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2003年6月6日ニュース
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環境汚染で脳神経がおかされる! 妊婦は特に要注意!
厚生労働省は平成15年6月3日(火)に開催された部会において、 マグロ、カジキなど大型の魚類に蓄積された水銀が胎児の神経機能に与える影響を無視できないとする警告を出しました。 日本では水銀中毒症は水俣病(注1)が知られていますが、米国では2年ほど以前より、FDAやCDCにより、さめ、鯨、マグロ、カジキ,サワラ、鱸など大型魚類への水銀蓄積が問題となり、その摂取の危険性が指摘されていました。 CDCによれば妊娠適齢期女性の8%位は、血中水銀濃度が危険水準だそうです。 それ以来、日本のツナ缶詰など水産加工品などが元凶扱いされるようになりましたが、妊婦の欝を解消するオメガ3の有用性を説く学者(注2)、水産業者などの反論やロビー活動もあり、両者の議論は絶えていません。 寿命の長い、大型の魚類に蓄積された水銀が人体に悪影響を及ぼすことには多くの調査研究があります。 現在の議論の中心は、「どのくらいが許容量か、何処に産する、どの種類の魚が危険か」ということでしょう。 今回の部会結論は、とりあえず妊婦は大型魚類の摂取回数を制限する必要があるというものです。何故この問題が再燃して、この時期に部会で採り上げられたのかは、真意がわかりませんが、小魚や貝類の内臓に多く含まれるダイオキシンと大型魚類に蓄積する水銀が人体に危険であることは明白であり、 その対策が食の安全確保上の見逃せない重要課題であることは間違いありません。
解説
水銀(Hg)は比重が水の約13.6倍の重金属です。常温では液体ですが、25度C以上で簡単に気化し、無臭ですので、食品経由で摂取しなくとも、大気よりの吸入と、皮膚からの吸収もあります。水銀は土壌や水中の微生物、魚のタンパク質などによってメチル水銀に変換されますが、メチル水銀や金属水銀は,他の形態の水銀と異なって細胞に吸収されやすく、脳細胞などを侵します。成人の場合は神経障害、吐き気、下痢など消化器官障害、脱毛、皮膚障害などが報告されていますが、特に危険なのが胎児と言われています。
妊娠中や出生後の母乳などを通じて胎児に移転された水銀は、神経を侵害して、知力障害、運動障害、視力障害をおこし、腎臓、消化器官にもダメージを与える可能性が指摘されています。
水銀は、苛性ソーダ(コースティックソーダ)の生産、医薬品、化粧品、サーモスタットなどエレクトロニクス部品、血圧計など医療機器、歯科の詰め物、電池、蛍光灯など幅広い用途があります。硫黄酸化物や窒素酸化物を取り込んだ酸性雨がこれらの廃棄物や土壌から水銀を溶かしだし、河川、地下水に流出させますが、海にはプランクトンから始まる食物連鎖がありますので、大型の魚にたどり着くころには水銀が大幅に濃縮されて蓄積しています。
対策
米国FDAの昨年7月の報告では、一部大型魚類に水銀中毒の危険性があるという指摘と同時に、心臓病などへの有用性から魚類摂取の重要性を認めており、摂取方法に配慮することを求めています。
米国FDAと日本人学者による「水銀中毒を防ぐための魚の食べ方」を纏めてみました。
- 魚の重量に対し水銀量が百万分の一くらいの魚類なら安全圏ということです。
- 大型の魚は摂取量を週に350グラムくらいにすることが推奨されています。また妊婦や若い女性は摂取魚種を豊富にすることが、特に推奨されています。米国では魚を寿司、刺身などで常食する富裕層や東洋人に食べ過ぎの危険があるといわれています。
- 体重と蓄積量は相関しますから、子供や小柄な人は特に摂取量を減ずる必要があります。
- 妊娠適齢期の方々は、大型の魚の皮、脂が多い部分(例えばとろ)、血合いなどは避けたほうが無難です。
- 調理法としてはフライよりも焼き魚が推奨されています(水銀は加熱で気化スピードが速まります)。
- 一般的にも、バラエティーのある魚類の摂取が推奨されています。まだ調査が不十分という説もありますが、カツオ、アジ類、さけ、いか、帆立貝からの過剰量検出は報告されていません。えび、カニ類も内臓を除いて過剰量の検出はされていません。ただしダイオキシンの危険性もありますから、魚介類の内蔵摂取は避けたほうが無難です。
- 高血圧、視力低下、動脈硬化、心筋梗塞等で、魚油のDHA/EPAを大量に摂取する必要のある場合は、残留ダイオキシンや水銀をチェックしたサプリメントで補うのが良いでしょう。
注1)水俣病
約半世紀前に熊本県の水俣湾周辺市町村で原因不明の神経疾患が流行しましたが、周辺の魚介類より大量の水銀が検出されたことにより、当初より公害による水銀中毒が疑われていました。1956年ごろになり、地域住民は、水銀中毒が近在の大手化学工場(チッソ)から排出されるメチル水銀化合物の公害と確信するに至りました。この水銀中毒は水俣病と呼ばれ、以来、数千人の被害者が当該会社、国、県などを対象として数々の訴訟を起こしました。訴訟は30年以上継続し、最近になり、最後の訴訟が結審しています。
注2)
米国では魚を週2−3回摂取する妊婦はそれ以下の妊婦より欝発生リスクが半減したという研究報告が国立環境衛生科学研究所に提出されています。この研究は心理学者の Dr. Joseph R. Hibbeln.が11,721人の英国国籍婦人を対象として調査したものです。調査研究は三ヶ月間にわたり、オメガ3サプリメントを使用して行われました。
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サプリメント
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