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世界の健康ニュース解説

中国産加工うなぎから大量検出された抗菌剤

今年の土用丑の日はうなぎの輸入需給バランスの大幅な乱れ(輸入供給が需要の倍以上もあります)が予測されており、安いうなぎが食べられそうですが、中国産加工うなぎから合成抗菌剤エンロフロキサシンが、安全基準量といわれる0.01−0.1ppm(残留部位によって異なる)の数十倍を上回る1.5ppm―1.9ppm検出されたことが話題となっています。

    INDEX
    1. 食肉、養殖魚に多用される抗生物質や抗菌剤
    2. 中国産うなぎが大量の抗菌剤を使用
    3. エンロフロキサシン(enrofloxacin)(ERFX)
    4. 薬品使用の安全基準量


    1. 食肉、養殖魚に多用される抗生物質や抗菌剤
    抗生物質や抗菌剤は牛、豚、鶏など食肉動物や養殖魚に多用されますが、耐性菌の増加、摂食者への副作用、病原性微生物の変異などの可能性があります。
    エンロフロキサシンは豚、うさぎなど哺乳類動物の抗菌に使用されますが、投与によって皮膚疾患、嘔吐などの副作用が報告されています。


    2. 中国産うなぎが大量の抗菌剤を使用
    加工鰻輸入量の大半を占める中国産(は過去にもメチル水銀や合成抗菌剤のオキソリン酸(oxophosphoricacid)、スルファジミジン(Sulfadimidine)などが許容量以上検出され、消費者から輸入鰻が敬遠される原因となっていました。
    対策に苦慮した輸入鰻組合では昨年に特別委員会を作り中国の生産者(主として広東省、福建省)と協議、養殖現場運営の指導、監視など、安全確保に努力してきましたが、今回は副委員長の会社からもエンロフロキサシンや陽性大腸菌が検出される騒ぎとなっています。
    鰻へのエンロフロキサシン残留が予測できず、組合の検査マーカーになっていなかったことや、多忙な検疫所等からの情報不足も不幸な要因だったかもしれません。


    3. エンロフロキサシン(enrofloxacin)(ERFX)
    ニューキノロン(フルオロキノン)系合成抗菌剤。キノン系(Quinoids)物質の一つとして定義され、動物用ではバイトリル(BAYTRIL)という商品名でバイエルから発売されています。キノン系物質は食用色素も著名ですが、日本では食品添加物としての使用が禁止されています。最近発見された一番新しいビタミン、ピロロキノリンキノン(PQQ)もキノン系物質です。


    4. 薬品使用の安全基準量
    厚生労働省が食品への抗生物質、抗菌剤、ホルモン剤などの使用規制作業を本格的に始めたのは比較的新しく、まだ7年くらいです。薬品が使用された農畜水産食品への安全性基準値研究(残留基準値MRL、無影響量NOEL、許容一日摂取量ADIなどの設定)には膨大な予算と時間(2世代にまたがる調査でも充分でないといわれる)が必要です。厚生労働省では、先進国のデータ等も参考にして、これまでに45種類の抗生物質、抗菌剤、20数種類のホルモン剤、神経薬他のガイドラインを発表しています