世界の健康ニュース解説
仏・チクングンヤ(チクングニア)病
仏・チクングンヤ(チクングニア)病
- チクングンヤ(チクングニア)・ウィルス(Chikungunya)
- チクングンヤ・ウィルス感染の症状
- レユニオン島(La Reunion)
- レユニオン島のパンデミック(大流行)
- WHO(世界保険機構)の関心はメニンゴコッカル(髄膜炎)
クリックして拡大するチクングンヤとはスワヒリ語(Swahili)で曲り上がる(bends up)という意味です。
ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(aegypti)などにより媒介されるトガウィルス科(Togaviridae)のアルファウィルス(Alphavirus)を病原とします。
風疹ウィルス(rubella virus)がこのアルファウィルス属になります。
トガウィルス科は1本鎖のRNAウィルスですが、同類にはデング熱、日本脳炎、ウェストナイルウィルス、黄熱などの病原であるフラビウィルス(flavivirus)(フラビウィルス科)があります。
フラビウィルスをアルファウィルスと血清学的に交差反応するウィルスとしてトガウィルス科に分類する研究者も居ますから、非常に類似しているウィルスといえますが、これまでは欧米で一般的なウィルスといえなかったために研究は進んでいません。
ウィルスに感染しても軽症で済む人が多いそうです。
チクングンヤ・ウィルスは潜伏期間3−5日、発症すると激しい発疹、衰弱するほどの強度な関節の痛み、脱水症状を呈します。
ワクチンは開発されていません。
レユニオン島はマダガスカル島の東海岸側インド洋に位置する人口72万人の小さな島(海岸線延長は約270km)です。
首都はサン・デニ(St. Denis)。中心部に3000m級の火山があり、マリーンスポーツ、ハイキング、登山、自然科学の探求など観光地として著名ですが、産業はコーヒー、サトウキビなど農産物を除くと特にありません。
15世紀頃より航海上の要所としてフランスが確保しています。
2005年春ごろより、インド洋のマダガスカル共和国(Madagascar)やモーリシャス共和国(Mauritius)、セイシェル共和国(Seychelles)などで流行(アウトブレーク)が始まりましたが、今回流行の出発点はマダガスカル近隣のコモロ連合国(Union of Comoros)という説があります。
同じくインド洋の仏領マヨット(マイヨット)(Mayotte)でも924人の感染例が報告されています。
レユニオン島でも昨年の春ごろより感染者が増え始めましたが、2月末現在、人口の5分の1にあたる15万人以上が感染し、死亡者は直接、間接を含めて77名になるそうです。死亡率の低い感染症ですが、レユニオン島のパンデミックは感染者の多さと、伝染スピードの速さで異常事態といえます。
WHOは2006 年3月1日にレユニオン島のチクングンヤ・パンデミックを取り上げていますが、現在アフリカ諸国では髄膜炎(meningococcal disease)の発生(アウトブレーク)の方が問題となっています。
2006年1月から2月の26日までの約50日間に、ニジェールで44人(614人が感染)、ケニアで14人(74人感染)が死亡しましたが、死亡率の高い感染症のために研究者の目はチクングンヤより、髄膜炎に向いているといえます。欧米や日本でも稀に発生することがありますが、スーダン,チャド,ナイジェリア,ニジェール、カメルーンなど熱帯の中央アフリカが発生源といわれます。アフリカマイマイなどの動物が宿主といわれ、世界中の関心が高い感染症です。

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