世界の健康ニュース解説
人から人へ感染する、鳥インフルエンザ・ウィルスが発生?
タイの感染者にH5N1ウィルス新株の可能性
タイのH5N1ウィルス感染者にヒト・ヒト感染の可能性
2004年9月27日にタイの保健省は、月初から、新たに3件の高病原性H5N1鳥インフルエンザ(highly pathogenic avian influenza)の人間感染が発生していることを正式に発表しました。このうち1-2件が人間から人間への感染(human-to-human transmission)の可能性を指摘されています。発表された3件のうち2件はすでに死亡したケースです。
死亡した2件のケースは、鳥インフルエンザ感染が疑われて9月8日に、肺炎で死亡した11歳の子供と、9月20日に死亡した26歳の母親です。3件目はこの子と暮らしていた叔母の、32歳になる婦人で、現在入院中といわれます。子供のケースは詳しい調査が無いままに火葬されたため、因果関係のトレースが困難となっているようです。
11歳の子供と叔母は北部のカンペーンペット県(Kamphaeng Phet、スコタイ、ナコンチャワンなどに隣接する県)で暮らしており、鳥インフルエンザで死んだ鶏と濃厚な接触があったようです。
叔母が鶏と接触があったかどうかは確認できません。また26歳の母親は別居していましたが、子供の看病のためにカンペーンペット県に来て、亡くなるまで患者に密着していたようです。母親は自宅のあるバンコック隣県のノンタブリー県(Nonthaburi)に帰宅してから発病し、死亡しました。ノンタブリー県はバンコック首都圏です。
このファミリーのケースが、人から人への伝染の可能性が高いことは、現在32歳の叔母の、6歳になる子供が発病しており、感染が疑われていることもあります。
タイでは鳥インフルエンザの人間感染により、年初から10人が死亡したことになります(発生は15件)。これはヴェトナムの20人の死亡数に次ぐものです(発生は27件)。
関係者は、鳥インフルエンザの蔓延を防ぐことが、非常に難しいことを懸念しています。鳥インフルエンザに感染して世界に散在する野鳥類を、撲滅することが不可能に近いためです。
WHO(世界保健機構)ではこのケースが、現段階では、いまだに稀なケースであるとは認識しつつも、世界的な人から人への感染(influenza pandemic)を予兆する、重大な警告でもある可能性を否定していません。
鳥インフルエンザ・ウィルスの易学的な人から人への感染(human-to-human transmission)メカニズムはいまだに明らかでなく、人から人に感染可能なH5N1ウィルス異種株の同定も出来ていません。
WHOでは今回のウィルスの遺伝子を、世界インフルエンザ調査ネットワーク(WHO Global Influenza Surveillance Network)に依頼して分析中ですが、詳細が判明し、ワクチンが普及するまでは、人感染発生地に近寄らないことが最大の防御策といえます。

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