ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第九十二話:「異常気象の原因は地球温暖化?」
2018/08/12
今夏は、思いの外早く梅雨明けしてホットする間もなく、記録的猛暑が続き、
今度は天網を壊すがごとき豪雨が西日本を襲い、大災害をもたらし、
さらには戻り台風に見舞われるなど、日本列島は散散な目にあわされております。
まずは、これら被災地の方々にお見舞いを申し上げます。
今般の自然災害に関して、精査不足の一部メディアなどは、短絡的に
“地球温暖化”によるものと決めつけておりますが、内外の気象学者や
天文学者の解説などを検察してみると、一概に”地球異変“の要因を温暖化と
断定するには、余りにも多くの反証事象を含んでいるように思えます。
千年、万年単位での考察によると、地球自体は寒冷化に向かっているそうですが、
百年単位でみると、北半球の都市中心の温暖化と海水温の上昇とか、
太陽黒点の異変等々が異変気象の要因としては考えられます。
しかしながら、昨冬から今春にかけて、北米北東部が猛烈な寒波と
豪雪に見舞われ、観測史上最低の氷点下50度を記録したり、
オーストラリアや南国の一部常夏地域までもが、異例な寒冷化を経験するなど、
”温暖化のもたらす寒冷化“が生じているのも事実であって、
一律的な地球温暖化と決めつけるのは早計に過ぎないようです。
 
しかも、マスメディアはひとこと目には「二酸化炭素」を温暖化の主因と
報じ続けておりますが、現実にはフロンガスなど臭素・塩素系化学物
(ビル・家屋や自動車のエアコンや冷蔵・冷凍機器に不可欠)の大気圏への
大量放出の方が、主犯とみるべきで(フロンガスの影響度は、CO2の数千倍も大きい)、
火力発電や自動車の排気ガス規制より、優先重視すべきはフロンガス規制だった筈です。しかしながら、日米欧先進諸国による当該規制は数十年前から進められてきましたが、
今世紀以降の新興国、特に中国の製造業振興の過程で規制なきフロンガスの
大量放出は、オゾン層を広域に破壊し、温暖化を加速させ、
紫外線被害(世界的に、皮膚がんや白内障が前世紀から7倍と急増している)を齎(もたら)してしまったようです。
なお、北半球の地勢は、陸地と山岳の分布が不均一であり、海岸線が入り組んでおり、
大都市の高層ビルの急増とアスファルト化の拡大とシベリアや中国の森林破壊も
相俟(あいま)って、大気の流れに不安定なうねりを生じさせ、海陸両面における
放熱効果をそぎ、異常気象を齎(もた)らせているというのが現状でしょう。
 
ところで、古来自然災害が頻発してきた我が国では、先人の知恵というのか、
これを予防するための抜本的なインフラや、危険地帯を暗示する地名などで、
できる限りの対策を講じてきました。勿論想定外の大水害や、土砂崩れなど避けられなかったケースも多々あった訳でしょうが、逆に安易な宅地開発等や、
インフラ予算の回避や節減によって、あるいは、危険を示唆してきた昔からの
地名を変更したり、「コンクリートから人へ(民主党政権のお題目)」などという
政治の無責任から、防災の基本線を踏み外した”人災“も多かれ少なかれ
見受けられるのが現状です。
今般大被災にあった広島県の山麓地、安佐北・南両区は、その昔は「八木蛇落地悪谷」と言う
地名だったそうで、豪雨で山が崩れ落ちることは、想定内であったはずではないでしょうか。
 
他にも、悪津(良くない港)を明津・安久津などと改名したり、戦後経済発展に
つれて開発がすすめられた新興住宅地には、「~ガ丘、~台」などの前に、
希望、自由、美し、光、夢など、不自然に明るく、美的な名付けをして、
イメージの悪かった旧地名を改変した地区も少なくありません。
他にも、古来地名の一部に含まれる字によって、梅は埋めたて地だったとか、
灘は傾斜地、倉は崖が崩れる地、袋は浸水地、駒は洪水の発生地だったとか
言われて来ました。
逆に、信長も秀吉も不毛の地と見捨てていた関東大湿原を、その悪因であった
荒川と江戸川を抜本的に治水し、農地や宅地を確保し、東京湾を埋立て、
運河をめぐらせ、玉川上水道を引いて、江戸大発展のインフラを整備した
徳川家康の開発・防災対策は見事であったと言わざるを得ません。
葦の生え盛る湿原の「葦原」は「悪し原」に通じると「吉原」と改名し
遊廓地として繁盛させた江戸幕府政治の妙を痛感します。因みに、東日本大震災の折、
大津波に襲われた地区の殆どは、明治以降、昭和にかけて開発された新興住宅地だったようで、それ以前からあった850余の神社仏閣は、いずれも海岸線より距離を置き、
高台にあって被害が皆無に近かったというレポートもありました。
我々現代人は、ある意味先端科学にこそ恵まれておりますが、縄文人、弥生人、
古代人、中世人や近世人に比べ、歴史に学ぶ知恵や工夫に劣る点が多くあることを、
反省し自覚すべきだろうかと思量いたします。
寺田虎彦の伝説の警句の通りで「天災は忘れた頃にやってくる」のです。
 
 
 
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