世界の健康ニュース解説
油断できない鳥インフルエンザ・ウィルスヴェトナムで続発する人感染死
2005年01月27日 15:37(no.2005012706)
忘れていませんか?鳥インフルエンザ
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言われます。
高病原性鳥インフルエンザH5N1(highly pathogenic H5N1 avian influenza)も風化して、話題となることが少なくなりましたが、事態は深刻化しているといえます。
タイ・ヴェトナムでは昨年(2004年)から今年の1月21日現在までに52件の人感染が報告され、37人の死者がでています(WHO)。両国では、昨年秋ごろから、感染鳥からの伝染とは異なり、看病などによる人人感染(human-to-human transmission)が疑われるケースが発生するようになりました。9月にタイのカンペーンペット県(Kamphaeng Phet)で発生した家族3人のケース(HP1400参照)に続き、年末にはヴェトナム北部(発生県は不明)で、46歳と42歳の兄弟がH5型に感染し、46歳の兄が今年の1月9日に死亡しています。
情報や検体が少ない中で、変異ウィルスの同定には困難が伴い、タイの家族3人のケースも、鳥インフルエンザの人から人への感染疑いが濃厚ではありますが、いまだに断定が出来ていません。
2005年1月26日にWHOが新たに発表したニュースは、1月21日にヴェトナム南部のドンタップ県(Dong Thap)で死亡した35歳の婦人と、同じく南部の臨海部バクリウ県(Bac Lieu)で14日に死亡した17歳の少年のケースです。
昨年からヴェトナムでは鳥インフルエンザの人感染が多発しており、年間では20人を超えたと言われます。12月中旬ごろから今年にかけての死亡者だけでも9人を数えます。タイのケースを含めて、これまでは幼児の死亡者が多かったのが、昨年後半からは元気の良い成年に拡がっているのが不気味です。
現在のところ、野鳥に根付いているだろうと想像される鳥インフルエンザ・ウィルスの防御策は決め手がありません。発生地、発生が予想される地域では、鳥類への接触や非加熱、加熱未熟な鳥料理を避けることがもっとも重要です。鶏肉は内部が70C以上まで加熱する必要があるとのことです。世界保健機構(WHO)、米国疾病管理予防センター(CDC)などではサーズ同様に、治療に当たる医療関係者にも、人人感染を疑う警告を出しています。
*ドンタップ県(Dong Thap)はカンボジアに接するメコン・デルタMekong River Deltaの基の部分に立地する産業が豊かな県です。バクリウ県(Bac Lieu)はデルタの臨海部です。

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