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1010続報 海産毒が世界を救う(2) モルヒネを凌ぐ新鎮痛薬の開発に成功?
エラン社、プリアート(プリアルト)Prialt を 本年中に発売か?
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2004年1月13日(火)
2004年1月7日にアイルランド(Dublin, Ireland)のエラン社Elan Corporationは強力鎮痛剤ジコノチドZiconotide、の最終となる第三期臨床治験(Phase III trial)が成功裏に進んでいると発表しました。認可次第では、本年中の発売も予定されているそうです。
ジコノチドはイモ貝に由来する毒素コノトキシンより開発しています。
商品名はプリアート(プリアルト)Prialt と名付けられていますが、進行癌や帯状疱疹(ヘルペス)など、モルヒネや消炎鎮痛薬などが効きにくい、激痛に対応する新薬として大きな期待がもたれています。
この発表を受けてニューヨーク証券取引所に上場されている、エラン社の株式は約10数パーセント上昇しました。(注)
販売予想額は、初年度が2,000万ドルの予定ですが、2007年までには18,300万ドルが予想できるとのことです。
(注)
神経系統の新薬を開発するエラン社の評価はいまだに低いため、ニューヨーク証券取引所のエラン社株式は1月5日高値7.33ドル、1月8日高値8.4ドルです。
売上は増大しており2003年12月末の9ヶ月決算では7,760万ドル$77.6 millionでした。 (前年同期は5400万ドル $54 million)
イモ貝、コノトキシン、イオンチャネルなどについてはHP海産毒が世界を救う(1)を参照してください。
*************** 解説)************************
コノトキシンconotoxinはこれまでに三つのタイプ(α-, μ-, ω-)が発見されており、それぞれが作用する細胞部位が異なるといわれます。
一般的なω-コノトキシンは、痛覚の神経伝達物質チャネルといわれるN型カルシュームチャネルを阻害します(下記イオンチャネル参照)が、ω-コノトキシンにも、いくつかのタイプがあり、ω-コノトキシンTxVIIと呼ばれるL型カルシュームチャネルの活性阻害物質もあります。
エラン社は、特にこのTxVII タイプを開発しているといわれています。ω-コノトキシンTxVIIは、他のタイプよりも高いタンパク質の疎水性とマイナスの電荷(陰電荷)を持ちます。
最近は成人病の対策にこの分野の研究が進展しており「新規海洋由来生理活性物質ペトロシノールのL型カルシウムチャネル阻害作用。 澤村 薫」など、研究者の発表も増えています。
バイエルBayer Corpより発売されているアダラートAdalat(成分名ニフェディピンnifedipine)は L型カルシウムチャネル阻害薬で、心筋梗塞治療などに使用されています。
イオンチャネル(ion-channel)
イオンチャネルは細胞膜を透過するイオンの選択性によりナトリウムチャネル(Na +)、カルシュウム(Ca2+)チャネル(Ca2+)等に分類されますが、この他にもカリウムイオンチャネルpotasium channel)、塩素イオンチャネル( chloride channel)というチャネルがあります。
ナトリウムチャネル(sodium channel)は神経や筋肉の細胞膜に存在し、主として電位差により、細胞内外のナトリウムイオンがこの孔を透過することで、神経や筋肉に興奮性の刺激を伝えます。
神経毒neurotoxinsは、このチャネルを塞ぐことにより、細胞組織を麻痺させるため、中毒症状をおこします。カルシウムチャネルには、L、N、P/Q型などの3種類が発見されており、それぞれ活性が異なります。
L型カルシウムチャネルは電位依存性を持ち、カルシウムが流入することにより血管の平滑筋収縮を起こします。
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