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世界の健康ニュース解説

SARSは消滅したわけではありません

    severe acute respiratory syndrome (SARS) SARS(サース/サーズ)は消滅したわけではありません


    WHOが7月に終息宣言を出したとはいえ、サーズSARSの完全終息を確信している専門家は非常に少ないといえます。
    10月初めに国立京都国際会館で開催される予定であった、国際顎頭蓋機能学会は、アジア便の航空機などでの、サーズSARS感染を恐れる欧米医師の参加者(世界の17カ国から約260人の外科医や歯科医)などから敬遠され、中止となりましたが、実際に9月になってシンガポールではサーズSARSを濃厚に疑われる患者が発生しました。

    シンガポールの2箇所の医学研究所で研修をしていた27歳の医学生が、8月末に高熱を発し、9月7日にはPCR テスト(注)等の結果により、サーズコロナウィルスSARS-associated coronavirus (SARS-CoV)が検出されたとの報告がありました。この学生は台湾や中国などサーズSARS汚染国への渡航歴はありませんでしたので、CDC, WHOは共に、サーズSARSは実験室で感染した特異なケースであり、感染が広がる懸念はないと発表しています。

    これから冬を迎えてインフルエンザが流行すると、サーズSARS再発との区別が困難なケースが予想され、国際的にサーズSARS再発が懸念されています。CDCでは、各国でのサーズSARS再発予防に十分な注意を促していますが、秋期から冬期に、過去の汚染国に渡航される方は、充分な注意と対策が必要です。

    注)PCR  Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ鎖の反応試験)
    すでに同定されたウィルスの巨大な数の遺伝子塩基配列をコピーして、疑いウィルスを同定する試験。 感染したウィルスを培養する時間が不要なため、感染後の判定スピードには優れるが、信頼性、確実性にはやや欠けるという。CDCによれば、シンガポールでのウィルス同定には、PCRの他に、血清のタンパク質抗体反応テスト(serologic CRP testing)も実施されました。