世界の健康ニュース解説
ダイエット食品に再度警告:アマメシバで呼吸困難に:
食品といえども大量摂食が危険な場合が少なくありません
厚生労働省は2003年8月4日、最近、鹿児島において発生した、閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans)の女性患者は、ダイエット用に服用していたアマメシバに疑いがあることを発表しました。販売業者名も公表されましたが、他にも取り扱い業者は複数存在します。この40代の女性は昨年12月より、乾燥アマメシバを一日4回8グラム、130日間も摂取していたようです。
- アマメシバの中毒事件
- アマメシバ 学名:Sauropus androgynus(Linn) Merr.
- 日本のアマメシバ産業
- アマメシバの有毒成分はユーフォルビン(Euphorbine)
台湾では1994年から2000年ごろまでに、ダイエット食品としてアマメシバを摂食した、働き盛りの30代、40代の人々が、数百人規模の被害を受け、20人以上が死亡しました。この事件では多くの人が呼吸困難の症状を呈し、閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans)と診断されました。
アマメシバの毒性に関しては台北の榮民總醫院(Veterans General Hospital)、 国立陽明大学(National Yang-Ming University)のLin TJ, Lu CC, Chen KW, Deng JF.氏らに研究発表があります。
今回の日本の事件は鹿児島大学医学部附属病院第三内科・納光弘(おさめみつひろ)教授より報告されたものですが、症状が1996年に台湾国立毒物センターに報告されたアマメシバ中毒の実情と酷似していることから、アマメシバの中毒である疑いが濃厚です。米国NIH(厚生省)は台湾の事件発生時に広く国民に、アマメシバの有毒性を警告しています。
トウダイグサ属(ユーフォルビア属):Euphorbiaceae family
天芽(あまめ)というのは商品名。
アマメシバはボルネオ原産といわれ、別名サバ(ボルネオのマレーシア領の州)の野菜:Sabah vegetableとも呼ばれる植物ですが、台湾、米国などの中毒被害者は全て、絞り汁などをダイエット用として摂取していました。
アマメシバ類は日本に20数種、世界には1000種はあるといわれます。
アマメシバはマレーシア、インドネシア、タイなどでは、伝統的に薬草(母乳の出をよくする。breast milk secretion)として扱われ、近年は炒め野菜、煮野菜ともなっています。生産国では、これまでに被害報告はありませんが、植物学者はアマメシバが属するユーフォルビア属の一部を、毒草としても分類しています。
現在、アマメシバは沖縄、石垣島などで年間3000トンあまりが出荷されていると推定(厚生労働省)されていますが、観葉植物としての需要もあるようです。日本ではダイエット食品としてサプリメント化もされて、いくつかの製品が市場に出回り、今回の事件もそのうちの一つです。
米国では、ダイエット用野菜として、一時はフロリダなどで栽培の機運がありましたが、学者たちの警鐘により、現在は普及していません。
日本では、アマメシバの茎を木のアスパラガスと名づけて、食用にしようとする農家もありますが、中毒原因が解明されるまでは、生食や、大量の摂食は避けたほうが無難です。
アマメシバはマレーシアではカトゥ(Katuk)と呼びますが、茎はサヨーマニス(sayor manis)というチップ状の食品となっています。
トウダイグサ属は有毒といわれるものが多く,
ポインセチア、初雪草、トウダイグサ、タカトウダイ、ナツトウダイ、アブラギリ、トウゴマなど日
雌雄異花同株または雌雄異株の一年草、多年草です。サボテン様の多肉種類が多く、アフリカの乾燥地帯には、アメリカ砂漠地帯のサボテンのようにユーフォルビア属が繁茂しているといわれますが、サボテンとは別属です。多肉部を傷つけると乳液が出ますが、この成分がユーフォルビン(Euphorbine)と呼ばれる成分で、有毒といわれます。
毒性として気管支障害、肝臓障害、不眠などが報告されています。
アマメシバからはアルカロイド成分のパパヴェリン(Papaverine)も検出されていますが、事件の原因物質かどうかは確定できません。
パパヴェリンは芥子(けし)等の成分の一つで、平滑筋弛緩剤、脳動脈循環障害に、医薬品として使用されることがありました。

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