ワインよもやま話 第2話
独自性のあるワイナリー
ヴィラ・デスト
ハーブ園から遠望した、玉村豊男氏のワイナリーと新設のカフェ
玉村豊男氏新工場で醸造されるワインは2005年からだそうですが、工場落成と共に発売されたワインは、ヴィラデスト・ヴィニュロンズ・リザーブ(2002年)の白ワイン(シャルドネ種、Chardonnay)、と赤ワイン(メルロー種、Merlot)の合計4,000本です。
醸造酒には生命がありますから、感性の豊かな愛情がなければ良いものが造れません。また良質なワインの製造は、ワイン先進国の食文化、生活習慣を熟知する必要があります。
玉村氏の優れた味覚と感受性、生活体験が創り上げたシャルドネ種の白ワインは傑作です。フランスのブルゴーニュ産(Bourgogne)とは、土壌、土質が異なり、同様の風味ではありませんから、訳知りの表現はできませんが、オークの香りは薄く、独自な香りがあります。あえてブルゴーニュ産と比較するならば、フランス人の食通に好まれる、ボーヌ地区産(Cote de Beaune)ワインに近い味わいといえるかもしれません。繊細な香りを賞味するためには、冷やしすぎないで味わうのが良いという感想でした。
石灰質の多い土壌を好むといわれる、シャルドネ種の良質なブドウを東信州で生産できることが、筆者には不思議でしたが、関係者の情熱と農芸技術の高度化が生産を可能にしたのでしょう。
ヴィラ・デストのワインとシードルは併設された、ワイナリー・ショップで購入できます(赤、白ともに4,500円/本、シードル2,000円/本)。


玉村氏の農産物に対する熱情は、1991年に造園された、9千坪のハーブ園と農園に見ることが出来ます。 農産物の種類も多く、ほとんどのハーブや植栽は丁寧に樹皮(バーク)や粉砕レンガで根囲い(マルチング、mulching)され、力強く育っています。
農園の野菜類は繊細に手入れされて、生き生きしています。ハーブ園は公営を含めて全国に数多くありますが、ここまで、丁寧に育てられたハーブは、筆者の知る限り、他に類例がありません。
玉村氏の農芸に対する探究心には、アートの域に達するこだわりがあり、触れる人を感動させます。まさに浅間山麓農芸の期待の星です。








花を愛したユリさんは、村田氏が建築家として著名になるまで、園芸店(東京青山)を経営して、生活を助けていたことでも知られており、花や野菜に関する著作もいくつかあります。晩年も農園で母親の鍵富 貞さん(てい、2代目三作氏夫人)と過ごしていましたが、残念なことに5年ほど前に亡くなられました。
この村田家と交遊の永かった玉村氏が、彼女達のライフスタイルに大きな影響を受けたであろう事は、想像に難くありません。
ヴィラデストは1991年から一年がかりで建設されましたが、玉村氏は居宅と農園建設の1年間、御代田の村田ユリ邸に寄宿して指揮を執ったそうです。


ギフトラッピングと、デザインが美しい玉村氏直筆のサイン
お客の質問にも丁寧に応対する玉村氏
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