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世界の健康ニュース解説

ハクビシン(ジャコウネコ科)からサースSARSウィルスが検出される?

    香港大学がハクビシン(注),アライグマ、狸などよりサースSARS原因ウィルスの新種コロナウィルスを発見したことが報道されました。
    WHOが正式に発表したわけではありませんが、広東省では、サースSARSが発生した当初から、華南地方で食習慣となっている、マイナーな動物性食材やゴキブリが原因ではないかとの噂がありました。その理由は、初期に広州の調理師などに感染比率が高かったためです。
    広州など華南地方は犬、猫、こうもり、トカゲ、サンショウウオ、アオイソメなど、あらゆるといってよいほどの動物を食する習慣が有名ですが、この独特の食習慣は、「奇病発現の原因となりやすい」と、各方面の有識者に、かねてから指摘されています。
    しかしながら近年の広東省の食材事情は大きく変化して、西欧化しています。
    広東主要都市を最近10年間くらい継続的に訪問していますが、犬、猫、狸料理は、例えご馳走分野に限っても日常的ではありません。
    犬料理は婦人病に効能があるといわれていますので、薬用として、現在でも、少なからず愛用者がいることは否定できません。
    香肉鍋、龍虎闘など犬料理、狸料理には有名な料理法も知られています。
    このような食習慣の由来は、美味しい、安い、好奇心、薬用など、食材ごとに異なります。広州ではハクビシン,アライグマ、狸などは薬用と好奇心が中心と考えられていますが、地域によっては、貧しさゆえに、手短に取得できる大型の蛋白源として、犬、猫、狸などを食用にしているともいわれています。
    セントバーナードなどの大型犬類を食用にするのは、朝鮮国境に近い東北地方が、より一般的だからです。 

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    SARS発祥の地として話題となった、広州、仏山、東莞など珠江デルタ地域の都市部は中国一の経済発展をとげている豊かな地域です。
    この地域は外国企業の進出と物流手段の発展で近代化が進み、食生活は大きく変化しています。伝統的に中国人が好んで食する、鳩、蛙、蛇、さそり、昆虫類などは現在も普通に見られる食材ですが、この類は美味しいこともあり、華南地方に限らず、中国各地、華僑の進出国などで一般的です。
    しかしながら犬、猫、狸類は広東省都市部に限っていえば日常的ではありません。
    犬、猫、狸、ウサギなどより、豚、アヒル、鶏などが、より好まれているのは明白です。
    すでに広州最大の食品市場といわれた清平市場(地下鉄黄沙駅そば)に食材事情の変化が顕著に現れています。
    最近まで軒を連ねていた犬、猫、狸類、ウサギを含めた食肉類、野菜などの原始的な市場は見当たらず、散在する店舗が清平路近辺に面影を残している程度です。
    多様な食材を供給するという清平市場の重要性は人々の認識からは消え去っていました。現在の清平市場といえば漢方薬主体の市場です。
    近辺には有力な観光資源として期待される沙面や、珠江観光と船舶交通の基点となる船着場などがありますから、国際的な衛生、動物愛護などの配慮から、政策的に整備されたのかもしれません。広東省では世代の交代と近代化が次第に、着実に食材事情を変化させています。

    いずれにしても、院内感染、乗り物感染などの二次感染を別にすれば、SARSの初期感染は経口の疑いが濃厚です。
    今回のSARS騒動は中国の衛生管理の実態を世界に知らしめたといえます。SARSウィルスは空気感染の可能性が少ない、エタノール程度でも死滅する薬品耐性の低いウィルスといわれていますから、衛生管理がよければ、初期の感染が、これほどまで中国を中心に急拡大することはなかったでしょう。
    今後は調理現場での包丁、まないた、食器、食材の洗浄や消毒、水質の管理、食材の安全保管、調理人のマスク着用、手洗いなど、基本的なことの徹底励行管理が重要です。犬、狸類など特殊食材を調理する人には、さらに特別な配慮をしてもらいたいものです。衛生状態の改善と衛生思想の向上が、類似感染症再発防止の鍵です。