ロハスケ!

第五話その1--サボテン、植物は自活する生物

2006年06月05日 18:06
ケン幸田氏のカナダ便り
(植物よもやま話)
人口が過密で貧しい国では、 人間が生き延びるのも大変ですが、 人類は命の大切さを認識しています。 ケン幸田さんは 植物が弱肉強食の激しい生存競争を繰り広げる中で、 様々な工夫をして養分を摂り、種を保存して、 生き延びる知恵をいくつか紹介しています。 (2回にわけて掲載いたします) 第一回のイメージ写真はこの時期に咲く、クジャクサボテンです。


カナダ便り
植物のよもやま話
第五話その1 サボテン、植物は自活する生物

“サボテン”は切っても切れない関係の「砂漠」と共に、
西部劇にはなくてはならない存在ですが、
実はアメリカ大陸にしか分布しておりません。
砂漠という厳しい環境で生き抜く為、
例えば高さ10メートルにもなる
オオハシラサボテンの幹に刻まれたヒダは、
体表面のかなりの部分が日陰になり、
強い日差しの直射を避けるのに役立っています。
また多くのサボテンが球形をしているのも、
常に体の半分を日陰にするための適応だそうです。
サボテンに葉がなく、表面がロウのような厚い角皮で覆われているのは、
水分を蒸発させないためです。
因みにサボテンのトゲは葉が変形したものですが、
強い日差しを散乱させる冷却装置が第一の役目、
次に雨が降らなくても空気中から水分を得る役目
(静電気に帯電した水分子がトゲの先端に吸着される)、
第三に動物に食べられるのを防御する役目です。

“動かない”植物は自活が出来「動く必要がない」からで、
自活不能で動けない病人を「植物人間」などと呼称するのは全くの誤りで、
植物に対して大変失礼なる表現とも言うべきでしょう。
生物の体は糖、デンプン,蛋白質などの有機物で構成されており、
その中に含まれる化学エネルギー(カロリー)を使って生命活動をしていますから、
動物は地上にある有機物を口から取り入れるために動かざるを得ないのです。
一方植物は、太陽の物理エネルギーを自ら化学エネルギーに転換させ、
有機物の中に蓄える能力があるので、他の生物を食べる必要もないし、
食料を探し回ることなく、ただ大地に根を下ろすだけで良い訳です。
地上に動物がいなくなっても植物は困りませんが、
動物は植物や他の動物を食べることで、有機物を横取りせずして生きられません。
もっとも動かないはずの植物ですが、種の保存の為「移動」することはあります。
例えばタンポポは綿毛に乗せた種を空中に漂わせ、
風速次第で10kmも飛ばすことがあるそうですし、
微風でも別転地へ移動させる為、一株に四百個もの種を付けているようです。
その他動物の糞に混じって運ばれるもの、雨や水に流されるなど、
移動の方法は様様です。
植物は生き長らえるためには、早く成長して他の植物との「光取り競争」に勝ち残る必要があるから、
一年草が二年草や多年草に負けたり、冬枯れの宿命から逃れるため、
また潅木が大樹に伍して生き延びるため、
時には環境を変える必要があるからなのです。(ケン幸田)

第八話--血液型と男女ペア(2006年11月10日)
第七話--誕生(2006年06月25日)
第六話その3-森林浴と森の保水力(2006年06月23日)
第六話その2--青い地球とフィトンチッド(2006年06月20日)
第六話その1--森林破壊と森林国日本(2006年06月14日)
>>このカテゴリの関連記事をもっと読む(植物よもやま話)