|
|
2003年6月10日ニュース
|
明暗分けた北アメリカ大陸の中国人社会
カナダはアジア圏を除くと唯一、SARS(サーズ/サーズ)死者の多発国で、いまだに終息宣言が出せませんが、米国では死者が一人も出ていません。
カナダは6月6日現在、SARS(サーズ/サーズ)感染の疑いがある患者219人、死者31人を記録しています。
米国、カナダの大都市には中国系移民が多数在住しているため、汚染中心地と地理的な距離が遠いにかかわらず、感染拡大の下地がありました。北米大陸の中国系移民は、中国の外貨事情好転と政治環境の変化により、最近では本国との往来が頻繁になっています。 このような環境のもとで、米国のみが原因不明であった感染症を防御できたのは、偶然と、幸運ではありません。 行政当局の感染症に対する関心の度合い、危機感の相違が、結果を左右したといえます。
米国はアルカイダやイラクの微生物テロ対策に万全を期しており、微生物に対して危機感を持っています。 このことが幸運であったともいわれていますが、そればかりではありません。 従来から米国厚生省(the Department of Health and Human Services.)の部門(agency)であるCDC(the Centers for Disease Control and Prevention)などの感染症に対する国際的な情報収集、防疫体制、広報体制は非常に充実しています。 CDCはDr. Julie L. Gerberding所長を中心にSARSが広東省で発現した初期段階から、情報収集、調査、研究に世界的なリーダーシップを発揮しました。
いずれにせよ、中国からのSARS(サーズ/サーズ)感染拡大は、北米大陸の両国ばかりではなく、世界の防疫体制に新たな問題提起をしたといえます。 中国系移民が世界人口の10数%を超える時代には、中国大陸での風土病、疫病、変異ウィルスなどが、国際的に感染拡大する可能性が高いことが、SARS(サーズ/サーズ)によって明らかになったといえるからです。
解説
中国系移民の歴史が古い北米大陸主要都市では、近年の台湾、中国経済の急成長と、香港の中国返還を機に中国系移民が急増しています。 1980年代からは台湾系、1990年代からは中国本土系移民が急増していますが、いずれも富裕層のため、地域経済にも大きな影響を与えています。
すでにカナダでは中国人が、英系、フランス系に次ぐ第3の人種となっています。
オンタリオ州(トロントなど)には第2位のフランス人(4.30%)に迫る約45万人(3.58%)、ブリティッシュコロンビア州(バンクーバーなど)では英国系(73.04%)に次いで、第2位の約30万人(7.96%)が在住します。
SARSの統計は人種別には発表されませんから、カナダの感染者、死者の人種別明細はわかりませんが、SARS(サーズ/サーズ)はトロントを中心に拡大しました。都市部に中国系住民が集中していることと(トロントでは総人口の16%くらい)、SARS(サーズ/サーズ)汚染の関連が深いことは否定できません。
一方、米国では黒人やヒスパニックには人種別人口順位で劣りますが、総数約1,600,000人、カリフォルニア州だけで約710,000人の中国人が在住しています。 ニューヨーク市(361,531人、2000年)と90年代に入り10万人以上が急増したサンフランシスコ(460,000人、1998年推定)がその中心都市です。[an error occurred while processing this directive]
サプリメント
|
|