世界の健康ニュース解説
アンゴラ(アフリカ)のマールブルグ熱が拡大
2005年4月1日に発表されたWHO(世界保健機構)の発表によれば、昨年10月ごろよりアフリカのアンゴラ共和国北部ウイジェ州(Uige Province)で流行しているマールブルグ熱の死者は、首都ルアンダにまで拡がり、これまでで最大規模の132人に達しました。
マールブルグ熱はサルから感染?するといわれる人獣共通感染症ですが、140人の発生に対して死者が132人と、致死率の極端に高い感染症です。感染経路など実体が不明なことと、2000年ごろ以降になり感染規模が拡大していることから、今後の注目と監視が必要な人獣共通感染症です。
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1.マールブルグ熱(Marburg virus disease)
2.マールブルグ熱、発生の歴史
3.アンゴラ共和国(Republic of Angola)
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1.マールブルグ熱(Marburg virus disease)
マールブルグ熱は致死率の高いエボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)と同様に、ウィルス性出血熱(viral haemorrhagic fever)(VHF)の一種であるフィロウィルス科(Filoviridae)の感染症です。宿主など感染経路はいまだに不明ですが、サル、コウモリ、鳥類などが疑われています。
3-9日の潜伏期間で発病し、5-7日で死亡します。水様性の下痢、激しい嘔吐、高熱などマラリヤ、黄熱病、チフスと同様な症状が見られるために、すぐにマールブルグ熱と診断するのが難しい感染症です。
マールブルグ熱死亡者の75%は5歳以下の子供であり、成人の場合も感染者との濃厚接触がない限り感染力は強くはありません(WHO)。ただし医療関係者の感染は多いようです。
あまり神経質になることはありませんが、他の人獣共通感染症と同様、サル、コウモリ、鳥類などへの接触は避けることが賢明です。
ワクチンや治療法はありません。なおマールブルグ熱は1類感染症に指定されています。
1類感染症はきわめて伝染の危険度が高いということから、患者の隔離が義務付けられています。マールブルク病のほか、エボラ出血熱、クリミアコンゴ出血熱、ペスト、ラッサ熱が指定されています。
2.マールブルグ熱、発生の歴史
マールブルグ熱が最初に発見されたのはドイツです。1967年にフランクフルトに近い大学都市のマールブルグで実験用のサルから感染したために、このように名付けられました。この時は同時にフランクフルト、ベルグラード(ユーゴスラビア)でも、合計31件発生し、7人の死者が出ています。
1967年以来、現在までの発生国はドイツ、ユーゴスラビア(1967)、ジンバブエ(1975)、南アフリカ(1975)、ケニア(1980、1987)、コンゴ(1998-2000)です。 今回のアンゴラでの発生までは、アンゴラに隣接するコンゴが最大規模の感染国でした。この時はDurbaの金鉱労働者中心に149人が感染し123人の死者が出ています(WHO)。
今回のアンゴラでの流行はこれまでにない大規模なものですから、南部アフリカとの交流がある方は予防知識を持つ必要があります。
3.アンゴラ共和国(Republic of Angola)
アフリカ南西部太平洋側の旧ポルトガル領の国。1975年に独立。人口1310万人(2002年)。首都はルアンダ(Luanda)。独立以来、2大勢力による紛争が続いて疲弊はしているが、ナイジェリアと並ぶ大産油国であり、産出量世界第2位のダイヤモンドなど資源が豊富。農業用の土地も肥えている。アフリカでは比較的国民所得の高い国。日本も主要援助国であり交流は活発にある。

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