INDEX--------------------------------
- コエンザイムQ10とは?
- 活性酸素の除去
- エネルギー生産のメカニズム
- コエンザイムQ10はどうして不足してしまうのか?
- コエンザイムQ10の生合成
- コエンザイムQ10の臨床例
- コエンザイムQ10名前の由来
- コエンザイムQ10の歴史
コエンザイムQ10とは?

コエンザイムQ10は青魚や牛肉・ぶた肉に含まれる
コエンザイムQ10はビタミンQともいわれるビタミン様物質で、人ではその細胞中のミトコンドリアにみることができます。
コエンザイムQ10は「歩く・座る・立つ・食べる・寝る」など生命活動の源であるエネルギー生産に大きく関わる物質。特に多量のエネルギーが必要な 心臓、血管、筋肉に集中的に存在します。
また体のミトコンドリア内膜で電子を配達するメッセンジャーの役割を果たして細胞を活性化し、細胞のスムースな働きに関与しています。
コエンザイムQ10は加齢によって体内生成が減少していきます。これまでの研究により、中高年男女性の代謝活動が低下し、肥満や疾病に対する抵抗力が低下することと、細胞内のコエンザイムQ10の減少が関連付けられています。心臓血管に疾病がある患者 の細胞にはコエンザイムQ10が著しく減少していることが確認されています。
コエンザイムQ10はほとんどの動物性、植物性食品に微量ながら含有しており永年にわたり摂取されてきていますが、毒性の報告はありません(1957年ユビキノンとして認知されて以来のデータによる)。
活性酸素の除去
コエンザイムQ10が不足すると、直接的に老化が進むと言われています。これはコエンザイムQ10が活性酸素の増加を抑える働きがあるからですが、 コエンザイムQ10を充分量摂取しておくとどういった効果があるのでしょうか?
1)血液の粘度低下防止
2)不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸への転換防止、血栓防止作用
3)悪玉コレステロール(LDL)の酸化防止
4)ビタミンEの減少をCoQ10のビタミンE再生作用によって防止
脳梗塞や心筋梗塞の原因となるアテローム性動脈硬化(血管におかゆ状の塊ができること)は、血管内の悪玉コレステロール(LDL)の電子を奪われて酸化することですから、 コエンザイムQ10を補うことによりそのメッセンジャーとしての役割・プラズマの細胞膜移動作用により、これらを防止することができます。 またATPが量産されるときに大量に発生する活性酸素の不要分を処理する過程において、コエンザイムQ10が重要な働きをすることが 確認されており、虚血性心疾患、アテローム性動脈硬化、血管梗塞、高血圧などの患者の臨床処方にも使用されてきました。
エネルギー生産のメカニズム
炭水化物は消化されてグルコース(ブドウ糖)になりますが、さらにビルビン酸となり、アセチルCoAをへてコハク酸となってクエン酸回路に入ります。ビルビン酸は酸素なしに二分子のATPを作り出しますが、さらにたくさんのATPをつくるためのアセチルCoAに変化するには酸素が必要です。(最終的にミトコンドリア内膜に蓄えられた電子が十分であればグルコース一分子からATP38個が生成される)
ビルビン酸に酸素が不足していると乳酸エタノールがつくられて、筋肉疲労の元となります。 クエン酸回路は細胞内のミトコンドリアのマトリックスで行われます。 また電子伝達はミトコンドリアの内膜で行われます。 ATP生産のハイライトともいえる電子のメッセンジャーといわれるのがユビキノン、すなわち補酵素Q10です。
ATPを作り出す電子伝達系たんぱく質にはいくつかのたんぱく質複合体があります。ⅠとよばれるNADH-CoQレダクターゼ、Ⅱとよばれるシトクロームb、ⅢとよばれるCoQシトクロムcレダクターゼ、Ⅳとよばれるシトクロムcオキシターゼです。
CoQ10はⅠ型に作用すると考えられています。

コエンザイムQ10 は、脱水素酵素、
コハク酸脱水素酵素、シトクロムb、
シトクロムc、シトクロムaとともに
ATPと呼ばれる『エネルギー』 を作り出す。
ミトコンドリアの内膜 【図1】
コエンザイムQ10 他沢山のメッセンジャーが電子を送る
コエンザイムQ10はどうして不足してしまうのか?
食物摂取により補給されますが、体内のビタミンによる生合成が主要供給源と推測されています。
不足の原因は生合成不足、含有食物の摂取不足、体内過剰消費 が考えられます。
コエンザイムQ10の生合成
コエンザイムQ10はビタミンB群、ビタミンC、パントテン酸等によって生合成されます。化学合成の場合はこれらビタミンを元に、実に17ものプロセスを経て作られます。
(生合成機能を低下させないためにも、過剰なコエンザイムQ10摂取を控えて、これらのビタミン群を十分に摂取することが重要と考えます)
コエンザイムQ10の臨床例
1960年代遅くからの日本人により開拓研究されて以来、心筋梗塞を中心に心血管に問題がある1366人の患者に最低15回の治験や臨床が報告されています。
1980年ごろまでは30mg/日を数ヶ月投与する治験が多く、1985年になると虚血性心疾患患者に約6ヶ月間、100mg/日に増量された投与の治験や臨床が報告されています。
1991年には心筋梗塞患者に200mg/日投与の治験報告もありますが、1993年に2mg/日kgという体重を重視した、1年間にわたる、おおがかりな治験結果が発表されました。1994-5年には虚血性心疾患患者を対象にした150mg/日の臨床が数多く報告されています。
国際CoQ10(協会資料より)
コエンザイムQ10名前の由来
コエンザイムQ10(化学式:CoQ-10)は日本語で 補酵素Q10 と呼ばれますが、そのコはCo(補う)、エンザイムはenzyme(酵素)の意味です。
補酵素QにはCoQ6から10の各種が存在します。CoQ10が存在する細胞内のミトコンドリア呼吸鎖はキノンと呼ばれますが、これにイソプレノイド鎖が結合しているのが補酵素Q 、すなわちCoQであり、その鎖の数で6から10までの呼び名があります。
コエンザイムQ10はユビキノンubiquinoneともよばれますが、この意味はラテン語でどこにでもある、ありふれたという意味のユビキナスとキノンを合成して名づけられたものです。
コエンザイムQ10の歴史
| 1957年 | 米国ウィスコンシンのフレデリッククレーンDr Frederick Craneにより牛の心臓内ミトコンドリアより抽出される。同年に英国のモートン教授によりビタミンA欠乏症のラット肝臓よりCoQ-10が抽出され、ユビキノンubiquinoneと名づけられる。 |
| 1958年 | 米国ニュジャージー州Merck社のカール・フォルカース教授達によって詳細な化学構造が定義され、化学生産が理論的に可能となった。 |
| 1960年 | 日本人Yuichi Yamamuraのグループにより虚血性心疾患の治療に世界ではじめてCoQ-7が使用された。 |
| 1972年 | イタリーのGian Paolo Littarruとカール・フォルカース教授は心疾患患者にはCoQ-10が不足していることを立証した。 |
| 1970年半ば | 日本の化学会社がCoQ-10の工業的量産合成技術を完成し 、臨床に必要なボリュームを得ることに成功した。 |
| 1978年 | Peter Mitchellは体内エネルギー生産過程の電子伝達におけるCoQ-10の役割を含む、 化学的エネルギー交換の仕組みを解明し、ノーベル賞を受賞した。 |
| 1980年代 | 高性能な液体クロマトグラフィーによって血液や組織中のCoQ-10量測定が可能となったこともあり、CoQ-10の有用性に関する多くのの臨床例が報告された。 スウェーデンのLars ErsnerはCoQ-10が抗酸化物質として、フリーラジカルスカベンジャーとなる研究を発表したことが注目された。 |
| 1986年 | カール・フォルカース教授はCoQ-10やビタミンの研究によりアメリカ化学協会からPriestlyメダルを受賞 |
| 1990年 | カール・フォルカース教授:ブッシュ大統領よりNational Medal of Science を受賞 |
| (Peter H.Langsjoen,M.D.,F.A.C.C。Introdution to CoenzymeQ10より) |