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世界の健康ニュース解説

アスベストと放射線(ラドン)の結合で肺がんが急増する?

  1. 岡山大学の中村栄三教授がラドンの発がん性を指摘
  2. アスベストは肺がん原因の相当部分を占めると推測されています。このアスベストによる発ガンがラドンや鉄分との結合によるのではないかとの研究が7月(2009年)に発表され話題となっています。ラジウム(ラドン)温泉で有名な鳥取県の三朝(みささ)温泉に拠点を置く、岡山大学地球地質学センターの中村栄三教授が中心となって発表したものです。
    これまでもラドン(ラジウム)は発癌物質として知られていました。
    ラドンの解説は下記記事を参照してください。


    ▼2003年11月10日「日本の温泉は安全か?」



  3. アスベスト小体(Asbestos body)とは
  4. アスベストが肺に突き刺さり、たんぱく質、鉄分(フェリチン)などが結合したものはアスベスト小体または石綿小体(Asbestos body)と呼ばれ、アスベストを原因とする肺がんの認定マーカーとなっています。
    アスベスト小体には肺に突き刺さった針状のアスベストにカルシュウム、塩化鉄分、その他色々な物質が包み込むように付着しています。小体を拡大して見ると、針状のアスベストの両端に物質が絡まり鉄アレイ状になっています。
    今回の岡山大学の研究によれば、アスベストを原因として死亡した患者のアスベスト小体に相当量のラジウムが結合していたそうです。
    白石綿と言われるクリソタイルが安全といわれた根拠は、茶色石綿のクロシドライトやアモサイトはアスベスト(石綿)小体をつくりやすいが、クリソタイルは石綿小体を形成しにくいと言われていたからです。この安全性については異論も多々在ります。
    アスベストの有害性については多数の記事があります。


    ▼「アスベストに汚染されたベビー・パウダー(タルク)
    (アスベストによる健康被害の記事一覧)」


  5. なぜアスベスト小体にラジウムが結合?
  6. 中村教授の研究による発ガンの作用機序としては「アスベストやたばこの煙に含まれる鉄分が、肺の中に吸入されることで、フェリチンの生成が促される。これにより体内に極微量含まれるラジウムが濃縮され、発癌物質となる」
    フェリチンは肝臓に蓄積される鉄分として知られ、肝臓ガンの発ガン物質の一つといわれます。


    ▼「過剰鉄分は寿命を縮める」


  7. アスベストによるガン(中皮腫ガン)の死亡者。
  8. ガン死のトップクラスである肺がんでの死亡者は増えており、年間7万人とも言われますが、そのうちのどのくらいがアスベストによるものかは、はっきりと識別できません。
    アスベスト被害の労災認定は年間1000人を超える程度ですが、一説には5万人という説もあります。全ての死亡者を詳細検査するわけでもなく、補償、賠償がからむ統計は意図的に操作されることが多いために推計すら出来ない状況です。
    20-30年は先進国である英米の実例から判断すれば、日本はアスベストによる肺がん(中皮腫癌を含む)死亡者は漸増しているはずであり、10年後を待たずに急増することが予想されています。


    ▼「アスベストに汚染されたベビー・パウダー(タルク)
    (アスベストによる健康被害の記事一覧)」