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世界の健康ニュース解説

「天国の青い蝶」で脳腫瘍が消えた?
環境の激変が癌抑制遺伝子を活性化


メネラウスモルフォ(Morpho menelaus)

  1. 「天国の青い蝶」
  2. 米国映画、ブルー・バタフライ(The blue butterfly:青い蝶)が封切られました。「天国の青い蝶」が日本でのタイトルです。青い蝶とはブルー・モルフォ・アゲハを指しています。
    テーマは脳腫瘍で余命数ヶ月と宣告された11歳の蝶コレクターが、夢にまであこがれたブルー・モルフォを採集に行く話しです。少年は熱帯雨林の小さな集落に滞在し、奥地でのブルー・モルフォ採集へ執念を燃やします。
    不思議なことに、少年の脳腫瘍はこの数奇な体験により消滅します。
    「青い蝶」はロケ地に中米コスタリカの熱帯雨林が使用されました。おそらくトルトゥゲーロ国立公園(Tortuguero)ですが、ブロッサール氏のコラムには、少年とメキシコのアカプルコに向かったと書いてありますから、ロケ地と実話は異なるのでしょう。
    この映画はコスタリカの大自然の紹介をする観光映画ともいえます。キャスティングやCG技術など、劇映画としては、合格点に遠いかもしれませんが、自然環境愛好家が、純粋にコスタリカの動物を楽しむには十分満足できる映画です。

  3. モントリオール昆虫館
  4. カナダにモントリオール・インセクタリュウム(Insectarium de Montreal)という昆虫館があります。昆虫マニアのジョルジュ・ブロッサール氏(Georges Brossard)の25万点を超えるコレクションを基に州政府が開館したものです。「天国の青い蝶」はブロッサール氏の体験した実話に基づいています。昆虫館は1990年2月に開館しましたが、この開館セレモニーからストーリーは始まります。



  5. 中枢神経の高まりがガンを撲滅
  6. 環境が激変し、異常な体験をすることにより癌は消滅するものでしょうか。
    世界各地に伝わる伝統的な代替医療や、西洋医学では、
    中枢神経などを高揚させ、ホルモン分泌を盛んにすることにより、免疫力が高まることが知られています。反対に神経疲労が重なると免疫力が低下し、癌に罹りやすいことも知られています。
    現在では、がん細胞に栄養補給するシステムを、ピンポイントで破壊する研究とともに、中枢神経の働きの研究が癌研究の主流の一つとなっています。
    「ブルー・モルフォを捕らえたい」という強い願望があったにかかわらず、成しえなかった夢の実現が、がん細胞を死滅させる。このような奇跡は起こり得るわけです(少年は元気になり、ブロッサール氏と暮らしているようです)。
    ただし、誰にでも、というわけではないでしょう。
    目的に向かって突き進む、強い意志、精神力、感受性を持つ人には、なにか環境を激変させることが、癌細胞死滅のチャンスとなるかもしれません。

  7. ガン(癌)発生のメカニズム
  8. 癌などの悪性腫瘍は、ウィルスか、ダイオキシンなどの癌発現物質(カルシノーゲン:carcinogen)が癌遺伝子(オンコジーン:oncogene)を変異(mutation)させることにより発生します(参照検索番号1290、癌治療の救世主となるか? P-53癌抑制遺伝子の研究)

    通常は発生抑制遺伝子(tumor suppressor genes)が同時に働くために発病しませんが、発生抑制遺伝子も数多く、研究途上です。
    発生抑制に働く酵素類などのメカニズムは、癌の種類により千差万別で複雑、未知の部分が多く、治療法確立には至っておりません。

    最近の医学では、かなり多くの癌に共通して関係しているといわれる、P53(癌細胞に限って増加している酵素。PはProtein、53は分子量を表します)、 HAAH(Human Aspartyl beta-HydroxylaseまたはHuman Asparaginyl beta-Hydroxylase)
    などの酵素類が発見されています。癌の早期発見には役立ちますが、酵素の働きはまだ十分に解されておりません。
    残念ながら現段階では、がん抑制の真のメカニズムは、人間の体の防御機能だけが知っているということです。
    末期がんは自己免疫力(治癒力)に頼るしか治療方法が無いわけですが、中枢神経の機能研究が非常に重要なことをこの映画は示唆しています。

  9. 動物の楽園:コスタリカ(The Republic of Costa Rica)  
  10. 中米のコスタリカはスペインの植民地から1848年に独立、人口約390万、国土は日本の7分の1(51,100 sq km)の小さな国で、首都は人口150万のサン・ホセ(San Jose)です。コーヒー、バナナ、パイナップル以外には産業資源が乏しいために、世界でも稀な動植物の観光資源を大切にして、現在国土の13.7 % (1997)を、国立公園、自然保護区として保護しています。
    他国同様に熱帯雨林(rain forest)、熱帯雲霧林(cloud forest)、熱帯乾燥林(dry forest)などは減少しており、現在は国土の24.4 % (1995) です。

    映画では1,000種類(1,600種?)を超える蘭類、200種類を超える哺乳類、900 種類近い鳥類、1,300種類といわれる蝶類などの一部を垣間見ることが出来ます。
    ブルー・モルフォ(blue morpho)は61種類、分類されています。金属光沢を持つトルコ・ブルー色部分が羽の表面全体を覆う、メネラウスモルフォ(Morpho menelaus)が一番著名です。過去にはブラジルなど中南米のお土産として人気商品でしたが、現在は保護蝶です。


    映画で散見できたのは、図鑑でおなじみの昆虫がハキリアリ(Leaf-cutting ant)(Atta sexdence)、ヘラクレスカブトムシ(Dynastes hercules)、ハナカマキリ (Hymenopus coronatus)、コノハムシ (Phyllinum giganteum)、ヘカレドクチョウ(Heliconius hecale zuleika)など多数の熱帯産蝶類、蝶類の幼虫各種。
    動物園で見ることができる、鳥類愛好家羨望のケツェルと呼ばれるカザリキヌバネドリ(Resplendent Quetzal)やサンショクキムネオオハシ(Ramphastos sulfuratus、Ramphastos carinatusなど近似種が多い)、ブラック・イグワナ、カメレオン、ハナジロハナグマ、アリクイ、クロコダイル、蛇類、ヤドクガエル(矢毒かえる)類など。
    数多くの動物類が接写されてはっきりと見ることが出来ます。(動物名は外観からの推定です)