ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第九十四話:
「今世界は、米国や中国からインドへと大きくシフトしている」
2018/09/02

今世界は、米国や中国からインドへと大きくシフトしている
 
最近目にした今世界が注目する日本とインドに関する情報を紹介しておきます。
日本関連の一つ目の朗報は、著名な世界的旅行社が百ヵ国65万人へのアンケートを
集計・発表したもので「お気に入りの都市ベスト5」が、
一位東京、二位ウィーン、三位京都、4位バルセロナ、5位パリという内容でした。
確かに、アベノミクスが観光立国を標榜し、地道な努力を積み上げてきた成果が得られ、このところ訪日観光客が急増していることを裏付ける結果かもしれません。
特に、多彩で特有な伝統文化と現代文化の融合、風習、サービス、治安、環境衛生、
食と衣の多様性、アート、デザイン、ファッション等が評価されたことは、
2年後に迫ったオリンピック+パラリンピックに向けても、勇気づけられる評価でした。
常連だったニューヨーク、ロンドン、ローマなどの諸都市が人気を落とした主たる要因は、
治安、環境衛生、サービス、食と生活革新性等々に劣化、ないしは停滞を視たと言う点に
あるそうです。
 
我が国の科学最前線で、目下世界的な話題を呼んでいるのが、数万年前に始まる
縄文時代の先端文化が光学顕微鏡や炭素鋼分析と考古学が結びついて次々と
人類文明の進化過程(特に文字記録以前に遡(さかのぼ)る)が証明されつつあることと、
近未来に大いなる期待がもたれる超合金開発が同じ日本の科学技術によって
解明されようとしていることです。日本はユニークな国で、歴史が重層して来た
源流に縄文火炎土器・磨製石器・翡翠(ひすい)と世界最古・最長の長期定住集落社会文明
(煮炊きを伴う多様な食と家族制)の存在が挙げられます。現代も世界の驚嘆の
標的ともなっている「食」に関して、1万年以上も前の縄文人が、60種類以上の獣、
70種類以上の魚、350種類上もの貝類、そして無数の木の実など、
現代の大型スーパーの品ぞろえをも上回る自然食品を、生食に限らず、
竈(かまど)と土鍋・壺(つぼ)を活用した煮炊きや塩漬け・燻製などを駆使して、長期保存したり、
硬いものを柔らかくしたり、世界四大文明のエジプト、メソポタミア、インダス、
黄河時代に数千年も先駆けて食文化を創始していたことに繋がっていると考えられます。
 
人類が土と石の文明の次に手にしたのは、5千年ほど前の青銅器、
その後約3千年前から主役が鉄に変わり、近代の合金(ステンレスに代表される)へと
金属利用の進展があり、金属材料とその加工技術の発展は、内燃機関(エンジン)の
技術革新に多大の貢献をしてきたわけです。
現代の「超耐熱性合金」は今後さらなる発展性のある研究分野ですが、
現状では、飛行機のジェットエンジンや発電用ガスタービンには
「ニッケル基超合金」が用いられ、その最新の耐熱温度は
1千百50℃(融点が1千3百℃)に留まっております。
そこで今、注目を浴びているのは、東北大の材料システム工学研究グループが
今夏、新超合金の開発と特性測定に成功したことで、その中身は
耐熱「モシブチック合金」(モリブデンとケイ素・ホウ素の合金にチタンと
炭素を添加したもの)で、融点は極めて高く、1千9百20℃」にも達するそうです。
一方、大阪大学の工学研究グループが昨年、1千4百℃まで高強度を維持する
新合金「選移金属シリサイド」(複合シリサイドにクロムとイリジウムを添加したもの)
を発表し、実用化に向け研究を進めているそうです。
これらは、米国GEの開発した新超合金をしのぐ優れもののようで、熱効率向上を目指す
人類技術の夢を求めて、日本が最先端を走っているのも心強い限りです。
 
次にインドの話題です。BRICs諸国の新興経済が世界の注目を浴びて久しいながら、
ブラジル、ロシア、南アフリカの経済は次々と期待される話題にすらならなくなり、
唯一躍進を続けた中国も、ここへきて、自らまいた悪種・不動産バブル崩壊と
財政金融政策の失政(ドル資金と投資の両減、元の下落、民の資金流出、
外資の逃避、AIIBの行詰まり等)による経済成長鈍化に加えて、
米国との貿易戦争が泥沼化し、今や相対的に圧倒的に不利な経済戦争に巻き込まれ、
先行き赤信号が灯り始めたので、残るはインドのみとなっております。
 
人口の高齢化と減少に陥った中国に比して、インドは若年層の人口比が
50%と極めて高く、あと数年で中国の人口を凌駕し、2030年に世界一の
15億突破、2050年までに17億に達すると予測されているほか、
なんといっても現在の人口、13億のうち実需期待層が4億、
やがて5億(中国は14億中、実需層は2億5千万で停滞中)とされ、
超巨大マーケットが期待されていることが、欧米シンクタンクや
財経コンサルタント、および各界プリントメディアを賑わせております。
尤も、米国には1200余のプリントメディアがあり、内3割に過ぎない
400社が、反トランプの政治ゲームに現(うつつ)をぬかし、彼らの声の大きさに
一般的付和雷同型マスコミや、北米・日本の素人論評家が、
こぞってトランプのこきおろしに夢中になっておりますが、
大勢7割のメディアによる世界の潮流を捕えた冷静且つ公正な報道に目を転ずれば、
今世界は、米国や中国からインドへと大きくシフトしているのが実態です。
 
第4次産業革命の担い手であるIT産業の開発拠点が、米国のシリコンバレーから、
今やインドのバンガロールに移設済みである証左は、当初は下流工程のみを
インドに移していたITメイン企業が、現在は上流工程まで含めてバンガロールに
依存し、文字通りオフショア拠点に定められたという現実です。
その背景は、インドが未熟とはいえ民主主義・自由経済・法治国家であり、
ビジネス・政経・科学界では英語が公用語化しており、なんといっても6百万人の
英語プログラマーの存在が、決め手となったようです。
GDP成長率も、数年前から中国を上回り、7.2~7.5%の伸びを続けたことで、
IT大国のみならず、世界の経済成長の新牽引車役を務めており、
マイナス要因とされたカースト制度、インフラ整備の遅れ、消費性向も、
都市部を中心に漸次(ぜんじ)改善中と報じられています。
 
因みに、インドは戸籍が不完備であるため、銀行口座開設等の便宜を図り、
個人証明=マイナンバープロジェクトを全国展開させ、すでに登録者が
10億人を突破して、個人認証システムなどイノベーションが進化しており、
アメリカをも超える“IT最先端国”と評価されています。
その結果、米国からは、グーグル、マイクロソフト、オラクル、アマゾン、
IBM,アクセンチュア、インテルなどを始め、ウォールマート、ゴールドマンサックス、
3Mなど各業界の超巨大国際企業がこぞって進出し、
彼らだけで数十万人もの雇用をインドで生み出しているそうです。
日本もすでに1200社が進出済、欧米やアジア諸国からの進出も
後を絶たない盛況ぶりです。
 
 
 

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