ロハスケ!

第六話その1--森林破壊と森林国日本

2006年06月14日 07:33
ケン幸田氏のカナダ便り
(植物よもやま話)

ケン幸田さんは針葉樹王国のカナダで住宅関連の仕事をしていますが、職業柄、森林の重要さを実感されています。
世界の人口増と共に南米、アジア、アフリカで進む森林破壊も、本はといえばヨーロッパの民族が広めた手法だといわれます。日本民族は国土の60%を占める豊かな森林を持ち、山林と共生しています。これからも外国の悪影響を受けずに、森林を守り続けることを期待したいものです。イメージの写真は、山林と共生する一般的な日本の郊外風景です。(森にまつわる話は3回に分けてお届けします)


植物のよもやま話。第六話その1

森林の歴史は人類史”と言われますが、
確かに人口増と戦争や産業革命による
エネルギー消費増加に対して反比例するように、
地上から加速度的に森林が消えて行ったのは、
歴史の証明する通りです。

有史、西暦1年の世界人口は推定2億5千万人、
そして倍の5億人になるまで1600年かかりましたが、
科学技術の急速な発達と共に、人口増は加速され、
次の2百年、すなわち1800年には、
更なる倍増の10億人に達し、
次に20億人と倍増したのは、
120年後の1920年、
第2次世界大戦後はさらに爆発的な加速がかかり、
30億(1960)40億(1974)50億(1987)と増え、
そして今や60億突破、
恐らく2025年頃には100億人に達するのではと言われております。

膨大な人口増加に対応する農地確保、家畜の移動放牧、
燃料や住宅確保の為、
人類は森を犠牲にしてきました。

さらに戦争ともなると、武器を作る為、
大量の木材から木炭を得て、
青銅加工、製鉄に励みました。

11世紀中国の州知事で詩人だった人が、
製鉄による森林破壊を嘆く詩を残しています。
また帆船による海戦や交易の為の造船に森林破壊が進みました。
因みに17世紀スペイン無敵艦隊の標準艦船一隻に
樫の木を千本も要したようです。

18世紀後半、産業革命のイギリスは
さらに激しく森林破壊を加速させて行きました。
アフリカ、中東、アジア、欧州など
古い文明地に禿山や砂漠が多いのは、
焼畑農業や木材のエネルギー転用を繰り返しながら、
植林、造林を怠った為とされています。
今日ドイツやイギリスの森は人口的に再生された造林ばかりです。
因みに新たな森を求めて北上して行った欧州人の末裔が
海を渡って進出してきた新大陸の中南米やアメリカ、
カナダでも森林破壊の悪癖を止めそうもないのが、気がかりです。

“森林国日本”は、国土の60%が森に覆われており、
これは先進国の中ではダントツの数字です。
古来日本人も木を切って来ましたが、
森や木を「自然神」としてあがめてきた信仰心と山林再生のノウハウ、
植林や二次造林の努力の積み重ねにより、
森の破壊を免れて来たとされています。
そして幸運にも、
「温暖高湿多雨」の気候が木の成長を助けてくれました。
さらに、日本の山の傾斜がきつくて、
畑に転用されにくかったこと、
水田稲作と恵まれた海での漁業中心の生活で、
放牧家畜に頼らなかった為、
森の再生を妨げることも少なかったようです。
因みに、今や世界で国土の60%の森林を持つのは、
他にアマゾン大原生林を持つブラジルだけです。
そのアマゾンも16世紀まで全種族計数百万人も居たインディオが、
近代文明の自然破壊の犠牲から90余の種族を失い、
今や十万人を切ってしまいました。
もう一つの地球環境問題でもあります(ケン幸田)。

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