湿気が多く暑い日が続きます。ビールの美味しい季節ですが、カナダよりビールとお
酒の話が届きました。植物で作る酒類ですが、今回は食のよもやま話としてお届けし
ます。イメージ写真は夏に急成長するホップの毬花です。
カナダ便り
食のよもやま話 第二話 ビールとお酒
“ビール”は、元々は5千年前の古代エジプトで製造され、ファラオの側臣たちに給
料代わりに振舞われた(中世欧州での給料だった「塩」が「サラリーマン」の語源な
ら、古代の日給取りは、差詰「ビールマン」と呼ぶべき?)そうですが、やがて西欧
諸国で、近世にかけて醸造法が洗練され、現代の各種ビールに行き着いたようです。
ビール酵母でアルコール発酵させ、熟成したものにホップを加えたものを「生ビー
ル」と言い、樽詰めにしますが、この樽から注ぎ出すのが「ドラフトビール」と呼ば
れます(ドラフトとは、「引っ張り出す」の意)。このままでは、長期保存が出来な
いので、低温殺菌してビンや缶に詰められたものを、「ラガービール」と言うようで
す(ラガーとは、「貯蔵する」の意)。さらに、ビールは原料の麦芽を作るとき、特
に褐色に焦がした麦芽を混ぜてホップの量を少なくして苦味を減らし、匂いを強くし
甘味を持たせた濃色ビールとこれに対して苦味の強い色の淡い淡色ビールとに大別で
きます。前者で有名なのは、ドイツのミュンヘンビール、英国のスタウトなどがあ
り、後者の代表例はチェコのピルゼン(ピルスナー)ビール、英国のエール、ベル
ギーやオランダのビール等があります。
“日本酒やワインなど果実酒”も醸造酒ですが、酵母にアルコールを多量に含ませて
強い酒を造ろうとしても限度があり、日本酒でせいぜい20度、ワインで18度位が
限界だそうです。どんなに沢山の糖分があっても、酵母がそれをアルコールに変える
増殖活動はある一定量のアルコール量に達すると止まってしまいます。これは、自分
で造ったアルコールで、自らが殺菌されてしまうというおかしな事が起きる為です。
一方蒸留酒の場合は、ウィスキーや焼酎、ブランデーなど40度以上のアルコール濃
度が得られます。水の沸点は100度ですが、アルコールの沸点は78.5度。です
から、その間の温度にすれば、アルコールはドンドン蒸発して行きますので、アル
コールだけを集めることが出来ると言うわけです。
“酒のチャンポン呑み”は悪酔いの元です。アルコール濃度の違った酒を呑むと、肝
臓は夫々の分解に適応する酵素の濃度を変えるのに、大なる負担を強いられます。ま
た、各種の酒には、夫々違った有機物質が含まれており、チャンポンするとそれが数
百種にもなり、肝臓を含むすべての消化器や脳、神経細胞は、これらを解毒したり、
他の有用な物質に変えたりするのにフル回転を余儀なくされるので、体には最悪の状
態となります。なお、肝臓の防衛ならびに修復効果のある栄養素は蛋白質とビタミン
B1ですから、痛飲する時は、この両方をたっぷり含む豚肉料理をたっぷりと食べて
おくことが、大切です(ケン幸田)