世界の健康ニュース解説
アクリルアミドはポテトチップス、フレンチフライが危ない
アクリルアミドという、地下工事の際の土壌凝固材、 漏水防止剤などとして使用される化学物質が、ポテトチップスやフライドポテトから検出され、
このアクリルアミドに発がん性の疑いがあるとして、今、問題になっています。
1. ポテトチップス、フレンチフライに生成されるアクリルアミド
ポテトチップス、フライドポテト、ビスケットなど炭水化物を多く含む食材を高温で加熱すると、アスパラギンとブドウ糖などが反応し、 劇物のアクリルアミドを生成するということが、ストックホルム 大学とスウェーデン食品庁の共同研究で明らになったのは今年の4月です。
それ以来各国で専門家により、研究、議論が続けられていますが、 これら食品中に生成されたアクリルアミドに毒性が存在するのではないかという認識が大勢のようです。
平成14年10月31日に厚生労働省食品保健部は揚げ物や脂肪食の過度な摂取を控え、炭水化物の多い食品を焼いたり、 揚げたりする場合にはあまり長時間、高温で調理しないよう国民に注意を喚起することにしました。
これまで各国では、継続してこれら食品を摂取してきたことでもあり、許容量など、いまだ不明な点も多いのですが、 先進諸国では米国FDAなど、世界的に危機認識が共通しており、毒性問題が報道によっても大きくとりあげられてきていることから、
世界各国での研究が進み、毒性の実態がより明らかになるまでは、 これらの食品を摂取することは、慎重にするべきではないかということです。
2. 国際会議で議題となったアクリルアミドの危険性
2002年6月25日―27日にスイスのジュネーブにおいて世界保健機関(WHO)は食品中の アクリルアミド に 関する専門家会議を開催しました。 また2002年10月28日―30日には米国シカゴにおいてアメリカ、カナダ、ノルウェー、イギリス、スイス、ドイツなど各国の研究者などがシンポジュームを催し食品中のアクリルアミドの毒性と代謝を始め、今後必要な諸事項を分析して、研究、検討の方向性を模索しました。
アクリルアミドは動物に対して毒性があり、日本では劇物に指定されています。
また、国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)により、発ガンの可能性が高いという2A項目に分類されています。
これまでの実例では、土建業などアクリルアミドを吸収したり、さらされていた人の神経障害や、雄の動物を用いた実験で、 生殖機能障害が報告されています。
アクリルアミドは紫外線、熱などによって重合し水に溶けない重合体のポリアクリルアミドを生成する性質が利用されて、 産業用には、土壌凝固剤や漏水防止剤として広く使用されています。



3. 食品中のアクリルアミド検出量
国立医薬品衛生研究所はスウェーデン国立食品局(NFA)など諸外国のデータと比較した、
食品中のアクリルアミド含有量分析表を作りました。
| アクリルアミド検出量 | ||
| 品名 | 国内 | 海外5カ国 |
| フライドポテト | 512〜 784 | 50〜3,500 |
| ポテトチップス | 467〜3,544 | 170〜2,287 |
| コーヒーパウダー | 151〜 231 | 170〜 230 |
| とうもろこしチップス類 | 117〜 535 | 34〜 416 |
| 朝食用シリアル | 113〜 122 | 30〜1,346 |
| チョコレートパウダー | 104〜 141 | 50〜 100 |
| ビスケット、クラッカー | 53〜 302 | 30〜3,200 |
| 食パン、ロールパン | 9〜 30 | 30〜 162 |
| ビール | 9 | 30 |
含有量の最大値と最小値(単位はμg/kg)(国立医薬品衛生研究所調べ)
世界的に、問題発生から日が浅いために、各国ともに分析サンプル数が少なく、結果のバラツキガ多いのが特徴ですから、この表は参考にしかなりません。ポテトチップスなどあげもの類のバラツキガ非常に大きいことの原因も調査中とのことです。
厚生労働省では、「焼いたり揚げたりするときは、長時間で調理しないように、また焦げたものは食べない、さらにバランスのよい食事を摂るよう心掛けて」と呼びかけています。

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