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世界の健康ニュース解説

トランス脂肪酸の害:第五話--トランス脂肪フリーの食用油-市場寡占化を狙う欧米企業(2)

  1. トランスファットフリーとは
  2. 米国で使用され始めた業界言葉です。本来フリーとはゼロを指すことが多いのですが、この場合は許容量以下を意味します。トランス脂肪酸は非常に有害であるということが確定的になってきているために、本来は許容量の基準というものは存在しません。米国では暫定的な許容量として、脂肪分14グラム(一般的な一食の摂取量)に対し500mg以下の摂食を許容の基準にしています。これ以下の場合はトランスファットフリーという表現が使われます。
    米国以外の先進国も、近いうちに食品のトランス脂肪含有量の表示が義務化されるでしょうが、これは消費者に選択肢を与えるという意味しかありません。食品業界が対応できるようになるまでは、使用を禁止することは不可能だからです。使用を禁止したといわれるデンマークでさえ、一日2グラムという寛容範囲があります。

  3. トランス脂肪に無防備な日本人
  4. トランス脂肪が野放し状態の日本は欧米よりトランス脂肪の摂食量が多いことも推測できます。加工食品、食用油、ファースト・フード、レストランなどには、一切の規制がありません。
    日常の食事もアメリカ式朝食ならば、総脂肪摂取量は60グラムにはなりますから、総脂肪量の大部分がパームオイルなどの飽和脂肪に代替された場合、飽和脂肪酸の理想的な摂取量と言われる33グラムを大幅に超過します。また、パン、スナック菓子、インスタントラーメン、洋菓子などの愛好者、ファーストフードを利用する人はそれ以上に大量の飽和脂肪酸を摂食することになりますから、新たな健康障害問題が起きます。
    欧州は早くからトランス脂肪酸への関心が高く、研究も進んでいますから、不飽和脂肪酸の調理油や加工食品用油に含まれるトランス脂肪は米国、日本ほど多くはありません。EUのケンタッキー・フライドチキンやマクドナルドが使用する調理用油のトランス脂肪は米国で使用されている油の半分から4分の1くらいとの調査があります。特にスペインは5%、デンマーク、ドイツは1%と言われます。
    現在の米国ファーストフードのトランス脂肪は一食当たり10%以内といわれますが、最近までは23-24%くらいだったそうです。日本のマクドナルドやケンタッキーが低トランス脂肪の調理油を使用しているという話は聞こえてきません。日本人愛好者がバカにされたような調査結果です。
    日本でアメリカ式朝食を摂る人、料理にマーガリンを使用する人、パン、ケーキ、クッキーなどを好む人、ファーストフードを利用する人々は、この幾つかが重なるとトランス脂肪酸の摂食量は一日15グラムをはるかに超えるといわれます。
    トランス脂肪酸に安全な基準は有り得ません。肥満、生活習慣病、アトピーなどの厄介な疾病の大きな原因であることを考えると、一日も早くトランス脂肪は追放しなければなりません。