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世界の健康ニュース解説

カバの赤い汗からヒポスドリック酸:細菌防止効果?

    カバの赤い汗から新物質のヒポスドリック酸を分離紫外線カット(UVカット)、
    細菌防止に効果?

    京都薬科大学(橋本貴美子氏、慶大から転出)、慶応大学(サエキ・ヨウコ氏)、上野動物園の合同研究チームが先月末、英学術誌ネイチャー(Nature.)に発表した「カバの赤い汗は紫外線をカットし、日焼け防止作用がある」という研究が、動物園関係者などを中心に、国際的な論争を生んでいます。 動物園関係者の話では、カバは血のような、赤い分泌物を噴出するそうです。 研究は、カバ(Hippopotamus amphibius)の汗(?)から抽出した色素(pigments)に日焼け防止と抗細菌作用があるというものです。 色素は赤と黄色で分泌される炭素環を持つ物質ですが、分泌前は無色だそうです。 研究チームは物質が、カバの体内ではアミノ酸のチロシン(tyrosine)から合成されるのではないかと推測しています。

    抗細菌作用実験は赤い色素を使い、緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa)、クレブシェラ肺炎の原因細菌(Klebsiella pneumonia)に対して行われましたが、顕著な効果を示したそうです(実験室内)
    研究チームは二つの色素をヒポスドリック酸(hipposudoric acid)とノルヒポスドリック酸(norhipposudoric acid)と名付けました。
    これまでも植物からは、紫外線をカットする物質は種々得られているようですが、日焼け防止剤の開発には繋がっていません。
    最大の難点は、物質が非常に不安定であることです。

    今回得られた物質も実験室では非常に不安定だそうですが、動物園のカバの赤い分泌物は、5分から、数時間は体表にとどまるといわれますので、安定化の研究余地はありそうです。

    動物研究者や動物園関係者の論点は色々ありますが


    • カバに汗腺は無い、この分泌物は汗ではなく、汗様の分泌物。
    • この物質は防水のためのもの。
    • 分泌色素は乾燥すると茶色になる。これはカバの体温上昇防止の皮膚用色素である。したがって人間が塗布をすれば、皮膚が変色する。
    • カバは暑くなれば水に入るから、紫外線を防止する必要がない。

    などなどですが、実験室段階とはいえ、哺乳類の動物性物質であり、実験効果はあるようですから、注目すべき研究であるといえます。


    コビトカバ(リベリアカバ)英名:Pygmy hippopotamus
    学名:Choeropsis liberiensis

    コビトカバとは?

    コビトカバは、カバの原種といわれ陸上を主に生活しています。現在のカバはコビトカバが進化して体重が増えたため、脚が支えられなくなり、水中で生活するようになったといわれます。注目すべきは体色です。コビトカバは限りなく黒に近い濃褐色ですが、水中で生活する現在のカバはご覧の通り退色しています。体色と紫外線防御の関係を示唆しています

    カバ英名:Hippopotamus学名:Hippopotamus amphibius  バンコック動物園