ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第二十一話:記憶遺産登録に見る中韓の歴史観にどう向き合うか
2014/07/01
中国と韓国による“偏向した歴史認識による反日宣伝活動”がいよいよ過激度を増して来たようです。今般、中国政府発表によって、南京事件と慰安婦関連資料をユネスコの世界記憶遺産として登録するよう申請したことが明らかになりました。これは日本による戦争被害を全世界へ向けて一方的に訴求し、歴史の真相を知り得ない人道・人権主義者たちを抱き込もうとする極めて卑劣な試みと断じるほかありません。ここで留意すべきは、これまでのように、日本政府が中国に対し、単に遺憾を表明し申請取り下げを求めて抗議するだけでは事が済まないと言うことを日本の政官民が肝に銘じ、世界へ向けて日本の各界から、出来るだけ客観性のある史実を公表し、中國による提出資料の偏向や捏造ぶりを世界へ向けて、声高にアッピールし続けることが不可避だと考えます。
 
我が国として既に経験して来たように、韓国による従軍慰安婦問題諸活動に対して当初から日本の政府や外務省の対応が不十分・不適切であった為、米国の地方議会や国会どころか、ジュネーブの国連人権理事会へも訴求され委員会へのクワラスミ報告書まで提出されてしまったのでした。国際世論形成や政治外交上の宣伝情報戦で負かされない為には、タイムリーな反論と関連諸機関や主要メディアを通じた継続的な反論・検証活動の積み重ねが必須なのです。今回、韓国も示し合わせたように、慰安婦問題関連資料を記憶遺産に登録する準備をしている旨発表しているようですから、なおのこと、日本がとるべき方策はタイムリー且つ全方向的にして筋道を立てた“強面の反論“を繰り返すことに尽きます。
 
ユネスコと言えば国連の一機関ですが、元来国連と言えば第二次世界大戦の“戦勝国連合”である上に、拒否権を持つ中国とハン事務総長の出身国である韓国には、何かと有利に事が運ばれる背景があり、一方で加盟国中、米国に次ぐ二番目の11%(過去17%も)と言う圧倒的多額の負担金に応じてきた日本が「常任理事国」に成れないのは、かねてより中韓(負担金は中国が過小な5%、韓国はわずか2%)の反対にもよると思われます。しかも、中韓は目下負担金の一部を滞納中とか、日本も負担額に応じた国連活動参画と妥当な発言力の確保を強く求め、それが叶うまで、負担金を滞納するなり、負担金の減額を要請し、不公平感(特に拒否権を持つ中露仏英の負担額がそれぞれ低額すぎる)を世界へ向けて訴えかける必要があると考えます。日本の政治家と外務官僚の覚醒を問うものです。
 
国連に関して言うなら、日本は「カネ」だけ出しっぱなしで、「ヒト」(発言力や行動力もある国際人)も「クチ」(世界の有識者や政治家へ届く大声)も十分に出して来なかったツケが来たようなものであって、その真逆を徹底的に貫いて、人も声も、効果的なら金も出してきた中韓に、してやられてきたものだと捉えるべきでしょう。それどころか、日本人でありながら、内外を問わず、中國や韓国の抗日活動に手を差し伸べ、自ら日本を貶める宣伝情報活動の片棒を担いできた一部左派弁護士や朝日新聞記者、小説家、評論家、ニューヨークタイムズ記者などや、意図的なオウンゴールを狙った確信犯、そして絶えず間違った声明を出したりして来た方々は(既に氏名も明かされているので)出るべきところに出てきて、正々堂々と偏向的な所見の事由を述べ、証拠を示して頂きたいし、その過ちを認め、謝罪をして頂きたいものです。「南京大虐殺」と題するベストセラー“偽書”を書かされ政治利用されたと、良心の呵責からか、自殺を遂げた中華系米国人小説家・アイリス チャンは、その死の前に「日本人に謝罪しなければならない。私の本は絶版にしてほしい」と語ったそうです。彼女のように、客観的事実を受け入れて貰うべき人たちがまだ内外に多すぎます。
 
最近相次いで、米国とカナダの大学教授協会が、それぞれ自国内の大学に百か所近くも設置された「孔子学院」の見直し要求を出して、国際的話題を呼んでおります。問題点として上げられたのは、中国政府意向で教授や講師が派遣され、学院の運営と授業内容は、学問の自由を侵害する恐れがあり、実態は中国のプロパガンダ(政治情報宣伝工作)機関と化しているのではないか、と言った点にあるそうです。中国は、経費負担等のメリットを釣り餌として、既に世界110ヵ国に440もの孔子学院を展開しているようで、日本でも、立命館、早稲田、桜美林、工学院、北陸、愛知、札幌、福山、岡山商科、兵庫医科などの諸大学が学内に孔子学院を設営しています。これらの大学には、米加に倣って学問の自立の観点から、早急に問題点の洗い出しをして頂き、必要に応じて妥当なアクションを取ってもらいたいものです。
 
一方で、新しく前向きの国際文化活動として注目したのは、国家基本問題研究所という民間シンクタンクによる「寺田真理記念・日本研究賞」という外国人による日本研究著作を評価選考して、報償した最近の出来事です。日本人が、偏りなく真正性と完全性の高い歴史観や日本政治・文化論を外地語で、世界へ向け多数放出することも勿論重要ですが、外国人が冷静な視点・論点で日本を正しく捉え、それを書籍化して広く世界に発表頂けるのは、極めて有難く、且つもろ手を挙げて支援すべきことであると信じます。日本経済と商品、芸術文化等に関しては、古来、多くの外国人による賞賛や紹介・解説文書が多く存在して居りますが、政治外交分野と日本史に関して、特に大戦前後の史実や解説書が殆ど見受けられない点をもっと考慮すべきだと思います。良かれ悪しかれ、少なくとも冷静な視点から、少なくとも中韓による捏造と史実を曲げた論評を、出来るだけ客観的データに基づいて強く反論し否定する活動を、もっと強化すべきなのは論を待ちません。
 
もう一方で、国際紛争の平和的解決手段として「国際司法裁判所」をもっと活用することにも取り組むべきでしょう。例えば、竹島や尖閣諸島の領土問題などに関して、日本政府は「元々紛争はない」とか「相手が土俵に乗ってこない」とか、色々と逃げの事由をあげつらって、中韓を対手にした国際裁判提訴をより強力に推し進めない理由が解せません。特に相手が裁判を拒絶してくれば、国際社会の非難が逃げた方へ向かうのは条理であって、我が国として国際世論を大きな味方にできるチャンスなのです。同時に、国際的非難の声は、彼らの軍事行動の抑止力にさえなると思われます。特に、相次いで中国の海洋占拠で苦痛を味わっているベトナムやフィリピンの国際海洋法提訴を受け、日本が第三国の立場から意見を具申し、他のアジア諸国との海洋戦略協力への礎を築くことにもつながるでしょう。いずれにせよ、中韓による声高の国際プロパガンダに対抗するにも、彼らを裁判と言う舞台に引っ張り出し、その弱点を握ることで、南京問題や慰安婦問題への援護射撃になることも考えに入れて置くべきかと思います。
 
ここへ来て、世界からの孤立を何とか打破したいのか、習主席が来月早々に初の訪韓をして朴大統領と“同病相哀れむ首脳会談”を持つようですが、その中身は、おそらく北朝鮮問題、反日歴史問題、日米の離反画策など、如何ほどの協調戦略がとれるのか、具に眺めてみたいものです。尤も、中国と朝鮮は永年の歴史を通じて(中華思想の支配・被支配関係)で“上から目線の中国”と、歴史的にも跪き一方で“下から目線の韓国”が対等且つ共同歩調路線が取れるのか、に関しては大いなる疑問を禁じ得ません。負けじ魂の強い韓国が、いつどこで匙を投げるのか、も見ものです。いずれにせよ、日本としては、尚一層襟をただした外交に徹し、国際社会の良識仲間をさらに拡大すべく寸断なき努力が必須であると提言しておきます。
 

 
 
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