ボスウェリアの解説
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乃木生薬研究所
研究開発部門のコラム

世界の食材に焦点を置いた
グルメガイド。

ボスウェリア Boswellia serrata

ボスウェリア Boswellia serrata

Boswellia Roxb. ex Colebr.属 カンラン科BURSERACEAE 
和名:乳香樹
アラビア俗名 サライグッガルsalai guggal


ボスウェリア属の木は種類により微妙に香りや成分が異なりますが、いずれもフランキンセンスFrankincense(現地名オリバナムOlibanum)(和名、乳香)と呼ばれる樹脂(fragrant oleo-gum-resins)を産出します。
フランキンセンスは木の幹を傷つけて得られる乳液状の液体が硬化した樹脂です。この種の樹脂は、植物が菌に対する防衛作用や自浄作用のために産出するものです。

この樹脂を香呂で焚いたアロマは伝統的に、中近東やインドの寺院などの祭壇、公共施設、レストランなどで、儀式や除虫、除菌に広く利用されています。また蒸留抽出によって得られたピネンpinene(注)を主成分とする精油は医薬品、化粧品、アロマテラピーに利用します。ボスウェリア属の乳香の主成分としてはピネンpinene類、ボスウェリア酸boswellic acid 、olibanoresene 、boswellidinic acid などが分類、命名されていますが、アーユルヴェーダ医療、漢方では抗菌を目的に使用されています。

注)-------
ピネン類
からは、いくつもの成分が分析されていますが、アルファピネンが主成分です。 アルファピネンα-Pinene C10H16  2,6,6-Trimethylbicyclo[3.1.1]hept-2-ene 揮発性物質で引火点が32度Cと低いため、危険物に指定されている。松の樹脂の主成分であることから松pineにちなんで命名されている。
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ボスウェリアの生理作用

アスピリンなど非ステロイド系消炎鎮痛剤(NASIDS)の作用とは異なり、ボスウェリアは白血球エラスターゼと大豆や穀類のアレルゲンであるアラキドン酸系リポキシゲナーゼを二重に阻害することで抗炎症作用を発揮するといわれます。したがって、胃を守るシクロオキシゲナーゼを阻害せず、摂食した場合も胃腸を壊すことがないといいます。


ボスウェリアの歴史

フランキンセンスは紀元前10世紀頃にはすでに使用されていたといいます。発祥地には諸説がありますが、イエメンYemenといわれ(種類はBoswellia carterii )、現在ではオマーンOmanでBoswellia sacra種の良質なフランキンセンスが収穫されています。 品種・等級は基本的な琥珀色したものより、青みがかったものが上等とされて、非常に高価です。


代表的なBoswellia属 Boswellia Roxb.

ボスウェリア属Boswellia Roxb. ex Colebr.には16属あり、大木から潅木まで500を超える種類があります。
  • Boswellia serrata ボスウェリアセラータ(India) 
    インドの西部から中央部に見られる木 
    インドでの呼び名「Luban, Salai (ベンガルBengali)」; Indian olibanum tree (イギリスEnglish); Salai, Saler, Salga, Salhe, Sali (ヒンズーHindi); Gugulu, Kundrikam, Kungli, Moranda (タミールTamil); インド、スリランカのアーユルヴェーダ医学で長い歴史をもつ。3〜9gから最高15gまで使用される。
  • Boswellia carterii ボスウェリアカルテリ(Yemen、Somalia) 
    Boswellia glabraとも呼ばれる。アラビア半島、中近東で日常的にアロマを漂わせる代表的な品種。 
  • Boswellia sacra (Oman)
  • Boswellia papyrifera (Ethiopia)
      米国ではelephant treeと呼ばれている。
  • Bursera Jacq.
  • Boswellia frereana Birdw.別名Canarium L.(elemi frankincense)
    アロマテラピーではエレミエッセンシャルオイルと呼ばれ、抗菌などを目的に薫香する。モノテルペン炭化水素のβ?フェランドレンα-phellandreneが主成分。β?フェランドレンはオリーブなどにも比較的多く含有する。
  • Commiphora Jacq コミフォラ
    低木で没薬樹(もつやくじゅ、myrrha)と呼ばれる。北アフリカからアラビア半島に産出する赤褐色の樹脂(resin)ミルラは、樹脂と含油樹脂(balsam)と精油(myrrhol)の混合物で、焚香料としても使われるが、香膏や香油をつくる賦香料として使われるようになり、現代の化粧料のルーツと言われる。ミルラはイギリスでは現在でも口内炎などに使用されている。
  • Protium heptaphyllum Marchand  Brazilian elemi. ブラジルのエレミ

 

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