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世界の健康ニュース解説

魚油(EPA/DHA)の抗炎症メカニズムを解明:
レソルビンD2(Resolvin D2)とは

魚油の成分で知られるオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)がリュウマチ性関節炎などの炎症改善にどのような働きがあるか。
新薬開発につながるそのメカニズムが解明され、先月(2009年10月)末のサイエンス・トゥデイ誌に発表されました。

  1. 米国厚生省の関節炎研究キャンペーン
  2. オメガ3は血液サラサラの表現で知られますが、血管の異常収縮を防ぐ作用、炎症を抑える作用もあります。 
    サイエンス・トゥデイに発表された研究は米国厚生省(the National Institutes of Health)の関節炎研究キャンペーン(Arthritis Research Campaign)と英国信託財団のウェルカムトラスト(the Wellcome Trust.)にサポートされました。ウェルカム・トラストは在米富豪のウェルカム氏が作った医療関係研究をサポートする財団。




  3. レソルビンD2(Resolvin D2)の合成
  4. 論文を発表したのはロンドン大学クイーン・マリーの免疫薬学部教授モーロ・ペレッティ教授(Mauro Perrett)が率いるチーム。研究はハーバード大学医学部の仲間と共同で行なわれ、生理活性脂質であるレソルビンD2(Resolvin D2)の作用機序を発見しました。この物質は体内でオメガ3脂肪酸より生成されることが知られており、昨年に人工合成が成功。物質の機能解明は人工合成によって大きく前進します。
    研究は我々の体が魚油のオメガ3をレソルビンD2に変換し、どのように炎症を減らすのに役立てるかのメカニズム解明。このレソルビンD2は少量で大きな効果が得られる強力な活性作用を持つ免疫物質といわれます。

  5. レソルビンD2(Resolvin D2)の窒素合成作用
  6. 関節炎などで炎症が激しくなるのは体の免疫力が間違って健康な組織を攻撃すること、すなわち白血球が血管内皮(endothelium)にこびりつくことです。
    実験で解明されたのはレソルビンD2が内皮細胞で少量の窒素を合成すること。
    この物質は内皮細胞に白血球がこびりつくのを防ぎ炎症を抑えます。これは魚油のオメガ3脂肪酸がタイプの異なる様々な炎症に役立つことを説明します。

  7. 期待されるレソルビンD2(Resolvin D2)の新薬
  8. この化学物質レソルビンD2は多様な関節炎(arthritis)の炎症を予防し、治療することだけでなく、敗血症(sepsis)、脳梗塞など、炎症を起因とする様々な疾患にも役立つことが期待出来されます。(Resolvin D2 is a potent regulator of leukocytes and controls microbial sepsis)
    敗血症はセプシス(sepsis)、とよばれ、細菌に引き起こされる全身性炎症反応症候群です。
    2003年ごろより敗血症の医薬品が脳梗塞に有用とされる研究がありましたが、レソルビンD2の最も大きな利点として期待されるのは、これまでの抗炎症医薬品と異なり、免疫機能を損なわないことです。