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世界の健康ニュース解説

トランス脂肪酸の害:第一話--トランス型脂肪酸の終焉


トランス脂肪研究会

乃木生薬研究所は、2002年より、トランス脂肪酸の排除に取り組んでいます。


トランス型脂肪酸(トランス脂肪)は心臓血管に有害との学説が定着したようです。米国では3年近い猶予期間が終了し、2006 年1月1日から食品にトランス型脂肪酸の含有量表示が義務付けられます。ここ数年、トランス脂肪の有害論は世界の食品業界に多大な影響を与えています。食用油、食用油脂の抽出にはトランス脂肪が生成される製法が多用され、製パン、製菓業界では、成形や保存にトランス脂肪が重要な役割を果たすからです。

  1. トランス型脂肪酸(Trans fatty acid)、シス型脂肪酸(Cis fatty acid)、水素添加化合(hydrogenation)とは
  2. トランス型脂肪酸は省略してトランス脂肪(trans fat)とも呼ばれています。
    トランス型脂肪酸は飽和脂肪酸の構造になりますが、不飽和脂肪酸が変化した状態のみを指します。
    脂肪酸は水素を結合した炭素が鎖状に結合していますが(脂肪酸の詳細はこちらを参照してください)、魚油や植物の種などに含有される不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acids)のほとんどは、変化しやすい、不安定な形のシス型脂肪酸として存在しています。

    不飽和脂肪酸には炭素が2重結合した部分がありますが、その部分の炭素には、二つの水素原子が片側にリンクしています(図)。

    これらは炭素連鎖の中でお互い、反発しながらどこまでも絡まっていきます。 これがシス型脂肪酸と呼ばれるものです。ネーミングの由来はラテン語の「同じ側」という言葉からです。
    不安定なシス型脂肪酸は老化、酸化しやすいのが欠点です。そのために製油や加工食品には安定した脂肪酸が必要となります。
    シス型脂肪酸は加熱するか、意図的*に炭素の2重結合部分の水素を反転させると水素添加化合(hydrogenation)がおこります。水素添加化合は炭素の二重結合部分に水素を化合させて、単結合にすることで、2重結合の二つの水素原子が反対側に移動するという化学的変化です。
    これがトランス型脂肪酸で、絡まりが解けて鎖は直線的になります。 直線的な脂肪酸分子の鎖は絡まったものよりコンパクトになります。ということは全体的に安定化するということです。


    ネーミングの由来は水素添加化合が行われる時の、水素の移動(トランス)を指しています。水素添加化合により不飽和脂肪酸のオレイン酸(Oleic acid)やリノール酸(linoleic acid)は二重結合を失い、飽和脂肪酸のステアリン酸(stearic acid)となります。

    *工業的水素添加化合(hydrogenation)は圧縮水素を金属触媒により添加します。製油の場合は抽出時に化学溶剤のヘキサン(hexane)(C6H14)を使用することも多いようです。ヘキサンはヨウ素、臭素を溶かす無極性溶剤としても使用される物質です。


    飽和脂肪酸(炭化水素鎖)

    不飽和脂肪酸(炭化水素鎖)


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