世界の健康と食の安全ニュース
認知症抑制タンパクNrf2を活性化する旧仏領インドシナの花食文化(2)
脳神経変性疾患の予防にベトナムの鉄人花鍋
2023/10/12

    
                    花食文化の主役ブロッコリー​     ニャチャン:ベトナム                                
 Nrf2 activity is likely helping brain neurons cope with the stress of the disease
a master regulatory protein for *detoxification responses
An increased number of *senescent cells is one hallmark of human *neurodegenerative disorders, including Alzheimer’s disease. Since these diseases are more common with advanced age,
it is logical to hypothesize that senescent cells play a role in their development. 
(the Linus Pauling Institute)
detoxification responses:解毒 senescent cells :老化細胞 neurodegenerative disorders:神経変性疾患



1. 認知症発症を制御する転写因子(Nrf2)(ナーフツー)の発見
2. ​山本雅之教授らによる転写因子ナーフツー(Nrf2)(抜粋)
3. 野菜摂食量が大違いの旧インドシナの鉄人と日本人
4. 日本国政府がポリフェノールなど機能性成分に言及しないわけ
5. 個人差が大きい野菜、果実栄養成分の消化吸収率
6. 認知症が世界一多い日本で、特に広めたい花食 
7. 高齢者、子供にも優しい寄せ鍋は機能性成分(phytochemical)ロスが最小
8. 旧仏領インドシナ各国の花食文化を支える素材
  
    
植物の機能性成分(phytochemical)が最も多い花と蕾
 

1. 認知症発症を制御する転写因子(Nrf2(ナーフツー)の発見
認知症など神経変性疾患(neurodegenerative disorders)の発症詳細はいまだ明解では
ありませんが、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の山本雅之教授らはかねてより
加齢で増加する老化細胞が認知症の主役であり、これを制御できれば健康長寿を達成できると
考え、研究を続けています。
老化細胞は自然死(アポトーシス)するものと過去には考えられていましたが、ノーベル賞受賞者
*大隈良典博士により、必ずしも全てが自然死するわけでなくミトコンドリアの活性化で再生もする」ということが判明し、レスベ(天然赤ブドウ由来のレスベラトロール)にさらに光が当たった経緯があります。
Nrf2の研究が進めばサプリメントと赤ワイン、アブラナ科花野菜(+魚油)の食生活が、
脳神経変性疾患ばかりか、がん(癌)や心筋梗塞など心臓血管の予防、治療にも新たな世界が
開かれるでしょう。

*2016年ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典博士の功績はオートファジーと名付けられていた細胞内器官の働きを顕微鏡で
捉えることに成功(機能の可視化).オートファジーをコントロールする遺伝子を発見したことにより、機能研究が急速に
進歩を遂げました.

「老化と生活習慣病は細胞内異変の自動修復作用不全」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=518

山本雅之教授らは2018年ごろには認知症発症を制御するだろう抗酸化遺伝子(転写因子)
*NF-E2-related factor 2(Nrf2)(ナーフツー)を見出していたようです。
研究は20年来アブラナ科野菜(Cruciferous Vegetables)の医療効果に関して疫学研究を続け、
主成分のグルコシノレート(GSL)に関して膨大な研究報告をし、世界的な評価を受けている
* ライナス・ポーリング研究所とオレゴン大学に支持(?)されており、ノギボタニカルも
今後の進展に大きな期待をしています。
*ライナス(リーナス)・ポーリング(the Linus Pauling Institute)
「リーナス・ポーリング研究所が食生活で差が出る認知力低減と脳萎縮の疫学調査」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=298

途中経過ではありますが、(Nrf2)(ナーフツー)の研究はベトナムなど旧インドシナ各国が
*ブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜を常食し、鉄人的な体躯を作り上げている
疫学的成果を裏付けるものとノギボタニカルは考えており、
日本人も当面はベトナム人の食生活を踏襲したらと考えています。

ブロッコリーの機能性成分グルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)
ただし、ブロッコリーや菜の花などの機能性成分(phytochemical)である
*グルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)は単離しては安全性、有用性を確保できない
難しい物質です。*glucosinolates(GSL)
また植物性食材の有用機能成分は単離して機能するものではなく、植物全体の成分が
互助して機能するものですから、医薬品のような単離物質の化学合成は意味がありません。。
すでにサプリメントがありますが、プラセボ効果を狙ったものであり、
「効果は不明、実食材を食べてほしい」との「但し書き」があります。

有効成分はおそらく短時間で消滅するでしょうから、加工はジュースまで、それも作りたて以外は
十分な有用成分が確保できないでしょう。
ブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜を食生活で常食することを最もお薦めします。
また「ブロッコリー・スプラウトは成分分量が7倍」と分析方法も明かさずに宣伝していますが、
ブロッコリー成分と同分量を得るには、はるかに大きな出費となり、無意味です。

*グルコシノレート(スルフォラファン‐グルコシノレートは変異後名)は
様々な野菜や果実に含有されていますが、特にブロッコリーや、菜の花などアブラナ科花野菜に
含有量が多いことで知られています。ぜひ、毎日の食生活に採り入れてください。
*ダイコン、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、ワサビ、ロケット・サラダなど十字花(アブラナ)科
野菜に属する植物の根、茎、葉、花蕾、種子にはグルコシノレート(含硫芥子油配糖体:GSL)
化合物が含まれている。(wiki)

2. 山本雅之教授らによる転写因子ナーフツー(Nrf2)(抜粋)
*ナーフツー(Nrf2)は酸化ストレスなどの発生に伴い、ストレスに応答して活性化される
転写因子ですが、抗酸化酵素や解毒代謝酵素の遺伝子発現を増加させたり炎症を引き起こすサイトカインの
遺伝子発現を低下させる働きをしています。
ほとんどの神経変性疾患は,酸化ストレスが関連しており、Nrf2は、抗酸化応答エレメント(ARE:Antioxidant Response Element)に結合することにより,抗酸化遺伝子の発現を誘導します。
 Nrf2の活性化は,神経変性の治療に潜在的な役割を果たします。
(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

3. 野菜摂食量が大違いの旧インドシナの鉄人と日本人
日本には完璧な保険制度と医療の仕組みができ上がっており、「健康問題は人任せ」なのが社会の流れ。
健康寿命は短くとも、見かけの長寿を達成していますから、国民の保健知識も低レベルであり
「完成している医療組織を乱す」ことになる予防医学には国も熱が入りません。
恒例の国のキャンペーン「野菜をもっと食べましょう」も知らぬ人が多いでしょう。
世界的に認知症発症者がとびぬけて多い日本を救うのは「野菜と果実を大量に食する食生活」です。                    
4. 日本国政府がポリフェノールなど機能性成分に言及しないわけ
日本国のキャンペーンで障害となるのは国やマスコミが生産地、生産者が異なる
野菜や果実の特有栄養素の差異を語ることは、立場上ほとんど出来ないことです。
また個々の生産者は別種の食材と機能性成分含有量を比較することがあっても
他の生産者の同種食材を具体的な数字では比較しません、
というより道義上、出来ないでしょう。
食生活で食材の消化吸収に重要な役割を果たす機能性成分(phytochemical)の
ポリフェノール量は個体差が大きいために、
科学技術庁が昭和25年から出版している「標準成分分析表」には掲載されていません。
管理栄養士が蛋白質、脂肪分、炭水化物などエネルギー産生要素でカロリー計算し、
ビタミン、ミネラルなど補酵素に配慮しても、最重要物質ともいえる機能性成分(phytochemical)の
ポリフェノールに言及しない(出来ない)一因となっています。
「ポリフェノールとは」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=162

5. 個人差が大きい野菜、果実栄養成分の消化吸収率
タンパク質の消化、吸収には野菜、果実が大量に必要なことを理解している方々は非常にマイナー。
「良質な肉、魚とサラダを毎日食べています」と安心してはいませんか。
常識的には安心できる食生活であっても、その効果は大きく異なります。
原因にはバラエティーがありますが、大きい差異は同じ食材でも食用部分が人それぞれであり、
かつ摂食量や調理法が異なるからです

生活習慣病や食材の過剰、過少摂取、バラエティー不足、過剰医薬品摂取で
消化、吸収が妨げられるケースも少なくありません。
最近になり分かってきたのは、消化吸収が妨げられるのは機能性成分(phytochemical)の
未熟な摂取法ばかりでなく、「栄養成分の吸収には腸の微生物バランスが関与する」ことです。
適切、優良な食材であっても食事メニューが体内に吸収されなければ食生活で「血となり肉となる」
「万病を排斥する抵抗力増強」などを得ることが難しくなります
  
                           
市場片隅のごく小さなスペースで花野菜世界チャンピオンの                      米国保健省傘下のFDAが野菜と果実を毎日5種 食することを推奨 
ブロッコリーを売る生産者.(ニャチャン:ベトナム)    
上右は欧米で人気のあるコールラビ(Kohlrabi:Brassica oleracea var. gongylodes)ブロッコリーの兄弟です.

6. 認知症が世界一多い日本で、特に広めたい花食 

          
           
日本にはシトルリン豊富な冬瓜(とうがん)のシーズンが到来しています。
ホタテ(缶詰で十分)のスープに旬の小菊の花をマッチさせれば美味しいスープが楽しめます。
日本は世界的にも豊富な種類の野菜が安価で売られていますが、
食用花はすみれ類、菊類を料理の飾りにする程度。
花食は「ブロッコリー蕾み」「小菊」が主役ですが、小菊は料飲店の装飾需要が多く、
量を摂食しなければ健康増進に寄与しません。
花を相当量食することは最も多くの機能性成分(phytochemical)を摂取できる
格別な健康食なのです

まだまだ消費を伸ばす余地は十分あります。ご紹介を続けている
花食先進国の旧インドシナ3国を参考にして日本でもさらに広めたいものです。
https://www.nogibota.com/archives/962

青森のアカシア、茨城のキンセンカなど紹介したいローカルな花野菜はいろいろありますが、
首都圏では食用ハーブの花野菜が売られるようになりました。(写真下右:ルッコラの花野菜)

    

この菊(通称:モッテノホカ、小菊)は古くから山形県で広く栽培されています
(交雑種のために学名はChrysanthemum ×morifoliumと表示されることもありますが定かではありません)
山形では大豆と合わせた薄い酸味の「お浸し」が多いようですが、
スープにもマッチして良い香りを放ちます。
小菊の旬は秋から冬のはじめにかけてですが、現在は品種改良が進み、
さまざまな品種があるため5月から翌年1月まで収穫しています。
山形県と並び、伝統がある新潟県、静岡県浜松市で栽培されている小菊は首都圏。
奈良県平群町産は近畿圏、西日本一帯で広く売られていますから、
都市部での入手はそれ程困難ではないと思います。
古い伝統を持つ山形県の「もってのほか」は、10月下旬から11月上旬ごろが収穫時期となります。
黄色い小菊が出回る9月9日は男の子の無事成長を祈願する「菊の節句」と呼称される
「重陽(ちょうよう)の節句」。黄色の小菊で祝う日です。
 
晩春にアブラナ類などの葉野菜に花が咲くと葉や茎などが固くなると敬遠する方も
いらっしゃいますが、それはチャンスなのです。
オクラのように食用花栽培に特化した栽培をする農家もあります。
また諸外国のように南瓜(かぼちゃ)の雄花だけを食するという選択肢もあります。

7. 高齢者、子供にも優しい寄せ鍋は機能性成分(phytochemical)ロスが最小
ポリフェノール類が豊富な花野菜の調理法は高齢者、子供にも優しい寄せ鍋がベスト。
食材の栄養分が失われません。
 
花菜の調理法はベトナムのカインチュアがお薦め、写真の花はスカッシュ
 
      オクラの花を主菜として中国伝来の「火鍋子:ホーコーズ)で食べるホーチミンのカジュアル食堂。

8. 旧仏領インドシナ各国の花食文化を支える素材  
    植物の機能性成分(phytochemical)が最も多い花と蕾
植物の花、蕾、果実は不思議な健康力を発信します。
その成長歴の全てが凝縮されているからなのでしょう。
タンパク質の消化吸収に主役を果たし、かつ、ストレスに襲われる脳視神経を救済します。
アブラナ属のブロッコリー(Broccoli:Brassica oleracea var Italica)はつぼみの塊です  




①アブラナ属(Brassica)の花野菜
②世界で最も普及している花野菜はスクウォシュ(スカッシュ:squash )

③チャイニーズ・チャイブ(ドク・グイ・チャイ:Allium Tuberosum
④ドク・ケー:白胡蝶(シロコチョウ)
⑤キバナツノクサネム Sesbania javanica:Sesbania aculeata.
⑥夜来花、トンキンジャスミン(ドーク・カジョン)
⑦トーチジンジャー(Wild Ginger)
⑧ムラサキオモト((オイスタープラント、ボートリリー:Rhoeo Spathacea)
⑨チューベローズ(Tuberose:Polianthes tuberosa)
①⓪中国花(デイ・リリー:Hemerocallis spp)
①①オクラ(A. esculentus)トロロアオイ属(Abelmoschus)
①②バナナ(Musa acuminata:Musa Balbisiana)


①アブラナ属(Brassica)の花野菜
菜の花に代表されるアブラナ属(Brassica)は健康野菜最大のグループ

 
                    (写真上)日本で開発されたオータムポエム  
           
               
        紅菜苔(こうさいたい)  オータムポエム(上)と紅菜苔(こうさいたい)(下)

写真上の下部に配置された紫色の茎はオータム・ポエムに交配された
中国由来の「紅菜苔(こうさいたい):Brassica chinensis」.
紅菜苔の学名は上述のパック・クァン・タン(var Parachinensis)と同じ。
単なるバリエーション( f. honsaitai)の違いですが、ポリフェノールの種類が違います。
オータム・ポエムは「紅菜苔:Purple-stem mustard」がベース.
外観は同学名のタイのパッ(ク)・クァン・タンに酷似しています。
アブラナ属で食感からアスパラ菜とも呼ばれます。
オータム・ポエムと命名された種苗会社開発の交配種は葉も茎も花も大振り。
促成栽培が可能で、香り、アクが薄く、食べやすいよう改良していますから
美味しく、安価ですが栄養価は配慮されていないでしょう。
日本人の野菜に関する思想が表れて興味深いトレンド。

日本では経済性の理由で葉野菜を花期まで待つことはあまりありませんが
菜の花(Brassica rapa var. nippo-oleifera )は例外。
それでもツボミや5分咲き位まで。満開では市場価値が無いそうです。
あまり売れないのは、ありふれているのに価格が高いからでしょう。

タイや旧仏領インドシナでは日本の菜の花に近い種を
Chinese cabage. Flowering cabbage(フラワーリング・キャッベジ)と呼んでいます。
学名:Brassica rapa. L. group caisin.Brassica chinensis var Parachinensis。
  
 抗酸化遺伝子の発現が期待できる  パック・クァン・タン(Phak kwaang tung):フラワーリング・キャベツ(タイ北部)      

(参照)イタリアの​チーメ・ディ・ラパ(Cime di Rapa)はオータム・ポエムに近い食感を持つ菜の花。
学名はタイのフラワーリング・キャッベジやチャイニーズ・キャッベジと同じBrassica rapa。
同属のブロッコリ、キャベツ、コールラビの学名はBrassica oleracea。
チーメ・ディ・ラパはBrassica rapa とはいえ、どちらかといえばブロッコリを小さくしたような花つき。
アドリア海に面したプーリア(Puglia)のパスタとして著名なオレキエッテ(Orecchiette)
は、この花野菜で食べることが多い。
ニンニク、オリーブオイル、トウガラシなどで炒めてパスタに絡めますが、地域で調理法は様々。
基本的に北部人が嫌う南部料理と位置付けられているようで北部のエスタブリッシュメントの
メニューではありません。  

   
英名:Chinese cabage. Flowering cabbage(フラワーリング・キャッベジ)
学名:Brassica rapa. L. group caisin.Brassica chinensis var Parachinensis
欧米や日本で一般的なイメージのキャベツはタイではボク・チョイ(Bok-choy)と呼ばれます。
この野菜はそれとは異なり、同じアブラナ属でも西洋菜の花(Brassica napus)に近いものです。
開花の前後には花が無い野菜としても収穫されています。

パック・クァン・タンはアジアでは美味な葉野菜として知られ、
中国ではチョイ・サム(Choy sam:広東語)として有名。
タイではスープや麺料理に使用されますが、炒め物がベスト。
日本流の「おひたし」は栄養分を逃がす調理法。独特の強い香りを生かすには調理しすぎないことです。

②世界で最も普及している花野菜はスクウォシュ(スカッシュ:squash )
スクウォシュ(スカッシュ:squash )と呼ばれ多くの国で食されている瓜類の花(カボチャも含みます)は
花野菜として永い歴史があります。
日本でも身近に手に入れることができます。JAをチェックしてみてください。

カボチャ、ズッキーニなどスクウォシュ栽培はベトナムの南部から中部のユエで盛ん。
カボチャの花は実をつけないオス花のみを食するため無駄がありません。
有用な果実を付けるメス花は食用可能ではあっても結実を期待されていますから
摘んでしまうことは少ないようです。
(*イタリアなどでズッキーニの花を食べたことのある方がカボチャの花を代用ということがありますが、
代用ではなくイタリアでは同じ扱いです)

  

(写真上)アジアのカボチャ(cucurbita moschata):左はチェンマイ(タイ)、右はジョホールバル(マレーシア)

日本で一般的に栽培されるカボチャは西洋カボチャ(cucurbita maxima)が主ですが
ぺポカボチャ(ズッキーニ:zucchini、courgette:cucurbita pepo)も栽培されています
ゴーヤとへちまはカボチャの親戚(ウリ科カボチャ属)

 

(切手写真左)Hoa muop dang(ムオップダン:Momordica charantia)和名:ゴーヤ:bitter melon, bitter gourd  bitter squash
(切手写真中)Hoa muop huong(ムゥホォン:Luffa cylindrica M.J.Roem:Smooth Luffa, Spongegourd, sponge Cucumber.
       和名:へちま  
(切手写真右)Dork khajon:Dok salit:Telosma Cordata:Fragrant cynanthe、和名:夜来花、トンキンジャスミン
 
 

③チャイニーズ・チャイブ(ドク・グイ・チャイ:Allium Tuberosu)

 

花鍋に必須のわき役はチャイニーズ・チャイブ(ドク・グイ・チャイ)
中国、日本を含めアジア諸国でチャイニーズ・チャイブの名で売られている花野菜。
英名:Chinese chives.英通称:Guichai flower.
学名:Allium Tuberosum.
ドク・グイ・チャイ(Dok Gui Chai)とも呼ばれる。ドクはタイ語で花
ベトナム庶民の鍋料理に欠かせません。最大使用野菜の一つです。白は柔らかさを求め遮光して作ります

  
 
 

             (上)ドク・グイ・チャイ(Dok Gui Chai)

④ドク・ケー:白胡蝶(シロコチョウ)
       
            上下共に和通称:白胡蝶(シロコチョウ).英通称:Sesban flower.
 
ドク・ケー:白胡蝶(シロコチョウ)学名:Sesbania grandiflora Linn.(Papilionaceae)

花(タイ語でドク)という意味でドク・ケーの呼称も。
ケー・バーン(Keh・bahn:Khae ban)の木は合歓(ネム)、
アカシア類など豆類独特の楕円形の葉。蕾(つぼみ)の状態で食する。
ゲーン(汁料理)に入れることが多い。ほのかな香りと食感が良いためにアセアン諸国に
広まっている食材。
赤紫の種類も少量ですが生産されていますが、価格が高いのと歴史が浅く、
安全性が未確認のため人気はありません。味覚が合わないという人も少なからずいます。 

⑤キバナツノクサネム Sesbania javanica:Sesbania aculeata.

 

 

(上)キバナツノクサネム Sesbania javanica:Sesbania aculeata.
商用に栽培されているポピュラーな花野菜。栽培種をSesbania bispinosaとする文献(?)もあります。
白胡蝶(しろごちょう)と近似種のために食感が似ていて炒め物、汁物が美味しい。 
 

⑥夜来花、トンキンジャスミン(ドーク・カジョン)
 

 

夜来花、トンキンジャスミン 
Fragrant cynanthe、Cowslip creeper flower、milkweed flower、

園芸愛好家にはカウスリップ・クリーパー モーニング・グローリーとして知られます。
タイではドーク・カジョン、ドク・サリットとも(Dork khajon:Dok salit)
中国で有名ですが食用としてアジアに愛食家が多いポピュラーな花野菜。
つよい香りにかかわらず欧米人、日本人にもマッチしているようです。
蕾(つぼみ:上下の写真)をゲーン(汁物)、炒め物にします。
蕾につよい香りがありますが、花が咲くとさらに強烈に薫ります。
下の写真右(タイ産)は湯がいて日本のめんつゆ出汁で和えたもの。
栄養素は多少失われますが美味です。
学名:Telosma Cordata
英名:Fragrant cynanthe、Cowslip creeper flower、milkweed flower

⑦トーチジンジャー(Wild Ginger)

 
トーチジンジャーはその名の通りトーチ(たいまつ)形状の生姜(しょうが)

インド大陸から太平洋諸島まで分布しているといわれ交雑種が多い.
学者によればバリエーションが70種類はあるという.
Red Ginger Lily、Torch Lily、Wild Gingerなど英語俗称も数多い.
インドシナ半島の生鮮市場ではよく見かけますが、中国系人の好みのようで
マレーシア、シンガポールにも多い花野菜.大型の花は観賞用にも好まれます。
ショウガ科エトリンゲラ属(Etlingera elatior Zingiberaceae)
Phaeomeria magnifica、Alpinia elatior、Nicolania elatior、Elettaria と呼ばれている種類は
亜種ともいえない同属といわれます.

⑧ムラサキオモト((オイスタープラント、ボートリリー:Rhoeo Spathacea)

  
ムラサキオモト((ツユクサ科ムラサキオモト属):Rhoeo Spathacea)
英俗称:Oyster plant, boat lily, Moses-in-a-boat

イラストは図鑑より引用.船形の苞葉(bract)より多数の白い花が咲く.
この舟がノアの方舟に似ているとしてMoses-in-a-boatとの俗称がある.葉の裏が赤紫系なのが特徴。


オイスタープラント、ボートリリーは形状からの英俗称
Rhoeo Spathaceaは中央アメリカ原産といわれ、いまやベトナムで幅広く栽培されているようです。
市場でもレストランでもまだまだマイナーですが食の歴史は古く、安全性は高いでしょう。
市場ではアチュワと発音していますが聞き取りが正確かどうか自信ありません。
観賞用、医療用に鉢植えにしている人が多いといわれます。
咳止めに良いといわれますが定かではありません。
一般的に花野菜のビタミン、ポリフェノールの保健効果は肝臓や消化器系といわれます。

⑨チューベローズ(Tuberose:Polianthes tuberosa)

 
チューベローズ(Tuberose:Polianthes tuberosa)
和通称:ゲッカコウ(月下香)
メキシコ原産といわれ園芸種が主となっていますが、アジアでは
香りが愛されてスープに使用される高級食材。
ハワイではレイにも使用するようですが未確認です。
メキシコではアズテックインディアンが永年食してたといわれます
①⓪中国花(デイ・リリー:Hemerocallis spp)
 
中国花(デイ・リリー:Hemerocallis spp)                                        数十秒湯がいて和風出汁で和えた

(写真上)和風のダシで和えるとおいしい.

最近になりスーパーなどに普及してきた生鮮のユリ系花野菜.
通称デイ・リリー(Daylily)と呼ばれる園芸、農芸種の一種。
ドーク・マイ・チーンと呼ばれるものがありますが園芸種は非常に多様で
色、形が様々なためにドーク・マイ・チーンとこのデイ・リリーが同じかどうか不明。

農芸種デイ・リリーの栄養効果はわかりませんが、とても美味しい。
大手栽培業者のThitawan Orchard が生産しています。先進国に流行りの近代的な水耕栽培が売り物。
タイの良き伝統とは逆行する工場生産野菜で栄養価は疑問。

①①オクラ(A. esculentus)トロロアオイ属(Abelmoschus)

 
 
オクラの果実はアジアで広く食されていますが花は超高級食材でマニア向け。
日本でのシーズンは短期間ですが超安いのが取り柄。
ソフトな香りと食感は病みつきになる美味しさ。栄養価も最高水準です。
カボチャとは異なり花を摘んでは結実しませんから栽培者が花段階で収穫することは
まだ少ないようです。
(日本では花オクラと称して花の収穫を目的とする栽培者が増えていますのでJAをチェックしてみてください)
高く売れるようになれば普及するでしょうが、
劣化が非常に速いために市場性は小さいかもしれません。
ベトナムではオクラの果実は大型種が好まれ、ベトナム庶民が好むヤギ焼き肉の付け野菜となります。
①②バナナ(Musa acuminata:Musa Balbisiana)
 
バナナは茎、葉、つぼみ、花、果実など利用価値が高く、アジアの重要食材。
パパイヤ、マンゴーと同様に未熟な果実は野菜となっています。
写真上左は多数の蕾を収めているる鞘(さや:Pod)。タイ(アジア)ではどこでも買うことができます。
バナナの花が咲き、果実の房が出来る前の鞘(さや)状態(花序)の時に中身を食べます。
  
(写真上)バナナ苞葉、花芯の笹掛け(スプリット).
バナナの粗い繊維を感じる赤っぽいスライスに比べ黄色いのは柔らかい高級部分.
バナナの下の緑の野菜はミズオジギソウ(左)とウォーター・スピナッチ(右)の混合。

鍋物に独特の文化があるベトナム、カンボジアでポピュラーのようです.
タイでは笹掛けより太い茎の芯を好むようです.
サラダに入れたり揚げ物が主流。
オイルとビネガー・ドレッシングやココナッツミルクと合えたサラダはアボカドやバナナの香り。
病み付きになります。皮をはいで余分をとる作業が面倒ですが、何処の市場にもあるほど愛好されています。
マレーシアでは jantung pisangと呼ばれます。

 
鍋料理では野菜を大量に食するのがベトナムなど旧インドシナの鉄人。タイも同様に多種類の野菜を大量に食します。
野菜は最低でも4種類は同時に食します。上の写真は一人分.バナナの茎が主役
(写真左:プノンペン:カンボジア)(写真右:ダラット:ベトナム)
(参考)
ヴェトナムの蓮(はす)食文化は不眠症、消化器疾患に著効

https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=266


(参考)Cruciferous Vegetables(アブラナ科野菜)
ライナス(リーナス)・ポーリング研究所(the Linus Pauling Institute)

Cruciferous vegetables are unique in that they are rich sources of sulfur-containing compounds known as glucosinolates
Cruciferous or Brassica vegetables come from plants in the family known to botanists and biologists as Cruciferae or alternately, Brassicaceae. The Brassicaceae family, which includes the model plant Arabidopsis thaliana, comprises approximately 375 genera and over 3,000 species
The biological activities of glucosinolate-derived isothiocyanates and indole-3-carbinol likely contribute to the potential health-promoting effects of cruciferous vegetables
 
CarotenoidsChlorophyllFiberFlavonoidsIndole-3-CarbinolIsothiocyanatesLignansPhytosterols、Sulfur bioactives (other than glucosinolates)
 

(参照)市販されている花料理本の一部紹介

 
  
 
改訂版:2023年10月 工事中

(広告)

https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28
レスベはフランス産の天然赤ブドウを原料に日本で初めて作られた
ブドウ・レスベラトロール・サプリメント.
最初のモデルの開発を始めてからすでに20年を超えました。
レスべのブドウ・レスベラトロールはイタドリ由来のものや、医薬品目的に
化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。
天然レスベは過剰摂取が不要ですから長期間摂取の安全性や慢性炎症を抑制する効能は
ブドウを食するのと同じです
ニューモデルは天然の赤ブドウが持つトランス型ブドウポリフェノールのスチルベノイドと
プテロスチルベン、ケルセチン、CoQ10、
最新の長寿補酵素ナイアシン(NAM,NAD+, NMNなどの総称)を配合し、
天然ブドウ同様の卓越した抗酸化能力を保持しています.
世界でホットな話題となっている、最も先端的な健康長寿のコンビネーションです.


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