
1.スギヒラタケ(Pleurocybella porrigens)とは
スギヒラタケ(キシメジ科スギヒラタケ属:Pleurocybella porrigens)は新潟などではモタセと呼ばれ、愛好者が多い食用キノコです。
このキノコは食用のヒラタケ(栽培種ではマイタケとも呼ばれる)の仲間であり、杉林に群生する美味しいキノコとして、きのこハンター達の人気の的となっていました。
きのこ研究先進国の欧米でも、天使の翼(angel's wings)と愛称され、食用として認識されています。
スギヒラタケはスギの朽木などの側面にびっしりと生えますので、発見したときには大量に収穫できます。急性脳症との因果関係はまだ不明ですが、弱毒キノコといわれるものや、安全と考えられているキノコも、
同一キノコを大量に摂食すれば、中毒原因となる可能性は否定できません。
ただし、これまでの例では、毒キノコといわれる品種でさえ、特別な猛毒キノコを除いては、よほど大量に食さない限り、死に至るきのこは稀でした。
2.キノコは一般的に大なり、小なり毒素を持っている
キノコ毒素は6-7種類くらいが分離されており、通常は複数の毒素が一つの個体に含まれます。キノコは一般的に大なり、小なり毒素を持っているといわれます。
含有量、含有比率は個体ごとに大きく異なりますから、安全といわれたキノコの品種が危険なキノコになる可能性は大いにあり、否定はできません。
また摂食した人の体重や体質も中毒発生の可否に関係してきます。少量の摂食で致死率の高いのはアマトキシン(amatoxins)などのペプチド毒(アミノ酸類の集合体)(Cyclopeptide)ですが、この毒素は研究が進んでおり、毒素を大量に含有するキノコはタマゴテングタケ(Amanita phalloides)、シロタマゴテングタケ(Amanita verna)、ドクツルタケ(Amanita virosa)など、テング属を中心にかなり限定されます。
3.スギヒラタケのレクチン(Lectins)と予想される毒素:スギヒラタケは毒キノコ?
スギヒラタケに多く含まれる糖結合タンパク質のレクチン(Lectins)が原因(血液を凝固させる)になることも考えられますが、少なくとも欧米では死亡中毒原因物質としての研究報告が見当たりません。
今回はスギヒラタケ摂食で脳障害(急性脳炎)と言われますが、脳炎はウィルスが原因となることがほとんどですから、事件の背景は複雑なのかもしれません。
死亡者には腎臓病の透析をしている人が多いとも言われており、その辺りにも何か原因があるかもしれません。
原因をウィルスではなくキノコと断定するならば、それは毒キノコと呼べます。
推測できる毒素はシロシビン(Psilocybin)、L-イボテン酸(ibotenic acid) 、オレラニン(Orellanine)、ギロミトリン(Gyromitrin)ですが、シロシビンは幻覚をおこす毒素ですから可能性は低いといえます。
4.キノコのうまみの成分L-イボテン酸と派生物
キノコのうまみの成分ともされるのがL-イボテン酸と派生物のL-トリコロミン酸(tricholomic acid)です。
テングダケに含まれる成分とされていますが、今回のスギヒラタケには、これらが特別に大量含有されていた可能性もあります。
この成分は旨みの基ですから美味しいキノコに多く含まれているといわれます。
L-イボテン酸は毒素に分類されており、大量に摂食した場合は、脱炭酸して生成されるムッシモ−ル(muscimol)により神経障害を起こすことが報告されています。
オレラニン(Orellanine)は腎臓障害をおこす毒素(nephrotoxic)として知られていますが、毒素含有キノコはヌメリササタケ(Cortinarius pseudosalor)が報告されているくらいです。
またギロミトリン(Gyromitrin)は美味しいといわれるシャグマアミガサタケ(Gyromitra esculenta)に含有される水溶性の猛毒ですが、ヒラタケ類に毒素として含まれる可能性は不明です。
当分はスギヒラタケの摂食を控えることが賢明です。
欧米では中毒の対応として強制嘔吐、胃腸洗浄の他、消化器系の中毒には、炭粉やトリペプチドのグルタチオン、神経毒の解毒にはチオクト酸(α-リポイック酸)(α-lipoic acid)が有効といわれています。
※ 2004.11.11現在、スギヒラタケ中毒と疑われる事例は、新潟、秋田、山形、福井、鳥取各県で50数件の発生、死者16人の報告があります。
関東圏の水族館(海浜立地):伊豆・三津(みと)シーパラダイス
タイの健康野菜を探る(改訂版):タイ人は何故スリム.
Healthy vegetables in Thailand
湘南文化よもやま話--第八話-- 湘南に根付くハワイアン・ミュージック
湘南文化よもやま話--第七話--湘南文化の仕掛け人 サンモールとセントジョゼフ
湘南文化よもやま話--第六話--片瀬聖ヨゼフ・カトリック教会の歴史とデザインSt. Josephs Catholic Church
内陸の水族館:サイアム・オーシャンワールド・バンコック(Siam Ocean World)
湘南文化よもやま話--第五話--湘南文化と片瀬の山本家
湘南白百合学園と山本家の関わり
湘南文化よもやま話--第四話--終戦(1945年)により芽生えた湘南文化
湘南学園が発信した湘南文化
ワインよもやま話:第十六話(2) レスベラトロール、20の何故? (後編)
ワインよもやま話:第十六話(1) レスベラトロール、20の何故? (前編)
キノコよもやま話:第四話 キノコ(茸)はガン(癌)を治せるか?
にんにく博士:第一話 フランスのニンニク産業とにんにく祭り(1)
とうがらし博士:第七話 世界のトウガラシ生産その3--米国のトウガラシ産業
とうがらし博士:第六話 世界のトウガラシ生産その2--メキシコのトウガラシ産業
とうがらし博士:第五話 世界のトウガラシ生産その1--インドのトウガラシ産業
ワインよもやま話:第十四話 独自性のあるワイナリー:山形のワイン産業[12]
ワインよもやま話:第十三話 日本産ワインは生き残れるか?[13]
湘南文化よもやま話--第三話--ジャズとハワイアン・ミュージック
内陸の水族館:アクアトト岐阜(アクア・トト岐阜)(世界淡水魚園水族館)
関東圏の水族館:大洗アクアワールド(アクアワールド茨城県大洗水族館)
番外編:アクアリアKLCC (Aquaria KLCC)(マレーシア)
生牡蠣(カキ)の話題アラカルト(世界中が養殖する日本のマガキ)
ワインよもやま話:第十話
輸出マーケッティングの勝利、ボジョレー(ボージョレー)・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)
キノコよもやま話:第二話 「毒きのこ」と「きのこの毒素」(2)
キノコよもやま話:第一話「スギヒラタケ中毒で死亡?:安全なキノコは無い?」
ワインよもやま話:第八話 レッチーナ・ワインとギリシャ大理石
湘南文化よもやま話--第一話--
新江ノ島水族館とサムエル・コッキング(サミュエル・コッキング)苑(江ノ島植物園)
タイ政府閣僚が食べて見せた鶏料理.鳥インフルエンザ・ニュースの背景(2)
本サイトが掲載する情報・画像等は、提携サイトの湘南情報サイト「ロハスケ」編集部より提供されています。著作権は「ロハスケ」編集部に属します。権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます。