ロハスケ!

第九話 お刺身

2006年09月08日 09:00
ケン幸田氏のカナダ便り
(食のよもやま話)

http://www.botanical.jp/libraries/weekly/archives/upload/2006/09/DSCF0015%20%282%29-thumb.JPG

今年の夏の米国では西海岸を中心に生の蛤(はまぐり)、牡蠣(かき)による中毒が
多発し、生の海産物を食べることが出来なくなっています。西海岸に住む、和食好き
の幸田さんにはつらい夏だったでしょう。

日本人は島国の利点を生かし、海産物を生食する伝統と文化を持ちます。

食中毒の発生は少ない方ですが、それだけに免疫力が弱く、一旦食中毒にかかると重
症になります。暑さも峠を越したようですが、これからも食中毒には気をつけたいも
のです。食中毒の予防に、お刺身には、わさびやしょうがを大量に使用することをお
奨めします。(王壮快)


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“刺身・お造り・洗い・たたき”は生魚の和風料理ですが、呼び分けには謂れがあり
ます。

刺身やお造りは元々「なます料理」から分れた同じもので、魚の切り身に大根とニン
ジンの千切りを添えて、ワサビ酢、生姜酢、タデ酢をつけて食べていたもので、関東
武家が「切り身」の言葉を嫌って、「刺身」と呼んだのに対し、関西の町民は「刺
し」と言う言葉も嫌い、さらに、魚の原型そのままでなく、キチンと手をかけて料理
してあるとの意味合いを強めて「お造り」と呼んだのが違いです。

ワサビ醤油で食べ始めたのは、江戸時代末期からです。

“魚の洗い”は、白身魚(タイ・スズキ・コイなど)を生けしめにして、手早く、
そぎ切りにしたものを氷水に浸けることで脂肪分を取り,身を引き締め、歯ごたえ良
く独特の旨味を得る料理ですが、ただ単に冷やした刺身と、根本的に味も風味も違う
のは、魚の身の化学変化に原因があるのです。

魚は死んだ後、糖の分解や、乳酸の生成などで、アルカリ性から酸性に変わります。
この時、筋肉の蛋白質同士が堅く結合します。つまり「死後硬直」に入った魚は、旨
味成分イノシン酸が極大となり、美味しさのピークに達するのです。「洗い」の手法
によらないと、硬直が解除されるに応じて、蛋白質の分解が促進され、味も低下して
行くのです

タタキには、2種類の調理法が有り、まず土佐料理で有名な「カツオのたたき」は、
鰹の身の表面をサット焼き、その後調味料をつけて良く染み込ませる為「手で叩い
た」家庭料理が残った名称で、次に「アジやイワシのたたき」は、元来、沖の船の上
で猟師が、採れ立ての魚を骨ごと、包丁でゴトゴト叩いて身を細かくして、調味料を
つけて食べたことに由来しますから、「叩き方」の違いがあったのです。(ケン幸
田)

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