近年では蚊が媒介するウエストナイルウィルス、チクングンヤ(チクングニア)が
米国、欧州などの温帯地方にも蔓延し、社会問題化しています。
日本では蚊のシーズン最盛期ですが、
ケン幸田さんによれば、
この厄介な昆虫も中国では珍味となっているそうです。
蚊のよもやま話と共にお楽しみください(王壮快)。
カナダ便り 食のよもやま話 第六話 蚊は珍味

“蚊の眼球スープ”と言えば、超高級四川料理や本場広東料理の珍味にして、あのコリコリした歯ごたえや香ばしさは、珍味中の、まさに「目玉」ですが、材料調達の限界からしても、普段は中々口に出来ません。
手先の器用な中華料理のコックが、あの小さな蚊から更に微小なメダマをどうやって取り出すのか?
秘伝は意外にも「コウモリの巣窟」にありました。
コウモリは多量に蚊を食べますが、キチン質の硬い物質の眼球だけは、消化されずフンとして排出されます。材調達の秘伝とは、何とコウモリの排出物の中から取り出す事にあったのです。
ところで“蚊”は、どうして人や獣を刺すのか?
種の保存の為、つまりメスが卵を産む時だそうで、
餌を求めて必死に飛び回るブーンという羽音を頼りにオスがやって来て、
たっぷり血を吸ったメスと交尾するという訳です。
ここカナダでは、大平原に湖沼の多いマニトバ州の蚊が世界一巨大な姿で
(アメリカの蚊が日本の蚊の二倍、さらにその2~3倍大きい)高名で、
何と「リトル ヘリコプター」というニックネームで呼ばれています。
蚊が人を刺せるのは、上唇と下唇の二つのクチバシの精密構造にあります。
まず蚊が人肌に下唇を当てると、
その中に含まれているキリの役目をする毛が肌に傷をつけます。
それから上唇が深く刺さり、(下唇は後ろへ、たわんでそれをサポートする)
血を吸うことが出来るのです。
人の血は体外へ出ると固まる性質がありますが、
蚊のツバには、血を固まらせない成分が含まれている為、
その問題も解決されているようです。
ところで、蚊に刺されてもすぐに分らないのは、
刺した途端に蚊が麻酔のようなものを出して、
刺した相手にすぐ築かれないよう万全の手段を講じていると言うから、驚きです。
しかも蚊が血を吸い終わると同時に、血液を溶かす物質も再吸収されるので、
本来人には不快感も余り残らない筈です。
然しながら、たいてい蚊が血を吸っている途中に気がついて、
「こんちくしょう」とばかりに叩き潰したりしてしまうと、
上記後半のプロセスを経ないため、血液中に抗体が残ったままとなり、
此れが「かゆみ」として感じられるのです。
かゆみの正体は、
皮膚のすぐ内側の小さな袋が破れて出てくる
「ヒスタミン」という成分です。
痒い時に激しくかきむしると、益々かゆみがひどくなるのは、
ヒスタミンの袋が多数破られて、大量のヒスタミンが出てしまうからです。
因みに蚊に食われて痒いのも、
日焼けして痒いのも、全く同じ理由によるものです(ケン幸田)。