<<< ノギボタニカルのトップページへ

世界の健康ニュース解説

SARSに「付着感染」と複数の突然変異ウィルス存在の可能性

    SARS(サース/サーズ)は中国を中心に蔓延し、全世界の死亡者が461人、感染者は6.587人(WHO調査2003.5.5日現在)を超えました。
    当サイトは3月27日より7回の報告によって、SARS(サース/サーズ)をこれまでの肺炎とは異なる、伝染性の強い、危険な感染症として注目してきましたが、感染者、死亡者の短期間での急増は予想以上でした。

    5月5日付でWHOは国際協力のもとで続けたSARS(サース/サーズ)ウィルスの生存テスト(プラスティック上にウィルスを放置する)を公表しました。
    報告によれば、
    尿や便に混入したウィルスが排泄後も24時間から4日間は生存できることが明らかになり、SARS感染者のせき、くしゃみ、排泄物などが付着した物を介して、ウィルス汚染が拡がる付着感染の可能性があることが指摘されました。


    また180人を超える死者を出している香港の病院関係者は、当初から複数のウィルスの存在を指摘していましたが、
    最新の会見では、SARS(サース/サーズ)ウィルスにDNA変異を起こしている4種類の異なった塩基配列を確認したと報告しています。
    このことは医師によるSARS(サース/サーズ)の感染確認、研究者によるワクチンの開発にあたって、方法論に新たな論議を引き起こす可能性があります。


    東大で研究をしている、北京在住の免疫学専門医は、中国のSARS(サース/サーズ)は6月ごろには感染拡大を止めることが出来るのではないかとの見通しを示しましたが、付着感染の可能性が出てきたことにより、しばらくは楽観できなくなりました。
    感染者以外の人や物による間接感染の可能性が出てきたからです。付着感染の防止には第1報 >(SARS--アジアの新種劇症肺炎)にある、基本的な手洗いなどの実行が必要です。


    来月、6月17−18日にジュネーブにて、SARS(サース/サーズ)の治療担当者やウィルス研究担当者による、SARS国際科学会議が開催予定されています。多くの実例が検証され、感染防止対策とワクチン開発が進展することを期待されています。