤


*ビタミンE誘導体(vitamin E phosphate:VEP)
ビタミンE誘導体には、α-トコフェロール(alpha-tocopherol)の誘導体で、
TMGとして知られるトコフェロールモノグルコシド(tocopherol monoglucoside:TMG)、
トロロックス(trolox)として知られているトコフェロール・カルボン酸や酢酸エステルあるいは
アルコールとの結合物などがある。
日本で開発され化粧品業界で使用される略称
TPNa(tocopherol phosphate sodium:α-トコフェリルリン酸ナトリウム)は
合成dl-α-トコフェロール(合成ビタミンE)のヒドロキシ基をリン酸化して水溶性を持たせた
ビタミンE誘導体。
通常は油溶性のビタミンEを水溶性にすることで化粧水などに配合できるようになる。

*エダラボン(edaravone)
商品名: ラジカット(注射)
製造販売:三菱ウェルファーマ.
2001年より使用されている中枢神経系用剤 (脳保護剤:フリーラジカル消去剤)
メーカー発表の効能・効果: 脳梗塞急性期に伴う神経症状
脳梗塞で急増する悪性な活性酸素を除去し組織破壊を防止する。
腎機能障害、急性腎不全で死者(1年間で40人?)がでており、危険な副作用が指摘されている。

*ニトロキシド(nitroxide)抗酸化剤
N-O・の構造を有し、ラジカル類と反応する(放射線医学研究所)
ニトロキシド含有基には抗酸化活性、フリーラジカル捕捉活性があるといわれる。
非常に有用な抗酸化性を持つが毒性の議論も(ノギ)
 
4.ミネラル含有熱処理酵母の放射線防護効果の確認実験:
最も強い消去能は亜鉛(Zn)酵母

 
以下は当時プレス発表されたミネラル含有熱処理酵母の放射線防護効果の確認実験方法
(原文から抜粋のダイジェスト:文章は英語を除いて原文のまま:一部にノギが用語解説を加えています)

実験に用いた酵母は、サッカロマイセスセレビジエ属(Saccharomyces cerevisiae)の酵母。
サッカロマイセスセレビジエ属の酵母はイースト(yeast)と通称され、目的別にいくつものタイプがあるが
パンやビールの発酵に一般的に用いられている。
これらの酵母等は市販されており容易に入手可能。

抗酸化ミネラルは、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、およびセレン(Se)などで、
亜鉛は約10%、マンガンと銅は5%、セレンは0.2%含有の4種の酵母を用いた。

ミネラル含有酵母は、サッカロマイセスセレビジエ系ビール酵母を培養する培地に硫酸亜鉛、
グルコン酸銅、硫酸マンガン等の金属塩、あるいはアミノ酸の一種のセレノメチオニンを添加して作られる。
さらに、酵母以外の成分を遠心分離して除去し、加熱乾燥(110℃、3時間)して粉末状で得られる。

本実験では市販のミネラル含有熱処理酵母(以下ミネラル含有酵母)が用いられた。
これらのミネラル含有酵母はラット経口投与で最小致死量は2.5g/Kg以上と推測されている安全な物質。

放射線防護作用の確認実験では、
雄性C3Hマウス(10週齢、体重:25-28gグラム)に、マウスによる放射線影響実験の
致死線量である7.5GyのX線を照射し、同種の実験の典型的な条件となる30日間の生存率を測定。

実験群は、100-600mg/Kg(体重)の酵母を含んだ0.5%メチルセルロース懸濁液(0.3ml)を照射の前
あるいは後に腹腔内に投与した。メチルセルロース懸濁液は多糖類のセルロースのメチルエーテル体を用い、
水に不溶性の固体を均等に分散させた液体。
なお、対照群には、0.3 ml/匹の0.5%メチルセルロース溶液を腹腔に投与した(各群16匹~56匹のマウスを使用)。
実験では各酵母のスーパーオキシド消去能を比較した。その結果、
最も強い消去能を有するのは亜鉛(Zn)酵母で、この亜鉛酵母の消去能を100とすると、
マンガン(Mn)含有酵母:47、銅(Cu)酵母:42、セレン(Se)酵母:8、パン酵母:2-10であった
 
5.抗酸化ミネラル(放射線医学総合研究所解説)
"抗酸化性"とは、活性酸素を消去する性質である。抗酸化ミネラルとは、抗酸化性を示す金属イオン、
金属塩等の形態で存在する金属元素を意味し、活性酸素を消去する
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)などに
含まれる金属を意味する。
スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase:SOD)はスーパーオキシドを分解する酵素であり、
亜鉛、銅、マンガンなどを活性中心とする金属酵素。
またグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)は過酸化水素などの
過酸化物を消去する酵素であり、その活性中心に存在するセレンが分解反応を促進していることが
知られている。
 
6.(考察)亜鉛含有酵母が放射線により発生する活性酸素類を消去し生体損傷防御の可能性
研究者らはミネラル含有酵母の放射線防護作用のしくみについて下記のように述べている(用語解説はノギ)。

「ミネラル含有酵母の放射線防護作用のしくみについては今後の研究課題。
推察されることの一つとしては、これらのミネラル含有酵母が放射線によって発生する
活性酸素類を消去して生体の損傷を防いでいる可能性が上げられる。

また、ミネラル含有酵母中の亜鉛、銅などは、メタロチオネイン(metallothionein) や
ヘムオキシゲナーゼ-1(heme oxygenase:HO)などの抗酸化酵素を誘導する。
メタロチオネイン(metallothionein) は61個のアミノ酸からなる金属結合タンパク質。
20個をシステインが占める。ラジカルや活性酸素捕捉能を有する。
ヘムオキシゲナーゼ-1(heme oxygenase:HO)はヘム(heme)をビリベルジン(biliverdin:さらに
ビリルビンになり抗酸化能を有する)、一酸化炭素、Fe2+に分解する酵素で2種のアイソザイム(isozyme)がある。
アイソザイムは生化学的には同一反応の触媒をするが、タンパク質分子としては異なる酵素。
ヘム(heme)はヘモグロビン内の酸素結合鉄分。

また酵母に含まれる多糖類のベータ・グルカン(β-glucan)は免疫を活性化する賦活作用があり、
これらの作用によって放射線障害を防護しているとも考えられる。
β-グルカンは酵母類のほかマイタケ、シイタケなど身近なきのこ類にも多い多糖類。

スーパーオキシド消去活性の高い酵母が、30日生存率向上に効果的で、放射線被ばくにより生じる
酸化的ストレスの制御に重要な役割を果たしているものと考えられるが、詳しい防御機構は
今後明らかにする必要がある

?β-グルカン類は癌(ガン)に効果的との誤情報がありますが、単体で販売されるものを
摂食することは安全面からお薦めできません。
あくまでもパン、ビール、きのこ類など安全な食品から摂取すべきものです。
 
7.活性酸素(reactive oxygen species:ROS)(放射線医学総合研究所解説)
 いちじるしく化学反応をおこしやすい酸素を活性酸素(reactive oxygen species:ROS)という。
活性酸素には、スーパーオキシド(アニオン)、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどがある。
これらの中で、過酸化水素はラジカルではないが、活性酸素には、不対電子をもつもの多く、
フリーラジカルとよばれるので、酸素ラジカルともよばれる。

酸素は1電子還元を受けて、まずスーパーオキシドラジカルになり、さらに1電子還元を受け、
水素イオンと反応すると過酸化水素になる。
過酸化水素が、さらにもう1電子還元を受けるとヒドロキシルラジカルになる。
またスーパーオキシドやヒドロキシルラジカルは放射線を照射された水から生成される。
生体では、これらの活性酸素のうち、スーパーオキシドを消去するスーパーオキシドジスムターゼ、
過酸化水素を消去するカタラーゼやグルタチオンベルオキシダーゼなどが存在する。
 
8.乳酸桿菌(放射線医学総合研究所解説)
ヨーグルトなどの製造に用いられる代表的な乳酸菌のひとつで棒状の形をしている。
過去に放医研レドックス研究グループの前身である放医研薬理化学研究部の色田幹雄部長が
乳酸桿菌の加熱死菌体の放射線防護作用を報告している。

初版:2012年11月15日
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