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0910世界を揺るがすTHGドーピング事件(4)
アナボリック・ステロイドの種類
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2003年11月17日(月)
最近のアスリートの世界では、ドーピングといえば、運動能力を高め、筋肉を急速に増強するアナボリック・ステロイド(注1)が主役です。世界中で医薬品、サプリメントなど、多数の経口薬、注射薬が発売されています。 日本でも、ドーピング検査のないレベルのアマ・スポーツなどでは、英米などから代行輸入される、経口蛋白同化ステロイドなどを使用する選手がいるようです。
アナボリック・ステロイドはステロイドホルモンの前躯体を中心に、次々とデザイン(合成)されましたが、一説によるとその数は数千を超えると言われています。話題となっている、テトラハイドロゲストリノン Tetrahydrogestrinone(THG)はその中でも、最も新しい成分の一つでした。
THGドーピング事件は現在も、プロ、アマの各スポーツ界で保存検体の調査を進めていますが、陸上競技のチェンバーDwain Chambersは二次検体も陽性だったようです。 11月8日にはワールドカップ女子バレーでも、ドミニカの選手にアナボリック・ステロイドの陽性反応が出ています。
注1)男性ホルモン作用蛋白同化ステロイド(アンドロジェニック・アナボリック・ステロイドandrogenic anabolic steroids)通称アナボリック・ステロイド
<アナボリック・ステロイドの生成>
分子構造の骨格から大別するとステロイドホルモンは3種に分けられますが、代表的なものが、男性ホルモンのアンドロゲンandrogens(アンドロステンジオンandrostenedioneとテストステロンteststerone)です(注2)。
アンドロゲンの生成過程には下記の経路等があります。
- コレステロールから
→プレグネノロンpregnenolone →プロゲステロンprogesterone →17-ヒドロキシプロゲステロンhydroxyprogesteroneという3つの女性ホルモン(黄体ホルモン)を経て →アンドロステンジオンandrostenedioneに至り、そこから →テストステロンTeststerone androsteroneが生成される経路。
- プレグネノロンpregnenolone→17α−ヒドロキシプレグネノロンhydroxypregnenolon
→デヒドロエピアンドステロンdehydroepiandstrone、 →アンドロステンジオールandrostenediol →テストステロンteststeroneという経路。
注2)アンドロゲンandrogens
ホルモンにはコレステロールが原料になったものと、アミノ酸が原料になったものの2種類がありますが、男性ホルモンのアンドロゲンandrogensはコレステロールが原料になったステロイドホルモンと呼ばれる物質に属し、約95%を占めると言われるテストステロンteststeroneとその前駆体のアンドロステンジオンandrostenedioneが代表的なものです。アナボリック・ステロイドに分類される物質には、コレステロールから男性ホルモンのテストステロン生成に至るまでの前駆体であるプロホルモンが含まれます。
<経口蛋白同化ステロイドの種類>
下記は市販されている代表的な経口アナボリック・ステロイドの成分名と、括弧内が商品名です。アナボリック・ステロイドは副作用が顕著といわれ、医師の処方なしに使用することは危険です。
oxymetholone (Anadrol) オキシメステロン |
最強の筋肉増強剤として最も利用されているが、副作用も最も強いといわれている。ノルヴァデックスNolvadex (製造会社ゼネカZeneca) 成分名タモキシフェン(tamoxifen citrate)という抗エストロゲン剤(nonsteroidal anti-estrogen)と併用すれば安全と宣伝されていますが、現在までの研究では安全性が確認出来ておりません。今後数十年の人体投与の歴史で判定するしかありません。 |
boldenone undecylonate (Boldenon QV 200) ボルデノン | |
dehydrochlormethyl-testosterone (Turnibol) デヒドロクロルメチルテストステロン | |
ethlestrenol(Maxibolin) エチルエストレノール | |
metandienone (Dianabol) メタンジエノン | |
methyltestosterone (Android) メチルテストステロン | 強壮剤やドリンク剤に配合されることがある。 |
methandrostenolone(Dianabol) メタンドロステノロン | |
mesterolone(Proviron) メステロロン | |
nandrolone phenpropionate (Durabolin) ナンドロロン | 2001年の世界陸上でドーピングの陽性反応が伝えられたマリーン・オッティが使ったとされた。 |
oxandrolone (Oxandrin) (Anavar) オキサンドロロン | |
stanozolol (Winstrol) スタノゾロ−ル | ベン・ジョンソンBen Johnsonが使用したと言われている。セタボンCetabonという商品も著名。 |
trenbolone acetate、19-nortestosterone(Finajet) トレンボロン | THGが合成された成分の一つ。 |
testosterone cypionate テストステロン(Testola, Testo) | |
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