食在亜細亜:アジアの生鮮食材
タイの健康野菜を探る(1):
スリムなタイ庶民の食事と食材:スリム美人量産国に肥満急増のなぜ
2014/02/13

                            野外で昼食をとる僧侶たちの主食は野菜、揚げもの盛り合わせ、
                            おそばが具材の鍋料理。
                            子供も成人も痩身ではありませんが締まった健康体。
                            白飯もしっかりと食べていました.
                                                  (サイヨーク:タイ西北部)



 


1.伝統的食生活と欧米式食生活が拮抗してきたタイの都市部
2.野菜王国タイは個人野菜消費量が世界一?
3.タイ伝統派のカジュアルな外食
4.伝統的タイ料理の中核はケーン(ゲーン)とお米
5.どこでも見ることができたタイのスリム美人たち
6.肥満を促進させた外資のファーストフード・チェーン
7.肥満促進の原料は植物性食用油
8.食生活変化の結果(成果?)が顕在化してきた街角



1.伝統食生活と欧米式食生活が拮抗してきたタイの都市部。
野菜と果物の摂取量は日本人の10倍?といわれ、スリム美人を量産してきたタイ。
世界が「スリムなタイ美人の秘密」が食生活にあることを知り、「タイ料理 」が
爆発時に広まっています。
タイ人は中国雲南省にルーツを持つといわれ、統一国家の建国は13世紀と比較的
新しい国。
強い体と信仰心で外敵の侵略を防ぐことができたために、独自の文化を築いてきました。
漸次ご紹介しますが、タイの伝統料理は非常に健康的。
野菜、果物の摂食量は世界一かもしれません。
あらゆる疾病の予防、新陳代謝に欠かせないのが植物性ポリフェノール。
ポリフェノールは新鮮な花や野菜、果物、樹木のシュート(若芽)、樹皮にたっぷり。
タイには伝統的にポリフェノール豊富な食材を使い、それを逃がさずに
調理する習慣があります。
いずこも同じですが、現在のタイは都市部で近代化が急速に進行しています。
それを無条件に受け入れる人、拒絶する人。
2013年から2014年にかけて続いているタイの政治的混乱に通ずる
食生活の混乱。
信仰心の強いタイで拝金主義はメジャーではなく、誰もが華美な生活を
望んでいるわけではありません。経済政策の難しさが透けて見えます。
伝統か?近代化推進か?
食生活においても老若男女、地方、貧富に関係なく、伝統派と欧米派が
拮抗しているように見え、伝統派はアジアではユニークな食文化を
かたくなに守っています。

移動屋台で売られる葉野菜の驚くほどのボリューム.
ビニール袋一杯が通常の1回購入量とは.
日本で100円から200円くらい
で売られる一束(袋)で30円くらい(バンコク下町)


タイの食文化は主食が米文化、副食が野菜文化といえます。
タイに平均身長や体重の統計があるわけではないので断定はできませんが、
2000年代前半までは、近代化しているバンコクなどの都心でも、肥満したタイ人を見ることが
比較的困難でした。
ところが2000年代後半になると急速なファースト・フード店の進出や欧米食習慣普及の害が
顕在化したのでしょう。
街中に肥満が増えてきている印象があり、関係者によれば、事実、脳卒中、心臓血管病が
増加。
明らかに世界保健機構(WHO)が懸念している
欧米式食用油文化の浸透がイコール不健康の増加につながっているようです。
タイの有識者や大学生にはこの兆候を憂い、伝統食習慣への回帰を
訴えている層もあるようです。

2.野菜王国タイは個人野菜消費量が世界一?

野菜王国タイには、異種、亜種を数えれば300種類を超える野菜があるそうです。
野生の山菜や樹木の若芽、花、蕾、種なども50種類は超えるでしょう。
バンコクでは卸、小売を対象としている野菜、果実市場が都心に大小いくつもあり、
24時間、どこかで商品を買うことができます。
タイ人の野菜、山菜、樹木菜、果実の豊富な摂取量は日本人の10倍とも推測でき、
同じく豊富な摂食量のヴェトナムを凌ぐ(しのぐ)でしょう。
香辛料がどこよりも豊富な食大国のインド、中国も野菜と果物の個人摂食量ではかないません。

「タイの伝統健康野菜3つの秘密:「花菜」「樹木菜」「極小野菜」http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=256

野菜の多くはサラダ、ミェンカム、ディップ、麺や米料理のトッピングでの生食か、
トムヤンなどのスープ類で食されるため、栄養分の流出の少ない合理的な摂取法。
レストランではオードブルとして供される生野菜類が、街では、無料で食べ放題の屋台が
多く見られます。


3.タイ伝統派のカジュアルな外食

<写真上)
トムヤンクン、空芯菜の炒め物.大根と鶏のスープ.大小の魚フライ.
キャベツ中心の野菜サラダを
4人で分け合っていました。印象的だったのはスープが2種類あったこと.
トムヤンの位置づけは?(バンコク)


(写真上)
ケーン屋さんの食事は好みの一皿に、もやしが主体の野菜炒め、キノコのスープ、
生キャベツといんげん.魚切り身の揚げ物などを分け合っていました.(バンコク)


(写真上)
各種揚げパン類を生野菜で食べさせる屋台.
油脂分豊富な料理が多い地方のバランス調整に最適なスナック(チェンマイ)


(写真上)
ラーメン屋さんのトッピング野菜.これがタイでは最低限の種類と量という感じのお店.
(カンチャナブリ)


(写真上)
ケーン屋さんは食べ放題のトッピングが豊富.(チェンマイ)

 

(写真上)
お店で売られている伝統的なお惣菜料理に肥満化の原因は見当たりません。
(バンコク、チェンマイ)


4.伝統的タイ料理の中核はケーン(ゲーン)とお米
米文化、ケーン文化は栄養豊富な健康食文化。伝統的タイ料理の中核を成します。

(写真上)
ケーン(ゲーン)の種類の多さに圧倒されます.
汁物(スープ)はどこの国でも健康食のチャンピオンでしょう.


(写真上)
ケーン・ペーストの量り売り。グリーン、レッド、イェローなど基本的な
カレー以外にも様々なスープペーストのバリエーションがある。


(写真上)
米文化大国のお米屋さんは品揃えが豊富.
(一部は豆類)

(写真上)
豊富なお米料理のバリエーション.豆、米パスタ類との炊き合わせが多いようです.


(写真上)
左はおにぎりともち米の粽(ちまき)(バンコク).右は粽の専門屋台.(チェンマイ)


(写真上)
伝統のケーン屋台はタイ国民の大好物.どこの街にもあります.(チェンマイ)


(写真上)
近代的ショッピングビル内のケーン屋さん.
トッピング(手前の白い野菜はバナナの茎)の野菜類が多種、大量に置かれている。(チェンマイ)

「スリムなタイ庶民は生野菜のミェンカムとトッピングを欠かさない」http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=444



(写真上)
魚のすり身揚げ(トート・マン・プラーとトート・マン・クン).
さつま揚げは伝統的に食されてきたタイ人の好物.
永い歴史がありますから、この程度の揚げ物が肥満の原因とは思えません.
プラーは魚.クンはエビ.


5.どこでも観ることができたタイのスリム美人たち


6.肥満を促進させた外資のファーストフード・チェーン
肥満急増の元凶とみられているトランス脂肪酸豊富なファーストフード。
米国でも不健康外食産業としての指摘が多い。


アジアの外資系ファースト・フードは決して安くはありません.同様メニューならば屋台料理の倍以上。
庶民レストランよりも同じようなもので数割は高いメニューもありますから、貧困から選択するのではなく、
若者はファッションと捉えているようです

7.肥満促進の原料は植物性食用油
WHOに指摘されるまでもなくガンや心筋梗塞、脳卒中の原因は食生活における脂肪酸バランスの悪化。
オメガ6(リノール酸)の過剰摂取が肥満と動脈硬化を促進し健康を害します。


(写真上)
揚げ物もトートxxxと呼ばれる伝統的な調理法が物足りないのか、
より大量に食用油を使用する素材や調理法(欧米のディープフライ)に変わってきたようです。


(写真上)
伝統食と欧米食愛好家が拮抗する現在を
象徴する3様の肥満度(黒、紺、ピンク)(バンコク)


見事というべきか、あきれるというべきか驚くほど大量、多品種の植物性食用油。
 
健康志向の人も多いのでしょう。米ぬか油(左右の写真)も特別コーナーで相当量が売られています。

このように大量の植物性食用油脂の棚を日本で見ることはないでしょう.
原料植物の種類も豊富ですが主力はリノール酸(オメガ6)が多い品種の
大豆、紅花、コーン.価格が安いからです。
マレーシア隣国のお国柄で飽和脂肪酸のパーム・オイルも.(カンチャナブリ)


食習慣と肥満は切っても切れない縁.売り子にも
買い手にも肥満が進行しています。

8.食生活変化の結果(成果?)が顕在化してきた街角
下記の写真群はタイ都市部のスナップですが、マレーシアでは普通の光景。
マレーシア国民が総肥満というべき状況の何故は野菜畑の不足と禁酒。
指導者たちは経済優先志向が強く、需要が多い「あぶらやし」の増産に励み
農地や耕作可能な土地はほとんどが「あぶらやし」畑に転換。
パームオイルの増産イコール肥満国民増産です。
世界でも稀な野菜食の伝統文化を持つタイが、その価値ある健康食生活を大きく変えて良いのでしょうか。




食生活欧米派の成果を観ていると「人のふり見て我が振り直せ」が実感でした。

(生鮮食材研究家:しらす・さぶろう)

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http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=189


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