世界の健康ニュース解説
コンフリー(comfrey)で肝臓障害の疑い
- 学名: Symphytum officinale L
- 英名: comfrey、 knitbone,
- 和名: ヒレハリソウ(鰭玻璃草)
- ヨーロッパ原産
コンフリーとは骨を強化するというラテン語、シンフィツムは骨を結合するというギリシャ語です。コンフリーは、ヨーロッパ中世の戦乱で、負傷者の治療に使用されていた記録があるそうです。
含有するアラントイン(Allantoin)(注2)には、傷つけられた細胞の修復作用があるといわれています。
また含有するポリフェノールのロスマリン酸(rosmarinic acid)(赤シソ、ローズマリーに多く含有される)が抗炎症の働きをするといわれ、傷や胃炎などの治療に用いられました。
コンフリーはビタミンB類、ミネラル類を多く含むために、欧米の民間では貧血予防, 新陳代謝促進や強壮を目的としても摂食されて来ました。しかしながら現在の欧米ではピロリジディン・アルカロイドの有害性が広く知られているために、摂食する人は少なくなりました。
日本では危険情報が少なかったために、ラーメンなどの飲食店で提供されることがあります。葉に粘液成分ムチラーゼ(mucilage)を多く含むため、オクラのような食感があります。
厚生労働省は下記の近縁種についても同様な警告をしています。
- プリックリーコンフリー(prickly comfrey)(Symphytum asperurn)
- ロシアンコンフリー(Russian Comfrey)(Symphytum x uplandicum)
注1)ピロリジディン・アルカロイド(Pyrrolizidine alkaloids)
植物毒の主成分といわれるアルカロイドは、植物が動物から身を守るために働く物質といわれています。
ピロリジディン・アルカロイドは分子構造では含窒素五員環に分類されます。
5000種以上が存在するといわれるアルカロイドの中でも、ピロリジディン環をもつアルカロイドは、数百種類を越える植物から分離されているありふれたアルカロイドです。特にムラサキ科(Boraginaceae)、キク科(Compositae)、マメ科(Leguminosae )の植物に多く存在します。
ピロリジディン・アルカロイドは路傍や原野で、繁殖力の強い雑草として一般的な、キク科のタンジー(common tansy)(Tanacetum vulgare)と、ラグワート(tansy ragwort)(Senecio jacobaea)に含有されていることが著名です。羊や牛など家畜の食中毒で、最も多い原因が、タンジーとラグワートの摂食です。
タンジー(ヨモギギク)Tanacetum vulgare
民間薬として回虫の駆除などに使用していた歴史もありますが、有害性が認知されてからは使用されていません。現在の薬草の事典などではピロリジディン・アルカロイドが肝臓に危険な物質であることが明記されています。
注2)アラントイン(Allantoin)(5-ウレイドヒダントイン、5-ureidohydantoin)
分子構造では含窒素五員環に分類される。コンフリーの根茎に多く含有されるアラントインは細胞修復作用があるといわれ、クリーム、ローションなど皮膚用化粧品に使用されています。化粧品用添加物は尿素を化学的に合成した粉末を使用しています。哺乳類では核酸の代謝経路で、尿酸 (uric acid)の酸化生成物として造られる物質です。
ピロリジディン・アルカロイドが原因物質か
コンフリー(comfrey)で肝臓障害の疑い
2004年6月14日、厚生労働省はコンフリー(comfrey)、またはシンフィツム(Symphytum)と呼ばれる薬草(野菜)について、健康食品、生鮮野菜、コンフリー添加麺などの販売自粛を要請しました。
海外にコンフリーを原因とする肝臓障害(肝静脈閉塞性疾患)の疑い事例報告が、多いためです。コンフリーの根茎に多く含まれるピロリジディン・アルカロイド(Pyrrolizidine alkaloids)(注1)が肝臓に危険なことは、かねてより内外の薬草事典、解説書などに記載されています。
解説
コンフリー ムラサキ科(Boraginaceae)

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