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世界の健康ニュース解説

激しい下痢を起こす中国製ダイエット食品:ソルビトールとは

肥満には様々の原因があり、過度な肥満は医師の診断の領域です。適度な運動とバランスの取れた食事、ビタミン、ミネラル、脂肪酸などの摂食で新陳代謝を促し、血糖や血中脂質を適度な状態に保つことです。細胞内小器官のミトコンドリア量を増やし、活性化させる工夫も糖代謝などに大きな効果があります。ダイエットに近道はありません。

断食や下剤は減量効果こそありますが、副作用の可能性が否定できず、安全といわれるキトサンの摂食でさえ方法を誤ると危険です。

  1. 摘発された中国製ダイエット食品
  2. 鳳凰軽身痩と千年草減肥香茶という中国から輸入されたダイエット健康食品が8月末に摘発されました。今年の6月頃より「痩せなければ返金する」というキャッチフレーズをめぐり、ネット上で工作員と称する業者サイドの「さくら」や、痩せなかった消費者の間で返金騒ぎが広がっていたものです。
    「タピオカ入りダイエットココナッツミルク」という飲料タイプの鳳凰軽身痩と顆粒タイプの千年草減肥香茶の一日分には、食品添加物にのみ認められているD-ソルビトール(D-Sorbitol)が食品による、一日の標準摂食量の25倍以上が含有されていました。

    販売は本年3月から8月までの僅か5ヶ月たらずで、4,448,640缶(1缶380円)に上り、購入者数は131,564名と報告されています(厚生労働省資料)。輸入販売会社は双方共に、すでに9月に倒産しています。

  3. 下痢を起こす糖アルコール
  4. もともとこれらの糖アルコールは多量の摂食で下痢を起こすことが知られていますが、消費者の苦情は激しい下痢による体力低下です。昨年からセンナなど違法薬品や添加物を使用して摘発されたダイエット健康食品は50種類を超えていますが、今回の事件は短期間の販売数量の多さと、違法薬品の多量な配合が異常でした。
    鳳凰軽身痩は1缶260グラムに28.6グラムのソルビトール、千年草減肥香茶には一包あたり25グラムに 23グラムのソルビトールが配合されていました。

  5. D-ソルビトール(D-Sorbitol)とは
  6. C6H14O6 またはHOCH2(CHOH)4CH2OH 分子量182.17(別名D-Glucitol、Cholaxine、D-Sorbite、Hexahydric Alcohol、Karion、L-Gulitol、Nivitin、Sionit)

    ソルビトールはブドウ糖の還元によってできる糖アルコールの一種です。
    人工的にはコーンスターチのブドウ糖を高圧水素触媒(high-pressure catalytic hydrogenation)することによって造られます。
    違法に使用されたD-ソルビトールはナシ,リンゴ,プラムなどの果実類に含まれ、甘味料などに使用されるエリスリトール(erythritol)、マンニトール(Mannitol)、キシリトール(Xylitol)などと同じ単糖ポリオール類(polyols monosaccarides)です。
    同様な糖類には、イソマルト(Isomalt)、マルチトール(Maltitol)等の二糖ポリオール類があります。
    ソルビトールという名は西洋ナナカマド(Sorbus aucuparia) (別名rowan、mountain ash)の赤い実にちなんで名付けられました。

  7. ソルビトールの用途
  8. ソルビトールは薬用では胃のレントゲン撮影で、硫酸バリウムと併用してX線造影度を高め、便秘防止にはたらきます。
    また食用、工業用途では、食品甘味料、製剤,化粧品用界面活性剤、たばこ添加剤、ビタミンC添加剤、ポリウレタンの合成、皮革などの軟化剤,潤滑油,不凍剤、品質保持剤,チューインガム軟化剤に使用され、一般になじみの深いものです。

    甘味度が蔗糖の60%ですので、特に糖尿病患者のための甘味料として1930年前半から使われていた歴史があります。ソルビトールはキシリトール(Xylitol)と同様にむし歯を起こさない糖アルコールといわれ、歯磨剤の中には、ソルビト−ルを35%も含むものがあります。
    用量に気をつければ、危険度の少ない物質といえますが、今回のような異常量の継続摂取は、下痢によって体力が衰弱するため、非常に危険です。