<<< ノギボタニカルのトップページへ

健康ひろば(旧・健康と食品の解説)

窒素合成を促すシトルリンの何故? Q&A 

  1. 窒素合成に関わるシトルリンとブドウ・レスベラトロールは何処が異なるのでしょうか?
  2. シトルリンは窒素を合成する場合に、その原料となります。

    ブドウ・レスベラトロールは窒素を合成する酵素を活性化させる、間接的な物質です。シトルリンはたんぱく質から作られるアンモニアを原料としますから、人体に広く存在しますが、ブドウ・レスベラトロールはポリフェノールですから、摂取しない限り人体には存在しません。

    窒素合成に関わることでは同じですが、作用は全く異なります。自動車に例えればシトルリンがガソリン、ブドウ・レスベラトロールは電気といえます。シトルリンが動力燃料、ブドウ・レスベラトロールはセルモーター、ウィンドウ、ワイパーなどを動かし、シリンダーをスパークさせる電気です。ブドウ・レスベラトロールは電気同様に、体の様々な部分で、多様な働きをします。

  3. L-シトルリンとシトルリンは異なるのですか?
  4. ノギのシトルリンはL-シトルリンです。当然のこととして省略しています。
    シトルリンのようなアミノ酸類や糖類には分子構造が非対称な、L-体、D-体と呼んでいる2体の異なった分子(異性体)が存在します。
    L-体、D-体は鏡に映したような(鏡像)関係にあります。

    シトルリンのような天然のアミノ酸類はL-体のみ(例L-シトルリン、L-アルギニン)ですが、DNAとタンパク質を遺伝させるRNAの糖類はD-体のみが存在します(例 D−グルコース)
    天然では双方が同時に存在することはありませんが、合成の場合は双方が等しく合成されるため、一方が毒性を持つ異性体の場合は、サリドマイド事件などのように有害薬品となります。

  5. 米国にはシトルリンとアルギニンを配合しているサプリメントがありますが?
  6. ノギのシトルリンは意図的にアルギニンを配合していません。
    シトルリンはアルギニンより生理学的に安全性が高いことが検証されています。
    これはアルギニンに較べてシトルリンが電荷を持たないからといわれています。

    またアルギニンを経口摂取しても、腸管で代謝されるか、尿素合成されることが多く(アルギニンが失われる)、シトルリンの経口摂取に較べて窒素の産生率が低いといわれます。

    シトルリンはシトルリン-アルギニン-シトルリン-アルギニンのようにサイクル(回路)しながらアルギニンを体内合成します。
    このときに窒素が産生されますから
    アルギニンは体内合成させた方が窒素の産生率が高いといえます。
    腎臓でのアンモニア解毒の回路(オルニチン回路)はシトルリンからスタートします。

  7. シトルリンは糖尿病を改善?
  8. シトルリンは糖尿病による窒素の合成能力低下、窒素の分解を補う作用を期待されています。シトルリンが窒素合成の原料となるからです。
    糖尿病患者の血管では活性酸素を除去する酵素(SOD蛋白)が減少し、内皮細胞では活性酸素(スーパーオキサイドアニオン)が過剰となり、窒素の分解が促進しています。
    また糖尿病(高血糖)は脂質の代謝を促進し、コレステロールの合成を促します。この時に悪玉コレステロール(LDL)が増加し、過酸化したLDLが内皮細胞の機能を障害し、窒素合成能力を低下させます。網膜症、男性機能の低下(ED)、腎症、脳梗塞、心筋梗塞など、糖尿病の合併症と言われるものは、この窒素の分解、合成能力低下が原因といわれます。

  9. シトルリンは脳卒中、心臓血管病を改善?
  10. 脳や視神経、心臓血管の健康には適正な窒素量が必須です。
    シトルリンは窒素合成の原料となって脳卒中、心臓血管病を予防します。
    脳卒中、心臓血管病の最大の原因はトランス脂肪酸などによる悪玉コレステロール(LDL)の過酸化です。LDLの酸化が窒素の合成能力を低下させるからです。
    窒素の産生が低下すると、血小板が内皮細胞へ粘着するようになり、血栓形成を促進します。
    これに加えて、血管平滑筋では、窒素の不足によって血管収縮、血流低下などの現象が起こり、心筋梗塞、脳梗塞などの原因となります。

  11. シトルリンは男性のスペルミンを作る?
  12. 男性機能に重要なかかわりのあるスペルミン(Spermine)は、シトルリン経由のアルギニンが前躯体となって作られます。このとき亜鉛(ジンク)が触媒として働くために、ジンクはスペルミンを作る、すなわち精液(semen)を増やすセックスミネラルと呼ばれることがあります。
    スペルミンはポリアミンとも呼ばれますが、ポリアミンにはスペルミン以外にも幾つかの種類があります。
    ポリアミン類は細胞の増殖(コピー)に重要なアミノ酸で、ポリアミンが不足すると細胞が分裂できなくなります。

  13. シトルリンと肝硬変の関係は?
  14. シトルリンはオルニチン回路(尿素回路urea cycle)でアンモニアを解毒します。この経路は肝細胞などのミトコンドリアで様々な物質を合成しますが(変換には様々な合成酵素が関与します)、簡単に表現すれば、アンモニア>シトルリン>アルギニノコハク酸>窒素>アルギニン>オルニチン>シトルリンと巡り、その間に尿酸などを排泄します。
    肝硬変などで肝機能が低下すると、この回路機能が低下してアンモニアが蓄積され、肝脳症になることが知られています。
    たんぱく質は大腸、脳、骨格筋などで窒素経由アンモニアを産生します。
    シトルリンはアンモニアから合成される経路が多いために、シトルリンが多ければ、アンモニアは回路によって尿酸や他のアミノ酸(グルタミン酸)に変換されます。

  15. シトルリンは腎臓の健康に役立つ?
  16. シトルリンは肝細胞の尿素回路(オルニチン回路ornithine)で合成されるものが圧倒的に多いのですが、腎臓でもシトルリンから出発する尿素回路が働き、有毒なアンモニアの処理や窒素量のバランス調整をしています。腎臓ではアルギニンからオルニチン回路が働くことはありません。
    これはシトルリンの摂食がアルギニンの摂食に比べて腎臓の健康に役立つという研究の出発点となっています。腎臓の健康にはオルニチン回路が正常に働き、アンモニアの産生と処理が円滑に行なわれることが必要です。腎臓のオルニチン回路はシトルリンによってスムースに回転します。健康な腎臓は脳を冒す重金属などを 排泄させ、脳への蓄積を防ぎます。

  17. シトルリンは痛風を改善?
  18. 痛風は尿酸が結晶化することで始まります。尿酸の適正量の維持には、シトルリンが充分に作られて(または補給されて)、回路(尿素回路)がスムースに回転することが必要です。尿酸の排泄に異常があり一定の濃度を上回ると血中で結晶化し、痛風の原因となります。
    シトルリンがアンモニアを解毒する回路(尿素回路)で尿酸が造られますが、尿酸は生命の維持に重要な抗酸化物質ですから、健康人の血液中には一定量が存在し、余剰分が体外に排泄されます。
    俗にプリン体と呼ばれているプリン (purine)は、窒素の産生回路に存在する含窒素芳香族化合物です。