"砂糖・塩・酢・正油(醤油の当て字)・味噌"とくれば、
いずれも和食の主たる調味料で、
その頭文字を順番に読むと、
サ行「さしすせそ」とピタリ一致します。
しかも実際の料理の際にも、
この順番に入れるのが美味しく調理するコツだそうで、
この解りやすくて、覚えやすい符丁を言い伝えてきた
古くからの料理人やオバアチャン・主婦達の知恵には、
頭の下がる思いです。
ここにも、化学的な根拠がキチンと整理されているようです。
まず、砂糖は分子が大きめで、浸透速度が遅いので、
いち早く材料に染み込ませる為には、
どうしても、浸透圧の高すぎる塩よりも先に入れておく必要
(塩が先ですと、食材の水分がすぐに外へ吸い出されてしまって、
砂糖が入り込む余地がなくなる)があるのだそうです。
次に、じっくり煮含ませた方が、
より旨味を引き出せる塩を入れることになります。
その後、多少加熱が進んだ頃、
酢を入れると刺激臭のある酢酸分が飛ばされて、
酢本来の旨味が、食材に吸い込まれて行きます。
加熱がピークに達した後、醤油を入れると、
揮発性のある芳香成分が飛ばされることなく、
また旨味の源となるアミノ酸も長時間の加熱を嫌うので、
丁度いい加減なタイミングとなるようです。
最後は味噌となりますが、
主成分の蛋白質を熱で変化させてしまわないように、
「ひと煮立ち」程度に留めておくのが必要で、
加熱し過ぎると、香りも奪われてしまいやすいので、
調理の終わる寸前に、
サッと入れるのがベストだと言うわけです。
関東と関西の味付けの違い
"関東と関西の味付け"の違いは
食材や文化の違いから来ているようですが、
大正から昭和の時代に、高級料亭を始めとして、
関西料理が東京へ進出し料理の洗練度が上がり、
今や輸送手段の発達で魚も野菜も
その日のうちに全国各地に届くようになったので、
その違いは解消しつつあるようです。
元々関東の火山灰で出来た土地で育った根菜は筋っぽいので、
醤油で味を濃くしたが、
関西は赤土の肥えた土から取れる野菜は柔らかく風味があるので、
薄味にしたそうです。
また、東京湾の貝類、マグロは江戸前の新鮮な刺身や寿司を
醤油で味わったのに対し、
関西ではタイ、サバなどを押し寿司にして、醤油を添えずに食していました。
一方関東の折り詰め弁当は、持って帰っても腐らないようにと、
濃い味付けになっていますが、
関西では一回で食べきれる新鮮な仕出し料理が特徴です。
また、盛り付けで見た目を綺麗にし、
食材と食器との色合わせや季節の風情を楽しむのは、
古く京都の公家文化や茶道の影響を受けているようです。
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