ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第三十九話:「不条理な歴史戦にどう立ち向かうのか・
中韓問題はアメリカ問題でもある」
2015/02/06
 戦後70年を迎えて、中韓両国がアメリカを巻き込んで日本を貶め脅す歴史戦が益々過激化してきました。戦後70年と言っても、彼らの反日プロパガンダは35年ほど前から始まったもので「軍国日本の悪逆性」と言う“虚妄の歴史”を世界へ向けて発信し続けてきたことに対し、朝日新聞に代表される捏造記事や左派人権派の学者・法曹界までが、これに加担した一方で、日本の細川・村山首相や河野官房長官らが、史実に悖る自虐的発言を繰り返し、外務省も中韓米や国連に対して正鵠を得た意見表明を出さないばかりか、危機感を欠く弱腰対応に打ち過ぎ、禍根を断つ努力をしなかったことが今日の事態へ繋がっています。このまま、中韓の仕掛けた虚妄の歴史を一人歩きさせてしまっては、日本国と日本人が、世界中から未来永劫に誤解され、我々の子々孫々に“屈辱を負わせ続けてしまう”ことが危惧されます。なんとしても、不当な濡れ衣を晴らし、あらぬ恥をそそぐため、不条理な歴史戦に一刻も早く終止符を打つべきであると考える次第です。
 
今般、安倍首相が「21世紀構想懇談会」と称する各界有識者チームによるアドバイサリーボードを立ち上げました。但し、報道によると今夏に「戦後70年」談話を発表する積りのようで、今夏と言うと、8月15日か9月2日の敗戦記念日が想定され、それでは中韓の嫌がらせを助長してしまいます。つまり、こうした日付では、相手の仕掛ける土俵に乗せられてしまうので、意図して避けるべきではないでしょうか。願わくは、戦勝国側(国連を含む)の論理や、これまでの経緯に捉われての自虐的な姿勢を排し、戦後70年の輝ける歩みの延長線上に立つ未来志向の声明を、然るべき記念日に(戦敗記念日ではなく、“平和条約が発効した4月28日”の「平和記念日」とか“憲法が公布された11月3日”の「文化の日」など有意義な日付を選んだ上で)世界へ向けて“自信と誇り”を持った前向きの言葉で、訴えて頂きたいと思います。
 
まず考慮すべき基本論点は、敗戦国日本に対する戦勝国アメリカ他の構図でありますが、現在の中華人民共和国も大韓民国も当時の戦勝国ではなかったという史実です。また、日本にとっても「最早、戦後は終わった!」と自ら叫んでから数十年も過ぎておりますし、何時までも”後ろ向きの敗戦“を引きずるのではなく、前向きで”未来への展望“を声高に訴えるべきだと思量致します。従って、中韓露や米国の仕掛けに乗せられて、態々8月15日(正確には、9月2日の降伏文書調印が敗戦記念日ですが)に、首相談話や声明を発するのではなく、”前向きの意義がある4月28日“、すなわち主権回復し、国際社会へ復帰した「平和記念日」にこそ、首相声明を発して頂きたいと繰り返し提言する次第です。あるいは、一歩譲っても、”憲法公布記念日の11月3日“に談話なり声明を発信することに、平和国家として70年の実績を積み上げてきた日本国からの意見表明の意義が深くなる筈です。安倍首相と内閣官房には、こうした有意義な発表の舞台つくりにも十分配慮して頂きたいものです。
 
次に、中韓が日本に歴史問題を激しく迫るようになったのは、1980年代に入ってからのことで、戦後35年も過ぎた頃であり、それまでの35年間は、一切の外交問題に上らなかったという史実を喚起しておきます。そもそも歴史認識問題として俎上に載せられているのは、慰安婦、靖国参拝、南京事件、教科書検定で揉めた進出か侵略か、の諸問題で、いずれもが“日本発の情報”に根差した事象です。即ち70年代終盤に刊行された小説家吉田清治の著書や談話(のちに当人が小説の捏造と証言の虚偽を認めた)を記事ネタにし、80年代初めから自虐一方の問題提起を継続的に展開したのが朝日新聞だった訳で、その報道が中韓メディアや政治リーダーに伝わり、日本に対して外交上、道義上の優位性を主張し始める淵源となってしまったのです。特に90年代初めからは、益々プロパガンダの様相を帯び、中韓が米国のメディアと下院議会、地方議会から国連人権委員会まで巻き込み、これに我が国左翼リベラリスト(政治家、学者、弁護士、ジャーナリスト等)が加担する中で、実在しなかった新造用語「“従軍”慰安婦、“性奴隷”とか“強制”連行」を次々に生み出していったのが真相です。つまり、日米離反・日本の孤立を狙った中韓による謀略戦で、中華系、韓国系在米勢力の資金力も生かしたロビー活動、宣伝広報を米国議会と地方政府や国連人権委員会等、左派人権主義者活動部隊へ食い込み、捏造史を刷り込んでいったのが真相です。その間、我が国の政治家も外務省も、明確な反論、意見表明を怠り、逆に複数の首相や官房長官達が史実や真相を十分吟味することなく、不用意な談話を通じて、火に油を注ぐが如き言動に終始してしまったことが、日本の国益を毀損する結果に至ってしまったのです。
 
さらに忘れてならないのは、アメリカと国連の存在です。この問題を単に中韓の反日政治活動と断じてしまうのは明らかな誤謬で、これまで述べてきたように、中韓は、女性の人権問題と絡めた巧妙なプロパガンダにより、“戦勝陣営の米国と国連”を抱き込んだということ、その背景に戦敗国日本が、GHQ占領政策を過剰に引き継いできた左翼リベラリストの頚木に縛られたかのような弱腰外交を繰り返し、正鵠を得た発言もせず、特に米国や国連に対する意見表明を避けてしまったことが、大いなる問題点だと思量します。特に、米国内の良識派や国際世論に、「米国の原爆投下と首都圏無差別爆撃による“非戦闘員”の日本人を大量焼殺したことは、国際法違反であった」という論議があり、一方では、主としてアジア発で「日本の満州、朝鮮半島、台湾の“併合Annexation”は、当時欧米がアジア・アフリカで展開した“植民地化Colonization“とは異なっていた証拠に、日本はこれら併合地には、本国と同一の法を適用し、物的・制度的・人的インフラ整備と教育振興を実行し、大いに経済力と文化民度を上げてくれた。それどころか、日本は第一次大戦後のパリ講和会議で、人種差別撤廃を提案した唯一の有色民族国家でした。(この提案は11対5で採決されたが、奴隷制を抱えて反対だった米国ウイルソン大統領が無謀な議長特権を行使、全会一致でないとして、この決議を葬ったのが史実です。)因みに、日本の満州、朝鮮、台湾「併合」は国際法に則り、列強諸国の承認を受けたもので、それまでの欧米によるアジア・アフリカ諸国への一方的な「植民地化」とは全く異なるものでした。日本の史上には対内対外とも、奴隷制度は皆無だったことも、もっと自覚しておくべきでしょう。
 
また、第二次大戦後「日本は負けこそしたが、アジアからすべての植民地を排除してくれた。」とのアジア発の諸論評が相次いでいたことから、米国の政治家や大戦勝利肯定派には、何としても「軍国日本は悪であった。」と言う論議に乗ることで、自国の国際法違反を正当化する必要性もあった訳です。その後も、マッカーサーの議会証言「大東亜戦争(米は太平洋戦争)は日本の自衛戦であった。」とか、欧米の史家や学識者には、少数ながら「日本がアジアを侵略したというのは、植民地を失った欧米による史実を直視しない作為的な論議であって、日本による併合の仕方に鑑みても、戦前からの主張に見る如く、”有色民族に対する白人支配からの解放戦“とみる方が、妥当である。」と言った論評もあるようです。確かに帝国主義、軍国主義日本にも一抹の反省点はあるにせよ、少なくとも、植民地化侵略戦ではなかったことは自覚しておくべきでしょう。
 
もう一点、とても大事な点に触れておきます。日本の対外発信力をもっと強化するため、政治外交分野は勿論、英語も日本語も達者なジャーナリストや学識評論家、文化人を多く徴用ないしは支援すべきだし、日本のことを正しく評価してくれるフリーで活動されている外国人ジャーナリストや弁護士、学者、評論家には、日ごろから遍くコンタクトを取り、情報の受発信をスムースにしておくべきだろうかと考えます。因みに、こうした外国人には、米国人のマイケル・ヨン(ジャーナリスト)、トニー・マラーノ(評論家)、ケント・ギルバート(弁護士)諸氏や、英国出身在日ジャーナリストのヘンリー・ストークス氏らがおられるし、「史実を世界に発信する会」(加瀬英明代表、茂木弘道事務局長ほか、各界の有識者多数が委員、顧問をされています)のような地道な民間事業団体もあります。特に、ヨン氏は、このところ、米国主要紙誌への寄稿と連邦・地方議会への積極的な働きかけで、日本にとっては、まさに桃太郎と言うか、正義の味方を独演して呉れており、協力支援すべきです。
 
併せて、アメリカにおけるInteragency Working Groupの調査報告書に、鋭意着目して史実を露わにして欲しいものです。これは、米国の抗日華人ロビー団体が焚き付け、日本の戦争犯罪の実態を調査(移民局、FBI, CIA等全米省庁を巻き込んだ大調査)したもので、2007年春、米議会に提出されましたが、そこでは”慰安婦強制連行や性奴隷“の証拠は何一つ見つけられなかったようです。それにも拘らず(中韓が不利な史実から目を背けたのはともかくも)、自国を守るべき、日本の政府・外務省・ジャーナリズムの大半が、その後も”強制連行された”“従軍慰安婦―性奴隷“という、実在もしなかった虚妄を排除せず、受容を積み重ねてきたことは理解に苦しむし、中でも朝日新聞と英語発信紙の代表格のジャパン・タイムズ紙は今こそ反省し、国際社会へ向けて「虚偽の記事すべての撤回と訂正」し、誹謗中傷にさらされてきた「日本人に謝罪」を発信して貰いたいものです。この際、周辺国の執拗な言いがかりと米国による戦敗国制裁の頚木に屈せず、捻じ曲げられた史実を糺し、身に覚え無き冤罪を晴らし、未来志向の平和主義、人道優先の日本国を世界へ向けて堂々と主張して行かねばなりません。そして、極東軍事裁判(東京裁判)の国際法違反、不公正を自ら検証し、反省している連合国側の多くの重鎮たち(東京裁判当事者だったウェブ東京裁判長、パール・インド代表判事、レーリング・オランダ代表判事、ブレイクニー弁護士を初め、フーバー米大統領、プライス米陸軍法務官、ビアード史家、およびリトルトン英軍需生産大臣)らの発言内容を良く吟味することで、戦後日本人が陥った「東京裁判史観に基づく自虐思考」から脱皮すべきだと思います。すなわち、日本を取り巻く不当な歴史戦と言う現実に立ち向かうには、我々日本人政官民がもっと歴史の真相を見極め、普遍的価値に基づき守るべき伝統と価値観を海外へ向けて堂々と発信し続けることが肝要です。
 
結びに、チャーチルの名言を引用しておきます。
「迫りくる危険に背を向けて、それから逃げ出すべきではない。それをすれば危険は2倍になる。それに素早く敢然と立ち向かえば危険は半分に減るだろう。何事に出会っても、決して、決して逃げるな。」
 
 
 
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